2010年03月11日

●『イースタン・プロミス』

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WOWOWの録画で、デヴィット・クローネンバーグ監督『イースタン・プロミス』。ロンドンのとある病院で働く助産師のアンナ(ナオミ・ワッツ)のもとに、身元不明のロシア人少女が運び込まれ、赤ん坊を残して死亡する。アンナは少女の日記を手掛かりに身元をたどろうとするが、日記にはロシアン・マフィアの秘密が記されていた。知らず知らずのうちに恐ろしいマフィアの縄張りへ足を踏み入れてしまったアンナの前に謎めいた男(ヴィゴ・モーテンセン)が現れ……。
 
 
とてもよくできた映画。達者な役者陣、謎めいた筋立てをうまくさばきながら適度に情緒を織り交ぜた脚本、巧みなサスペンスの演出、美麗な映像……etc。いや、何しろクローネンバーグ監督なので、いつズルズルグチョグチョになったり(『ヴィデオドローム』『イグジステンズ』)狂気と妄想に踏み込んだり(『クラッシュ』『スパイダー』)するかと気が気でなかったのだけれど(笑)、そんな心配は不要だった。ため息が出るくらいにバランスの良い作品だと思った。

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2010年03月07日

●開幕戦は「ここから」くらいが丁度良い (FC東京×横浜Fマリノス)


昨日の午後は、味の素スタジアムでJ1第1節。FC東京 1−0 横浜Fマリノス。さて、待ちに待った、というと言い過ぎかもしれないけど(笑)、いよいよJリーグ開幕だ。我らがFC東京、初戦の相手は木村和司監督就任・中村俊輔復帰で何かと注目を集める横浜Fマリノスであった。悪コンディションの中で行われた試合は、双方調整不足を露呈するミスの多い内容となったが、後半に怪我明けの主力を投入した東京が終了間際の得点で幸先の良いスタートを切った。
 
 
今年の開幕イベントは女子柔道48kg級で目下世界最強の(谷亮子より強い!)福見友子選手によるゲストスピーチ。まあ、率直に言って「地味だなあ」という感じは否めないのだが、しかしそもそも開幕戦だからといって派手な「イベント」で無理に盛り上げる必要があるのかいな、という気もするので、こんなもんでいいっしょ。
 
 
キックオフ。この日は朝から降り続く雨によりピッチ状態は悪く、選手たちは滑る足下やボールの転がりの不規則さに苦労しながらのプレーとなった。東京は怪我明けの石川・梶山がベンチスタートで、もちろん米本もいないためMFは松下・中村北斗・羽生・徳永。いかにも苦し紛れの布陣だが、DFの森重・椋原と合わせてとりあえずイケメンは総動員したメンバーと言えよう(笑)。対する横浜は渡邉・長谷川の2トップで山瀬と狩野が前目に張る4−4−2。

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2010年03月04日

●うまねん的2010開幕プレビュー(後編)

前編の続き)
 
 
というわけで開幕戦プレビュー、前回でほとんど書きたいことは書いてしまったような気がしないでもないが(笑)、後編は我らがFC東京の方に注目してみてみよう。
 
 
【4】チームの仕上がりと新戦力のフィットぶり

何といっても真っ先に注目すべきはチームの仕上がり具合だろう。監督交代初年度はともかく、昨年は期待の大きさに反してスタートダッシュに失敗。守備システムが機能せず、連敗後の山形戦からチームを作り直すような形になってしまったのは記憶に新しい。夏・秋の好成績を考えても開幕直後の足踏みは実にもったいなかった。今季は3〜5月に味スタや東京近郊の試合が多く、日程的には春恵まれていそう。ぜひ良い成績で弾みをつけてほしいものだ。

チームの仕上がりと特に密接に関わってくるのは、新戦力のフィット具合である。松下と森重は実力やチーム状況からしておそらく開幕からスタメンだろう。松下はプレー精度が高くて周りも生かせるタイプの攻撃的MF。森重の方はセンスがあり、高い戦術眼で攻撃にも貢献できるDFだ。どちらも従来の東京に新たな武器を加えてくれそうな選手だけにとても楽しみ。加えて2人ともイケメンでもある……佐原・ブルーノを失った今季はこれも大事なのだ(笑)!

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2010年03月03日

●うまねん的2010開幕プレビュー(前編)

ということで、2010年のJリーグ開幕までいよいよあと3日に迫った水曜日である。たまには、というか少なくとも今シーズンは二度とないかもしれないけど(笑)、ここらでひとつ試合のプレビューでも書いてみようかと。今回は前編として、対戦相手である横浜Fマリノスにスポットライトを当てる形で見どころを並べてみよう。
 
 
【1】10年ぶりの開幕横浜戦

横浜Fマリノスは、2部時代からのFC東京ファンにとっては様々なエピソードを思い出す対戦相手である。たとえば1999年のナビスコカップ準々決勝1stレグ。アウェイの地で東京がJ1の強豪たる横浜を3-0と蹴散らした試合は鮮烈だった。ホーム側スタンドを静まりかえらせる電光石火のゴールラッシュ。カブ、コバ、カブ!!東京は続く2ndレグでも0-2と持ちこたえ、J2チームながら見事準決勝進出の快挙を成し遂げたのだった。

そしてその翌年。J1に昇格した東京が初戦で当たったのもまた横浜だった。巨大な横浜国際総合競技場、暗闇に花火がドカンと光る派手な開幕セレモニー。しかしゴージャス(笑)な雰囲気にもひるまず東京は大健闘を見せる。さすがにボール支配では劣ったものの、土肥・サンドロ・小峯・藤山・浅利らDF陣が粘り強く食らいつき、アマラオ・ツゥット・由紀彦らが逆襲の牙をむく。そして85分、アマが獲得したPKをツゥットが決めて1−0の勝利!

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2010年03月02日

●気がつけばあと数日

最近の週末は酔っぱらって帰ってベットにバタンキュー、気がつけばもう翌朝、というパターンが多いのだけど、それでも夢を見ることがある。

この週末、「Jリーグ開幕の日をうっかり忘れてしまい、3月6日に昼間っから飲みに行って開幕戦を見逃してしまう」という夢を見た。しかも夢の中で「ま、いっか」とか言ってやんの俺(笑)。

ということで、気がつけばもう開幕のFマリノス戦まであと5日しかないではないの。しかもいつの間にか3月とかになっちゃってるし!!今年は(というか今年も)正月明けからラグビーばっか観てたからな……「フットボール二毛作」も農閑期が全くないと切り替えがキツいっす。

つーか、責任転嫁(?)するわけではないが、今年はプレシーズンマッチもないし、事前の盛り上げも少し地味な気がするのである。金曜日に都庁でやってた写真展観に行ったら、まだ15時前なのに撤収始めてやんの。せっかく都合つけて行ったのにー(と思ってたら、公式サイトには14時までと書かれていた。スイマセン……)。

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2010年02月28日

●三洋電機三連覇 ('10ラグビー日本選手権決勝)


雨上がりの午後、秩父宮ラグビー場でラグビー日本選手権決勝。三洋電機ワイルドナイツ 22−17 トヨタ自動車ヴェルブリッツ。いよいよ国内ラグビーシーズンも大詰め、泣いても笑ってもこれで最後のタイトルが決まる一戦は「決勝戦」ではちょっと記憶にない顔合わせとなった。泥沼のピッチで行われた試合は、やや自滅気味の三洋に対してトヨタがリードを奪う展開となるが、後半半ばから底力を発揮した三洋が怒濤の逆転劇でシーズンを見事締めくくった。
 
 
ただでさえ痛んでいた秩父宮のグラウンドは直前まで降っていた雨で泥が浮き、非常に滑りやすい状態。しかし両チームともそんなピッチにひるむ様子なく、序盤から激しいぶつかり合いが繰り広げられた。7分、SH田中の巧みな抜けだしから三洋がゴールまであと1mの地点へ至るも、トヨタDFが絡んでノットリリース。しのいだトヨタは直後に反撃。9分、DF裏を突くSOアイイのキックで攻め込み、ラインアウトからのモールで左隅になだれ込んだ。0−5。

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2010年02月25日

●『幕末太陽傳』

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NHK-BSで録画した川島雄三監督『幕末太陽傳』を観た。時は文久2年(1862年)、ところは品川の遊郭街。無一文で豪遊したカドにより遊郭旅籠で働くことになった「居残り」佐平次(フランキー堺)は、知恵と図々しさを武器に大活躍を見せて旅籠内でのし上がっていく。その頃、同じ宿では高杉晋作(石原裕次郎)ら長州志士たちが御殿山の異人館焼き討ちを企てて……。
 
 
まずはピチピチとした、イキの良さが印象的な映画だ。

現代(1957年)の品川赤線風景を映した、意表を突く冒頭シーン。溢れる頓知で軽快に痛快にトラブルを解決し続ける主人公。ひたすら若く熱く無謀な幕末の志士たち。美しさとしたたかさでナンバー1を競う遊女たち。エネルギッシュな欲望むき出しの遊郭。そしてドタバタと古典落語のエピソードが連鎖していく物語。そのどれもがバイタリティーに溢れており、役者たち(二谷英明とか小沢昭一!とか)の若さとも相まって頬が自然と弛んでくるような感覚を覚えた。

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