2013年01月28日

●土肥さん、お疲れ様っす

土肥洋一選手引退ならびに育成GKコーチ就任のお知らせ(東京ヴェルディ公式)
 
 
もう何年も前にFC東京を離れた選手ではあるけれど、やっぱりクるものがあるな、土肥ちゃんの引退ともなれば。

土肥が東京に移籍してきたのは2000年のシーズン。昇格したばかりの、まだまだ小さなクラブだった東京はJ1定着を目指し、浅野や神野、内藤、喜名といった「J1上位チームではレギュラーに足りない」選手を何人か補強した。柏レイソルで前年3試合出場にとどまっていた土肥もその方針の中で、JFL時代の東京の「不動の守護神」堀池の大怪我もあって加入した選手だった。

当時の土肥は守備範囲が決して広くなく、ミスも多くて、キックは制御不能。常にハラハラしながら見なければならない選手だった。ハイボール処理は「猫パンチ」などと揶揄されたものである。しかし、不安定さの一方でシュートに対する反応の鋭さはピカイチだった。ゴールマウスに飛ぶボールをビシバシはね返すその姿は東京ファンの興奮を呼び、マリノスを、グランパスを、ジュビロを破っていくうち、僕たちの彼に対する信頼はどんどん増していったのだった。

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2013年01月16日

●「レンタル」とは言ってもさ

椋原健太選手セレッソ大阪へ期限付き移籍のお知らせ(FC東京公式)

羽生直剛選手ヴァンフォーレ甲府へ期限付き移籍のお知らせ(FC東京公式)
 
 
毎年の事ながらこの時期になると選手の出入りが気になるよね、ということで。

椋原も羽生も本人がコメントしているとおり、とにかく出場機会を求めての移籍ということなのだろう。どちらも妥当な判断ではないかな、と思う。

むっくんは昨季公式戦28試合に出場しているけど、太田が怪我から復帰して徳永と左右を固めることになればSB陣では3番手。最近は攻撃で思いがけぬ得点やアシストを決める一方で、本来の持ち味の守備はやや淡泊な印象があった。ここらで一皮むける機会が欲しい、と言われれば「なるほど」である。セレッソのDFならば東京よりも層は薄かろうし……と思ったところで新井場加入のニュースが。大丈夫か(笑)。

羽生の方は、昨シーズンは公式戦19試合出場どまり。怪我もあったにせよ、実力に相応した活躍ができたとは言い難く、ダイナミズムよりボール支配と「まとまり」を重視するポポサッカーとのマッチングはいまいちの感があった。持ち前の運動量と思い切りの良さは健在で、僕も好きなタイプの選手なんだけど、33歳という年齢を考えたらよりシンクロ率の高い城福さんの下でやるのは正解ではないだろうか。

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2013年01月03日

●やっぱ負けりゃ悔しいよね (第92回天皇杯決勝)

明けましておめでとうございます。今年もよろしくおねがしいします……って、丸1年ぶりの更新だな。
 
 
ガンバ大阪 0−1 柏レイソル (第92回天皇杯全日本サッカー選手権決勝)
 
今回の天皇杯決勝は、子供をあやしながらのテレビ観戦。なので試合をつぶさに観ていたわけではないのだけれど、前半ガンバが攻勢に出ながらきわどいところで得点を奪えず、逆にセットプレーの機会をものにした柏が先制。後半はガッチリと自陣を固めた柏が45分間試合をコントロールしてそのまま終了、といういかにも一発勝負らしい流れだったようだ。

もともと今季のガンバは西野監督時代のような相手ディフェンスを解体する流暢なパスワークが鳴りを潜めていたが、この試合でもその傾向は変わらず、特に終盤は家長・レアンドロの個人技と単調なアーリークロス頼みの、創造性の全く感じられない攻撃に終始していた。ガンバの凋落を象徴するような戦いぶり、といったら意地悪な見方に過ぎるだろうか。

天皇杯準優勝は、ガンバにしてみたら微妙な結果だろうな、と思う。

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