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2015年05月17日

●今日のところは完敗だぜ (浦和レッズ×FC東京)

浦和レッズ 4−1 FC東京 (J1第12節 埼玉スタジアム2002)

前節今季二敗目を喫しながら、なんとか優勝争いに踏み止まっている我らが東京。今回はいよいよ首位・浦和レッズとの大一番である。曇り空の埼玉スタジアムで観戦した。


東京は武藤・林・東の3トップ(追記参照)でスタート。初めは長いボールが多めだな……と思っていた5分、宇賀神に左サイドを破られ、低く鋭いクロスに権田の前で李が合わせてあっけなく浦和先制。0-1。いきなりビハインドの東京は前線からのプレスで追い込もうとするが、速く正確なパスワークでかいくぐる浦和が逆に好機を作る。10分、16分と興梠が強烈なシュートを枠に飛ばし、権田が横っ飛びでセーブした。

28分、早くも東京は三田OUT高橋INの交代、4-4-2にしてそれまでやられっ放しだった中盤を締めにかかる。これで多少はパス交換からの攻撃が出始め、太田のクロスも何本か。しかしなかなかシュートまでは至らず、逆に42分、またも浦和はカウンターで右→左→右と素早く揺さぶり、最後は宇賀神のクロスにファーで関根が合わせて権田の脇を抜いた。敵ながら見事な攻撃だった。0-2。そのまま前半終了。


後半、反撃を図りたい東京だったが、先手をとったのはまたも浦和。47分、右サイドを突破した関根の速いクロスにニアへ走り込んだ武藤が合わせてゲット。「いい時間」にやられっ放しの東京である。0-3。ただ、さすがにそこからは東京がヤケクソ気味に前がかりとなり、波状攻撃をかける展開に。48分、太田のCKに森重が足で合わせるがバーの上。50分には徳永のクロスから東がヘッダーを撃つも、これも枠外。

しかしそのうち東京の勢いも鈍り始め、強引なプレーによるファウルが増えてしまう。森重、東、カニーニにイエローカード。さらにその度に浦和の選手が倒れて時間を使われ、焦りを隠せずナーバスになる選手たち。何とか一矢報いたい東京は林に替えて前田、続いて梶山に替えて中島を投入。中と外の両方からこじ開けにかかっていく。対する浦和も梅崎、青木とフレッシュな選手を投入していった。

東京の努力が実ったのはようやく74分。左サイドで東のキープから太田のクロス、前田が頭で巧みに合わせてゴール右上にボールが吸い込まれた。1-3。ところが、これで一気に形勢が変れば……と思った刹那の75分、右サイドのスローインから東京が流れを切れないでいるところ、切れ込んだ梅崎が鮮やかなミドルシュートを左隅に決めて勝負あり。その後は攻め合いながら双方得点なく、1-4で浦和の快勝となった。

まー完全にやられたなあ、と。つーか、前半の開始直後と終了間際、後半の立ち上がりと得点直後(全部「いい時間帯」(笑))に点をとられたんだから完敗としか言いようがないだろう。

正直なところ、今日は力の差を感じてしまった。個人技やチームとしての熟成度はもちろん、経験あるいは場慣れの差も大きかったように僕には思えた。普通に自分たちのサッカーをできてた浦和と比べると、妙なテンションの高さといい警告連発のエキサイトぶりといい、東京は大一番に慣れてないんだな、と。結果論だけど、先制されても時間は充分すぎるほどあったんだから、もっと落ち着いても良かったんだよね。

あとは、やっぱり攻撃がイマイチに見えた。武藤・太田のコンディション不良が大きいのだろうが……そもそも得点パターンが太田の左足とセットプレー、武藤のゴラッソの3つだけだもんね、今は。相手の得点が見事だっただけに、かなり見劣りしたのは否めない。もしくは、堅守速攻なら堅守速攻でいいんだけど(僕はそっちの方がいいと思う)、それならそれでもう一度徹底するよう意思統一しないと。

あと、特定の選手を槍玉にはあげたくないんだけど、フィッカデンティ監督はいつまで梶山にこだわるのかな。「他にいない」と言われりゃそれまでかもしれんのだが……ちょっと酷いよなあ。あそこは補強ポイント(来るべき武藤資金(笑)の使い所)になるのだろうか。

ともあれ、今日のところは完全に力負け。仕方がない、とまでは言わないけれど、まあ順当な結果だったのだとは思う。エルゴラをはじめあちこちで「首位決戦」なんつって煽ってもらったのに、こちらの力不足で応えきれずに申し訳ないというか。向こうのファン・サポーターにしてみたら「なんだ東京、やっぱり大したことないじゃん」って拍子抜けしたろうな。ちっくしょー(笑)。

とはいえ、僕としては別に悲観するつもりは全然なくて、それは、こういう試合を重ねて悔しい思いを積んでいってこそチームの地力が上がって行くであろうから。リーグ戦の形式をとる競技において高みを目指すとは、つまりそういうことの繰り返しだと思うのである。次こそ勝とうと心に刻みつつ、また努力あるのみ、なんだろう。

しかし、浦和は攻守のバランスといい攻撃に移る時の迷いのなさといい、昨年よりも確実にステップアップしてるように見えた。悔しいけど、おそらく1stステージの優勝はレッズのものだろう。興梠や李、柏木、槙野、阿部、西川、あと宇賀神も実力の高さはわかっていたのだが、この日大活躍の関根もスピードと視野の広さを兼ね備えてていい選手だと思う。まだ20歳なのか……うちの中島あたりも負けてほしくないな。

まあ、とにかく、また次、頑張ろう。


[付記]

試合前にスタジアムの周りの公園を散策していたら、その中にちょっとしたバラ園になっているスペースがあった。特に鮮やかな色をした真っ赤なバラの花が目についたので説明書きを見たら、「ジョージ・ベスト」という品種なんだそうな。こういうのって、ちょっといいよね。


[追記]

マスメディアの記事を見たら「キックオフ時の東京の布陣は4-1-4-1」という風に書いてあって、確かに、本当は前線に林1人を残して武藤と東は左右に広く開いてインサイドハーフと連携して2列目の守備、ということだったのだろう。梶山もDFラインとの連携をかなり意識していたみたいだし(だったら高橋先発の方が良かったのではないかという気もするが)。広島対策としての5-4-1の進化版、というイメージか。

でも、早々に失点しちゃってやや頭に血が上り気味に前の3人がガンガンとプレスをかけていく形になっちゃったので、結局4-3-3の、それも中盤が開き気味の「駄目なパターン」になってしまった印象であった。やはり先制点は痛かったんだなあ。あれ、権田が足を止めて待って取りに行っちゃったんだよね。宇賀神のクロスが素晴らしい速さと弾道だったからそういう対応になったんだろうだけど……うーん。


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