2007年04月30日

●ここまでは助走の助走 (ラグビーアジア三ヶ国対抗試合)


昨日の午後、秩父宮ラグビー場でアジア三ヶ国対抗試合第2戦。日本代表 73-3 香港代表。圧勝の韓国戦から大幅にメンバーを変更して臨んだカーワンジャパン。前半からミスが多発、なかなか押し切れないもどかしい展開となったものの、後半には立て直してトライの山を築き、結果的に13トライを奪う圧勝となった。課題が散見されたのも確かで諸手を挙げて大喜び、とはいかないが、勝って反省できるのは悪いことではない。


先制点は早かった。1分、テンポの早いパス回しで香港守備をブレイク、最後はSO廣瀬が右ライン際を駆け抜けてトライ。有賀のコンバージョンは惜しくも外れたものの、幸先の良い出足である。ところが、そこから前半半ばまではなかなか得点の入らない時間帯が続く。日本の優勢は揺るぎないものの、ハンドリングエラーによる逸機が多い。また、慣れないシンガポール協会レフリーの教条的な判定もじれったさに拍車をかけた。

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2007年04月28日

●アマラオ引退

元FC東京のアマラオが引退 (スポーツナビ)
 
ファンのみなさまへ (FC東京公式)
 
 
 
ついに、というか、とうとう、というか、やっとこさ、というか(笑)。アマラオが引退した。

お疲れ様、と言うほかはない。21年のプロ生活、うち日本でのプレーが14年(なにしろJ開幕前からだ!)。東京での選手生活は11年間ということになるのかな。気がつけば彼も今年で41歳。なにしろ、数年前から既に(限りない愛着を込めて)「ジジイ」呼ばわりされていたのである。先日の横浜FC戦で40歳のカズの頑張りを見て「やるなあ」と感心しきりだったのだが、アマだって同じ歳まで頑張ったんだよな……。

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2007年04月27日

●ルーニーの放つ閃光 ('07欧州CL準決勝1stレグ)

欧州チャンピオンズリーグの準決勝1stレグは、「超早く寝てキックオフギリギリに起きて試合だけ観てまた寝るぞ」作戦を駆使し、e2byスカパー!の生中継で観戦。


第1試合はマンチェスター・U 3-2 ACミラン。真っ赤に染まったオールド・トラッフォード。7万観衆の大いなる後押しを受け、ロナウドの高速ドリブルを軸に攻めたてるユナイテッドが開始5分で先制。ところが22分、ミランはカカの巧みなドリブルシュートで同点に追いつき、37分にはエインセとエブラが交錯、抜け出したカカがファン・デル・サールとの一対一を決めてあっさり逆転。ユナイテッドは選手もファンもすっかり意気消沈。

この苦境を救ったのはウェイン・ルーニー。59分、スコールズがDFライン裏に上げた浮き球に絶妙の反応で飛び出し、流れるような動作の胸トラップ→シュートでジダを抜いて同点。その後はユナイテッドが速いパスワークで一方的に攻めたてる展開に。ミランもよく粘ったものの、ロスタイムにまたルーニー。自陣から持ち上がるギグスが右から中へ切り込むところ、クロスして右のスペースに飛び出し、ラストパスをダイレクトで叩いて豪快に突き刺した。

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2007年04月25日

●日本に川崎フロンターレあり ('07ACL第4節)

夜、BS朝日でアジアチャンピオンズリーググループF第4節。川崎フロンターレ 3-0 全南ドラゴンズ。グループ首位を走る川崎がアウェイに引き続きホームでも強豪・全南を撃破し、見事決勝ラウンド進出をほぼ確定させた。フロンターレの快挙達成とチームとしての大いなる成長ぶりに、Jチームの典型的な成功例を見る思いがするのだが……。


キックオフ直後から、負けられない全南が前がかりに攻め寄せる。韓国代表を数人含むチームらしく、サイドを中心にアタッカーがどんどんドリブルを仕掛けてくる。ただし、個々の力に頼りすぎて組織力はあまり感じられず、ラフな当たりなどやや空回り気味であった。これに対して川崎は落ち着いて守備を固め、機を見てジュニーニョらのカウンターを繰り出していく。ボール保持率とは裏腹に、川崎の方が試合をコントロールしている印象であった。

ただし、いくら優勢でも点を取らなければ駄目なのがサッカー。「引き分けで良し」でもあるまいが……と思い始めた前半25分に先制点が入る。バイタルエリア左で鄭からのはたきを受けた中村がオーバーラップする村上へ絶妙極まるスルーパスを通し、クロスを狙ったマギヌンのシュートはDFにブロックされたものの、はね返りをジュニーニョがボレーで叩き込んでゲット。個人技と組織的なフォローが融合した素晴らしい得点だった。

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2007年04月23日

●幸先の良いスタート (ラグビー日韓定期戦)


日曜の午後、秩父宮ラグビー場でアジア三ヶ国対抗試合兼日韓定期戦。日本代表 82-0 韓国代表。大事な大事なW杯イヤーを迎えた「カーワンジャパン」。強風の中行われた緒戦は、新戦力のテストに主眼を置いた布陣ながら東アジアの宿敵・韓国を全く寄せつけず、過去最高得点差での勝利。もちろんまだまだ課題も多いチームではあるが、とにかく良いスタートを切ることができたのは幸いであった。


前半は風上の日本が終始圧倒。3分、韓国陣22m付近左サイドから大きく右へ展開、余ったWTBロアマヌが走りきってトライ。6分、ラックからDFの虚を突いたSH吉田がショートサイドを駆け抜け、独走してトライ。いずれもSOアレジが難しいコンバージョンを決めて14-0。いきなりの新戦力の活躍からも両チームの実力差は歴然としていた。その後も日本は鋭い出足でボール争奪戦を制し、パス攻撃でトライの山を築く。前半だけで7トライ、49-0。

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2007年04月22日

●勝っちゃったよ(笑) (FC東京×横浜FC)


昨日の午後、味の素スタジアムでJ1第7節。FC東京 1-0 横浜FC。下位に低迷する首都圏チーム同士の対戦。人はこれを「J1最弱決定戦」あるいは「エフシーダービー」と呼ぶ(笑)。「なるほど、16位と18位の対戦だわい」という低調な内容の試合は、セットプレーからの虎の子の1点を守りきって「元祖エフシー」がものにした。……我ながらイヤミな書き方だ。でも、ホームゲーム4連敗はシャレにならんからねえ。とりあえず良かった。


前半。立ち上がりは横浜がコンパクトな守備でペースをつかみ、細かいパスワークから東京の守備網をかいくぐって何度かよい形に。ボックス内カズがフリーでパスを受けた場面は決定的だったが、幸いシュートは決まらず。15分を過ぎる頃から東京もマークズレを減らして攻勢に転じるものの、低い位置からの攻撃は厚みがなく散漫。サイド攻撃からのシュートチャンスも石川やルーカスがふかしてしまう。膠着状態のままハーフタイムへ。

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2007年04月20日

●勝て勝て勝て勝て(以下略)

4月21日(土)VS横浜FC戦「FC東京が食べちゃうぞ!本日の一品」販売のお知らせ
 
 
それはいいけど、試合で横浜に食べられちゃわないようにね(はあと)。

という冗談はさておき、明日味スタで行われる試合はFC東京(16位)と横浜FC(18位)の対戦。幸いにしてあまりの低調ぶりに「FCダービー」とかヌカすマスコミもいない様子だが(笑)、もし東京が負けた場合、同時刻にフクアリで行われる千葉×大宮(17位)の結果次第ではなんと最下位転落である。ウホッ。


いや、確かに開幕前もそりゃ優勝争いするとは全然思っていなかったけども。ワンチョペも福西も来てくれたし、残念なチョイスではあったけど一応実績のある監督が復帰したし、悪くとも「例年通りの真ん中辺」は行けるのではないかと予想していたのだが。私が甘うございました。

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2007年04月16日

●大分トリニータ×FC東京 (テレビ観戦)

昨日の午後、スカパー!でJ1第6節。大分トリニータ 0-0 FC東京。リーグ3連敗の状況下、水曜のナビスコ杯で「悪くない」試合をして迎えたアウェイゲーム。ボールを支配されて引かざるを得ない展開ながら、相手の攻撃力不足にも助けられて失点を防ぎ、終盤には大攻勢に出るも1点が奪えず。「今の状況を考えれば引き分けは妥当かもな」と思いつつ、どうも釈然としない。まあ、今季はずっとそうなのだが(笑)。


前半。立ち上がりからしばらくはボール争奪戦が続いて双方攻撃を組み立てられず。次第にホームの大分がボールを支配するも、一部主力を怪我で欠く布陣で攻め手と精度を欠き、なかなか決定機に持ち込めない。逆に東京は丹念なボールへのプレッシャーから速攻中心にチャンスを作る。ルーカスのキープと憂太のパスさばき、そして石川の突破からいい形になるシーンが何度か。0-0ながら悪くない雰囲気でハーフタイムへ。

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2007年04月12日

●浅利悟はFC東京の「丹田」である ('07ナビスコ杯第4節)


昨晩、小雨のちらつく国立競技場でナビスコカップ第4節。FC東京 2-1 ジュビロ磐田。リーグ戦に比べればずっと希望のもてる状況にあるカップ戦予選リーグ。東京はシリア遠征直前の五輪代表組を外したスタメンで臨み、堅調なサッカーで勝点3を獲得。これでようやく今季ホーム初白星、ホームゲームの連敗は4でストップとなった。


東京は前の試合から大幅に布陣を変更。今野をCBに下げて徳永を本来の右SBに戻し、中盤の底には今季初登場の浅利。トップはルーカスでその下に憂太、中盤を栗澤・福西で固めて、石川はいつもの右固定でなく比較的自由に左右のサイドを突く感じ。適材適所というか、現在の各選手のスタイルを生かす配置。急ごしらえゆえの連携のズレはあるにせよ、五輪代表の無理使いを避けるとすれば「まっとうな」形のように思えた。

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2007年04月11日

●降るんじゃねえ、雨 (ナビスコ磐田戦試合前)

たまには試合前に更新。

今日の夜、東京地方の天気予報は「雨」だそうである。平日の国立開催(しかもナビスコカップ)で雨……これを憂鬱と言わずして何を憂鬱と言うだろうか。そもそもホーム4連敗中なわけだしー。こないだの浦和戦で磐田けっこういいサッカーしてたしー。


とはいえ、実は、今晩の試合は「案外行けるんじゃないか」という気がしている。

理由その1、五輪代表組の不在。もちろん、なにも平山・梶山・伊野波がダメという訳ではないのだが、疲労のたまった彼らの無理使いは避けられるだろう。そして、普段出番のない選手たちは発奮するだろう(してよね(笑))。

理由その2、雨のコンディション。晴れの日に比べれば、滑るピッチでパスをつなぐことは難しいはず。3月の対戦で受けた印象だと、磐田はかなりつないでくるチームだから、どちらかといえば「力ずく」の東京よりもマイナス幅は大きくなるのではないか。

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2007年04月08日

●同じ事の繰り返し (FC東京×アルビレックス新潟)


昨日の午後、味スタでJ1第5節。FC東京 1-3 アルビレックス新潟。開幕以来低調な戦いぶりが続く東京。水曜日(ナビスコ杯大分戦)の勝利の後、ホームに戻って上昇気流に乗りたいところだったが、新潟のカウンターサッカーにあえなく撃沈さる。完敗……どころか、内容的には4~5点差がついてもおかしくはなかった。これでホーム4連敗、今季ホーム全敗である。


立ち上がりは東京が押す形に。ルーカス・梶山のキープ力と川口・規郎の動き出しを生かし、パスをつなぎながら攻め込む。対する新潟はアウェイなりの戦いということなのか、基本的には下がり気味からのカウンター狙い。新潟陣ボックス内へのクロスやラストパスがはね返され、そのままエジミウソンを軸にした逆襲、という形が何度か。2分、エジミウソンが左サイドからグラウンダーのミドルシュートを撃ち、塩田が横っ跳びでセーブ。

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2007年04月05日

●「最低限の戦い」 ('07ナビスコ杯第3節 テレビ観戦)

昨夜、MXテレビでナビスコカップ予選第3節。大分トリニータ 0-1 FC東京。平日のアウェイ戦。公式戦4試合続けて勝ちのなかった東京が、「自分の元いた立ち位置」へ踏み戻るようなサッカーで勝点3をゲット。ゲーム内容自体はさほど良くないように見えたものの、勝ちは勝ち、ということにはなるのだろう。良かったねー、と、半ば棒読みで喜んでみる(笑)。


東京ベンチはわかりやすい立て直し策を採ってきた。布陣的には、ウイングが川口と規郎でトップにルーカスが張る4-5-1。途中からは信男・ルーの2トップ気味になったようだが、いずれにせよフォアチェックからのプレスで相手のパス回しを潰す、原監督的な「原点」への回帰が見られた。このやり方と、期するものがあったであろう選手たちの気合が相まって、少なくとも守備に関してはかなりマシになったような。

一方の大分は散々の出来。アタッカーの連携は悪いわ、パスはブレまくるわ、自陣でミスしてボールを渡してくれるわ、一体どうしたのか。少ないタッチで丁寧につなごうとするのは相変わらずだし、前半のカウンターには見事なものもあったが、全体的な精度があまりに低すぎた。後半高松の投入で攻撃に活を入れてもほとんど焼け石に水。アウグストの不在、10代~20歳そこそこの若い選手の多さ……台所事情、かな。

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2007年04月02日

●11人孤軍奮闘 (柏レイソル×FC東京)


夜、日立柏サッカー場でJ1第4節。柏レイソル 2-0 FC東京。絶好調の昇格組レイソルとの対戦は、東京ファンにとっても様々な思い出が詰まった日立台にて。レイソルが昨年1年間J2で醸成した高い組織力を発揮し、期待の若手のスーパーゴールも飛び出して個人能力頼みの東京に完勝。スコア以上に大きな差を感じさせられる敗戦だった。


開始直後から両チームの差は明白だった。柏は2~3人がかりで素早くボールホルダーを潰す守備と、着実なビルドアップからフランサ&両ウイングで勝負する小気味よいサッカー。一方東京は柏のプレス守備に中盤が寸断され、石川の力ずくのドリブルや平山・ルーカス目がけた可能性の低い放り込みが目立つ散漫なサッカー。隣で観ていたカミさんに「こりゃ「球蹴り」と「サッカー」だね」と言われてぐうの音も出ず(笑)。

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2007年04月01日

●石川直宏のコメントを支持する

いてもたってもいられずPCの前に。  (石川直宏オフィシャルウェブ)
 
 
昨日のだらしない試合の後書かれた、石川直宏選手の率直な日記。人によって見解は違うかもしれないが、僕としては内容的に共感し、同意できるものだった。試合の出来についての総括、サポーターの想いへの想像力、柏のサッカーに対する印象、そして自分のプレーへの考察……やはり石川は真面目でそれなりに聡明なのだと思う。

注目すべき点は、「まずは外で」という監督の指示にに疑問を呈している部分。

一番の勝負すべき場所を忘れてはいけないけど、自分のよさを出しチームのリズムを作るためにも「外」というポジションにこだわらずに「中」でも勝負すべきだと思う。外に張り付いているだけじゃなんにも怖くない。

僕もそう思う。昨日の試合でも、前半の石川のプレーのうち、外で相手とのヨーイドンを勝って上げたクロスは古賀と近藤にはね返されるばかり。むしろ脅威になっていたのは、ルーカスや平山の足下に収まった数少ない場面において、内側に回って彼らの近く(←これが大事)を猛スピードで追い越そうとする石川の姿だった。

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