●なあに、まだまだ (FC東京×名古屋グランパス)
FC東京 0−1 名古屋グランパス (J1第13節 味の素スタジアム)
鹿島戦の敗戦に引き続いて浦和にも完敗を喫し、残念ながら優勝争いからは一歩後退した感のあるFC東京。しかし息つく暇もなく試合は続き、今節は水曜のナビスコ甲府戦に引き続いてホーム味スタで名古屋との対戦であった。
中央縦のラインにノヴァコヴィッチ・ダニルソン・闘莉王が並び、永井と矢野がワイドに張る3-4-2-1の名古屋に対して、この日の東京は梶山と高橋のダブルボランチで武藤と米本が左右に開き、前田が1トップに入る4-2-3-1の布陣で臨んだ。いきなり2分、太田のクロスに飛び込んだ米本のヘッダーがバーを越える。東京は梶山を中心によくパスをつないでペースを握っていく。6分にも河野がボックス内でシュートの場面。
東京は守ってもいつもより前目から囲い込む守備が効果的で、永井と矢野も封じ込めて名古屋にチャンスを作らせない。22分には太田のFKに合わせた森重のヘッダーが楢崎の正面を突き、32分にもFKで太田のクロスに前田が DFと競りながら合わせるが、これもバーの上。名古屋はようやく39分にCKを獲得し、ファーサイドに上手く入った小屋松がシュートするも権田が反応良く防いだ。0-0で前半終了。
後半頭に名古屋は川又を投入するも、東京優勢は変わらない。48分、武藤の強烈なミドルシュートを楢崎が横っ跳びで弾き出す。50分には米本がDFをかわして決定的なクロスを入れるが、河野のシュートは枠をとらえられず。押し込み続ける東京だが、得点には至らない。59分、名古屋の中盤守備の要のダニルソンが負傷退場。69分には太田の低く速いクロスに武藤がタイミングよく飛び出すも、シュートはミートしきれず。
そのうち双方コンパクトさを保てなくなり、次第にカウンターの撃ち合いに。70分、小屋松のクロスに闘莉王が合わせるが当たり損ね。その直後に東京は三対三の好機を作るも、前田のシュートは楢崎の正面を突いた。そして73分、名古屋は小屋松が一気に右サイドを駆け上がり、低く速いクロスを中央へ。これをスライディングでカットに入った森重が蹴り込んでしまい、オウンゴールに。処理の難しい球だったが……0-1。
追い込まれた東京は三田を投入し武藤をFWに上げて打開を図る。だが、なかなかシュートに持ち込めない。80分、太田の直接FKは楢崎がキャッチ。東京は梶山→林の交代で4-3-3にシフトし、さらに磯村の退場を受けてラシッドを投入した。86分には太田の浮き球で深くえぐった三田がGKとDFの間にクロスを通すが、飛び込む林は一歩届かず。終盤の太田のクロス連発も全てはね返され、そのまま試合終了となってしまった。
鹿島、浦和、名古屋とよりによって「赤いチーム」に3連敗。何かのいやがらせなんだろうか(笑)。
途中までは悪くない展開だったと思う。左右に永井と矢野を有する名古屋の布陣に対応したのか、浦和戦でスカスカだった中盤守備のたて直しなのか、それとも武藤の移籍後を見据えてか(笑)、いきなり試してきた4-2-3-1はきちんと機能し、囲い込む守備で名古屋の攻撃を封じ込め、ダニルソンの機動守備に手を焼きながらも梶山を中心にそれなりにパスは回っていた。後は先制できれば、というところだったが……。
点が取れずにいるうちに中盤守備のテンションが落ちてカウンターの撃ち合いになってしまい、そこで隙を突かれて失点。慌てて力攻めに走るもそれほど決定機を作れずゼロウノ、と。典型的なポカ負けである。まあ、幾つかあったシュートチャンスの1つでも前田か武藤が決めてれば全然展開は違ったのだろうけど。
とにかく点が取れないんだよなあ。この3試合、失点6はまあ浦和戦大敗のせいとして、得点もたったの1。そりゃ勝てないわ。監督は色々フォーメーションや選手の組み合わせを変えてみてるし、4-2-3-1も梶山や米本が活き活きとして悪くないと思ったんだけども。結局武藤と太田頼みになっちゃうんだよな。監督が用意するオプションに選手が対応しきれず、結果的に「器用貧乏」になっているような気がしないでもない。
とはいえ、3連敗してもまだ順位は5位。1stステージの優勝は正直なところ不可能に近いと思うが、それでも2ndステージ優勝、あるいはチャンピオンシップ進出圏の年間勝点3位を目指して1戦1戦大事に戦っていく事が何より大切になるのだろう。まだまだこれからだよ、これから。
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