2010年08月29日

●底は打った、のかな (ヴィッセル神戸×FC東京 テレビ観戦)

ヴィッセル神戸 0−0 FC東京 (J1第21節 神戸ユニバー記念競技場)
 
 
土曜の夜は神宮球場にいたので、スカパー!の中継を録画して本日観戦。

立ち上がりは神戸の攻勢。ポポ・ボッティのドリブル突破など縦に速い攻撃で一気にバイタルエリアへ押し寄せ、松岡・朴の強烈なミドルシュートが枠をかすめる。しかしそれらをしのいだ東京は10分を過ぎる頃から徐々にペースをつかんでいき、13分、大竹→リカルジーニョ→石川とテンポ良くパスが通って石川のミドルシュートがバーを直撃。その直後には左に流れたリカの速いクロスに大黒が飛び込んできわどい場面を作るなど、着実にチャンスを作っていく。

この日の東京は前線の4人が流動的に動き回ってパスコースを作り続け、神戸のプレスが(整然としつつも)強度に欠けたこともあり、ボランチからリカ・大竹への楔のパスを軸として相手の守備ブロックに食い込むことができていた。だが、やはり問題はそこから。大竹が積極的に撃つミドルシュートはいずれもDFにブロックされてしまい、40分、大きな展開からボールを収めた中村北斗の強烈なシュートは惜しくもバーを越えた。スコアレスのままハーフタイム。

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2010年08月25日

●虫嫌いのボクが「大昆虫博」に行ってみたよ!


もう何日か前になるが、「夏休みといえば博物館だ!」ということで、両国の江戸東京博物館で「大昆虫博」展を観てきた。自他ともに認める虫嫌いの僕(セミやトンボでさえも生きているのはおろか、死んでさえも触れない。本当は見るのもいや。ゴキブリなんてとんでもない!)だが、常設展の方でちょうど見たい展示があったのと「まあどうせ江戸博だから生きているのはいないし」ということで、ちょっと軽い気持ちで寄ってみた。



会場の最初の方は、巨大なバッタの像が置いてあったり、僕の大嫌いな(笑)やくみつるプロデュースの「目撃東京ムシマップ」なるコーナーがあったり、あと江戸博らしく虫の飾りをあしらった鎧甲が展示してあったりと、まあ比較的おとなしめの内容。これなら僕でも大丈夫、というか「さすがにこれじゃ刺激が少なくてつまらんな」という感想さえ覚えたのであった。ところが……。

(注意:以下、グロ画像多め。虫嫌いの方はご遠慮下さい。)

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2010年08月22日

●ザ・完敗 (FC東京×サンフレッチェ広島)


昨日の夜は、味の素スタジアムでJ1第20節。FC東京 0−2 サンフレッチェ広島。ともに夏場の連戦の中で負傷・欠場者が相次ぐなど満身創痍、結果も出せていない両チームの対戦。東京は開幕以来となるホームでの勝利がほしいところだったが……試合はサンフレッチェがお得意のパスサッカーで終始優位に立ち、後半の2ゴールによる点差をはるかに上回る内容で完勝を収めた。トンネルに入ってしまった感のある東京は、これで2引き分けを挟んで4連敗。
 
 
序盤からゲームを支配したのは広島。ストヤノフを軸として着実にビルドアップし、楔のパスから加速する攻撃。立ち上がりこそ長いボールが多かったものの、徐々に東京の守備網をパス&ムーヴで揺さぶってチャンスを作っていく。6分、槙野のミドルシュートがバーを越え、その直後、高萩のパスでDF裏に抜けた森崎のシュートがポストの右を抜ける。8分にはストヤノフのロングパスで右サイドを突破した森脇のクロスに佐藤寿人が頭で合わせるが、バーの上。

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2010年08月18日

●息もできない (セレッソ大阪×FC東京 テレビ観戦)

セレッソ大阪 4−1 FC東京 (J1第19節 キンチョウスタジアム)
 
 
スカパー!でテレビ観戦。現地は30度超の蒸し暑さだったそうだ。

序盤からペースを握ったのはセレッソだった。ゆったりとしたパス回しから徐々にスピードアップする攻撃でチャンスを作る。対する東京は守備の動きが連動せず、相手のパス&ムーヴを後追いするばかり。4分、右サイドを突破した家長が柔らかいクロス、ファーに流れたアドリアーノがヘッダーを叩きつけた。サイドも中もマークがズレて……。0−1。その後もセレッソはスイスイとパスを回してチャンスを作り、今野の奮闘やシュートミスで何とか逃れる場面が続く。

セレッソの守備もタイトではないため東京も敵陣へボールを運べるのだが、最後の仕掛けが単調で崩せない。前半半ば、焦れた城福監督は今野と森重を入れ替えて前がかりになろうとする。ところが、これが裏目。梶山・キムが不調な中で攻撃の圧力を一身に受けた森重は立て続けにファウルを犯してしまい、37分に退場。あいや…。10人の東京は逆にキビキビとした動きで攻めに出るが、43分松下のミドルシュートはポストに当たって決まらず。1点差で後半へ。

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2010年08月17日

●永遠不朽の名作『2001年宇宙の旅』


先週の金曜日、TOHOシネマズ六本木ヒルズでスタンリー・キューブリック監督『2001年宇宙の旅』を観賞。「午前十時の映画祭」と題した企画の1本として上映された、SF映画史上に堂々そびえ立つ金字塔。今までビデオやDVDでは繰り返し観てきた作品だが、映画館のスクリーンで体験するのは初めて(『蜘蛛巣城』もそうだけど、最近こういうのが多い)。数ヶ月前から楽しみにしてきた機会でもあり、3軒はしご飲みの翌日にも関わらず根性で早起きした。
 
 
で、実際に観てみた感想は……素晴らしかった。感動した。以下、感想をいくつか。

まず、やっぱり映画館の大画面と音響設備はいいな、と(笑)。当たり前っちゃ当たり前なんだが、でもこの作品独特のスケール感(文明以前のアフリカの荒野とか無限に広がる宇宙空間とか)や、それらとのコントラストで強調される細部(静寂の中に響く息遣い・重低音とか)は他の映画と比べてもよりいっそう「でかいハコ」向きなのかな、という気はした。さすがにシネラマでの上映とはいかなかったけど、壮大な映画を壮大な環境で観る、というのは大事である。

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2010年08月16日

●FC東京の「ボランチ問題」について

新潟戦、そして昨日の鹿島戦と、勝利には届かないながら後半今野をMFに上げる攻撃シフトで相手を追い詰め、その今野が得点をとっていることで、twitterやブログに「今野はボランチで使うべきだ」みたいな書き込みをするファンが増えているようだ。

この手の選手起用や采配に関する議論については、「素人だから」などと引っ込み思案にならず、大いにやった方が良いと僕は思っている。それがある種のガス抜きになるかもしれないし、ファンのサッカー観を深めることもあるだろう。また、そもそも「俺ならこうする」などと考えをあれこれ巡らしたり言い合ったりすること自体、サッカーを楽しむ重要な手立ての一つであるから。もっとも、あまり熱くなりすぎて罵倒に発展したりするのは良くないとも思うけど。
 
 
というわけでそれに乗っかり、以下は最近の東京のボランチに関する考察。

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2010年08月14日

●痛み分けの夏 (鹿島アントラーズ×FC東京 テレビ観戦)

鹿島アントラーズ 1−1 FC東京 (J1第18節 カシマサッカースタジアム)
 
 
スカパー!でテレビ観戦。悔しさも嬉しさもないようなあるような、何とも微妙な結果。

東京は羽生・梶山、鹿島はマルキーニョスと、双方主力を欠く中で迎えた試合は蒸し暑い中でキックオフ。前半は鹿島が快調にパスを回して攻める展開。15分、野澤のロングパスを興梠が胸で落としてジウトンが強烈なミドルシュートを撃つが、塩田が横っ跳びで弾き出した。19分、興梠がボックス内で狙った反転シュートは塩田がキャッチ。東京はやはり梶山不在は大きく、中盤で森重が奮闘するものの、組み立ての途中でプレス守備に絡みとられる場面が目立つ。

ただしこの日は鹿島も盤石ではなく、外国人2人の守備の不安定さから時折隙ができる。16分、右サイドを抜けた石川のクロスから平山の強烈なシュートが曽ヶ端の正面を突く。そうしているうちに27分、左サイドのFKで小笠原が速いボールをゴール前に入れ、興梠がバックヘッドでコースを変えてゲット。敵ながらナイスシュート。0−1。その後は鹿島優勢の流れが続き、大迫が塩田と一対一になる場面などもあったが鹿島の詰めが甘く、1点差のまま前半終了。

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2010年08月09日

●こんだけ攻めても駄目なんかい (FC東京×名古屋グランパス)


昨日の夜は、味の素スタジアムでJ1第17節。FC東京 0ー1 名古屋グランパス。暑さもピークの時期に迎えたリーグ戦の折り返し。3位グランパスとの対戦は、前半戦不本意な順位に甘んじている東京にとって反転攻勢のきっかけとしたい一戦であった。試合は、東京が省エネサッカー(?)の名古屋相手に快調に攻め続けて幾度か決定機を得るも決められず、土壇場の後半ロスタイムに闘莉王のヘッダー一発で敗戦。ホームでの無敗記録もストップしてしまった。
 
 
スルガ銀行杯優勝で弾みがついたか、この日の東京は夏の連戦も何のその、序盤から快調な攻撃を見せる。1分、FKからの長いボールを大黒が好トラップで左へ流し、走り込む羽生のシュートがGK楢崎の正面を突く。その直後、羽生の速いクロスに大黒が飛び込む際どい場面があり、さらに右CKから森重のヘッダーがポスト左。東京は梶山・森重を中心とするテンポ良いパスワークと平山のポストプレーでフリーのアタッカーを作り、次々前を向いて仕掛けていく。

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2010年08月05日

●俺たちには大黒将志がいる (スルガ銀行チャンピオンシップ)


昨日の夜は、国立霞ヶ丘競技場でスルガ銀行チャンピオンシップ。FC東京 2−2(PK4−3) リガ・デ・キト。ナビスコ杯とコパ・スダメリカーナの優勝チームによる一発勝負のカップ戦、相手は一昨年のクラブW杯にも出場したエクアドルの強豪リガ・デ・キトであった。試合は、2度にわたってキトにリードを許す苦しい展開となったが、後半ロスタイムに東京の誇る「日本一のストライカー」が同点ゴールを奪う。PK戦を制した東京が見事初優勝を飾った。
 
 
キックオフ10分後に到着し、2万弱の観衆で埋まったスタンドに驚きながら着席。その時点では東京優勢で試合が進んでいた。森重・田邉が着実にパスをさばき、平山の展開パスから石川がサイドで仕掛けていく。22分、ゴール左隅を襲うキムの直接FKをGKドミンゲスが横っ跳びでセーブ。26分、CKから森重のヘッダーは惜しくも外れ。一方のキトはやや動きが重くリアクション中心の構えだったが、一旦ボールを奪うとさすがのポゼッションを見せる。

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2010年08月02日

●暑苦しいというか、重苦しいというか (アルビレックス新潟×FC東京 テレビ観戦)

アルビレックス新潟 2−1 FC東京 (J1第16節 東北電力ビッグスワン)
 
 
土曜日の新潟戦は、スカパー!でテレビ観戦。以下、感想をざっと。

テレビで観る限り、磐田戦とは逆に「引き分け(か勝ち)に持ち込めそうな流れだったのに届かず」の試合だった。前半は新人の入った中盤ががたついたところを突かれて先制されるも何とか追加点は免れ、後半は梶山投入・今野のMFへのシフトで反撃。しかし、日程的に有利なはずの新潟の足が止まった(DFの幾人かは棒立ちだった)せいもあって波状攻撃をかけたものの、同点ゴールは奪えず、逆に新潟のカウンターで2点目をくらってあぼーん、という試合。

スタメンとベンチの顔ぶれからして、東京の後半勝負の意図は明らかだった。前半はサイドで鈴木達也を走らせて新潟の押し上げを牽制し、あわよくばクロスから大黒・赤嶺で1点。で、後半は中盤が伸びたところで梶山・大竹を入れて叩き伏せる、と。ある意味ゲームプラン通りの展開ではあったんじゃなかろうか。城福監督にとって誤算だったのは、前半中盤があまりに機能しなかったのと、鈴木のクロスが全てあさっての方向に飛んでいってしまったことか(笑)。

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