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2011年08月09日

●とにかく大きく羽ばたいてほしい! — 大竹選手の移籍について

大竹洋平選手 セレッソ大阪へ期限付き移籍決定のお知らせ (FC東京公式)
 
 
うーん、実に残念だ。大竹はピカイチの攻撃センスを感じさせてくれる僕好みの選手で、今の東京では森重・田邉と並ぶ大のお気に入りだった。しかもユース上がりだったし、彼の才能が青赤のユニフォームの下で満開に花開く姿を見られなかったのは、本当に残念なことだ。
 
 
大竹が最初にその才能の片鱗を見せたのは、2008年春の多摩川クラシコだった。途中出場した大竹はDFに囲まれながら川島の頭上を抜く超絶ループシュートで決勝点を挙げ、さらに流れるパスワークの中で今野に見事なスルーパスを通して駄目押し点をアシスト。新人の目を見張る大活躍に味スタは「スタア誕生」の雰囲気に包まれた。城福東京1年目の勢いを象徴する選手でもあった。
 
その後も、大竹の歩みは順調に見えた。スーパーサブとして「大竹スイッチ」と呼ばれる攻撃を加速させる役割を果たし、札幌戦鹿島戦では勝利に貢献する貴重な得点を挙げた。特にセットプレーの精度は素晴らしく、奪ったCKは全てチャンスとなった。大宮戦では直接FKでやはり決勝ゴールを奪って見せた。城福東京のムービングフットボールとともに、彼の未来は明るいように思えた。

しかし翌年以降、彼は伸び悩む。技術やセンスは相変わらずながら、監督に守備の課題を指摘されて出場機会が減り、怪我にも悩まされて、たまの出場で焦って突っかけてはボールを失う姿が目立つように。2009年途中からの「ムービングしない」サッカーや、昨季途中から就任した大熊監督の前に速いサッカーでは彼の特長は生かされないようにも見えた。輝きかけてはまた光が陰り、を繰り返す2年間だった。

そして今シーズン。序盤は全く目立たなかったものの、パスサッカーへの転換でチームが好調へ転ずると、今度こそ「大竹の番」が来たように僕には思えた。転機となった京都戦では先発して1ゴール1アシスト。鳥取戦でも森重のゴールをアシストする活躍。よし!だが、その矢先、体調不良から何と虫垂炎での手術で離脱。そして気がつけば、彼が不在の間にチームは首位まで駆け上ってしまった。

こうして振り返ってみると、才能を無駄にしていたとは言わないけど、何だか長いこと空回りし続けている印象である。体調さえ戻ればまた、という意見もあるだろうが、再び固まりつつあるチームに彼の居場所があるとは限らず、このタイミングでの移籍(しかもJ1チームへ)は仕方ないというか、まあ正しい判断なんだろうな、と思う。
 
 
僕の見たところ、大竹の抱える問題は、よく言われる守備云々よりも周りのアタッカーやチーム戦術との「噛み合わせ」のように思える。残念ながらこの2年ほど東京のサッカーの中で大竹は浮いていたように思うので(もちろんアジャストできない大竹にも問題があるのだろうが)、セレッソで攻撃サッカーを開花させたクルピ監督が大竹をどう生かすのか、楽しみである。乾の後釜だとすれば出場機会は期待できるだろうし。背番号も「7」をもらうとのことだし。

ただ、セレッソで大竹が活躍したらしたで、喜ばしく思いつつも寂しいんだろうなあ、と。たかが10年ちょいのファン歴でも、思い入れのある選手が移籍する経験はそれなりにあるので、ショックを受けるほどではないんだけど。小峯隆幸、小池知己、土肥洋一、馬場憂太、赤嶺真吾……いや、やっぱりちょっとショックかも(笑)。普通に考えれば、J1で活躍したら帰ってこない可能性が高いだろうから。

まあ、とはいえ一応期限付き移籍ではあるし、たとえその後すぐにではなくても、また青赤のユニフォームを着てくれる可能性だってないわけではないのだろう。やっぱり帰ってきてほしいよなあ。いつかもっとずっと立派な選手になって東京へ戻ってきて、味スタで大竹と田邉、米本らが「そのまま代表級」の中盤を形成して並み居る強豪を圧倒する。そんな妄想を心に秘めつつ、彼の活躍を願うことにしよう。幸運を祈る!!
 
 
[付記1]

もちろん、大竹と入れ替わりの形で加入する永里源気にも期待して、大いに応援したいと思う。彼もフィジカル的に優れているというより、攻撃のセンスの良さを強く感じるタイプの選手。田邉あたりと「感応」することで今までの東京にない愉しいプレーを見せてくれるのではないかと。女子代表の妹さんがかなり有名になっちゃったけど、負けないように兄貴もガムバってほしい。
 
 
[付記2]

権田はどうするのだろう。
 

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