« 観るまで死ねない!『マッドマックス 怒りのデス・ロード』 | メイン | 『戦場でワルツを』 »

2015年07月11日

●いきなりボコ負け (川崎フロンターレ×FC東京)

川崎フロンターレ 2−0 FC東京 (J1第18節 等々力陸上競技場)

浦和に続く2位とリーグ「前半戦」過去最高の成績をマークした1stステージから中一週。早くも2ndステージの開幕戦、しかもアウェイの多摩川クラシコである。渋谷から電車で20分、等々力に足を運んで観戦した。


キックオフからの入り方は東京の方が良いように見えた。武藤が移籍した東京は前田・石川・東で3トップを組み、積極的なフォアチェックから速い守→攻の切り替えでゴールを狙う。対する川崎は憲剛や大島を中心に流動的に動きながらパスを回すも、序盤はミスが多い。5分、浮き球に反応した石川がDF裏に飛び出してシュート(GK新井がセーブ)。8分にも徳永のロングスローを前田がつなぎ、羽生が飛び込むきわどい場面。

しかし、前半の半ばになるとフロンターレのパスがリズムよく回りだし、一転して川崎の一方的な攻勢に。21分、ボックス手前からレナトが狙ったFKは右サイドネット。28分にもレナトのドリブルシュートがポスト右を抜ける。東京の守備は受け身になって後追いのチャージやタックルをかわされる姿が目立つように。もっとも川崎もなかなか決めきれず、38分の武岡や41分の大島のシュートは枠を外れ、0-0で前半終了。


後半に入るとネジを巻き直した東京が再び前目から追い込みにかかり、川崎のパス回しとの追いかけっこになった。が、先制したのは川崎。52分、ユルい東京の中盤守備をかいくぐってボックス左へ素早く展開し、小宮山の狙いすましたクロスにフリーのエウシーニョが巧みに合わせ、権田の横っ跳びも届かず右隅にゴールイン。中盤守備を何とか助けようと前線から東も下がった場面だったが、完全に崩されてしまった。0-1。

ビハインドを背負った東京は反撃に出ようと前がかりに。55分、米本のパスでDFライン左に飛び出した東がシュートするが新井がセーブ。57分にはCKに森重が頭で合わせるもバーを越えてしまう。たたみかけたい東京はさらに新加入のバーンズを投入。バーンズは軽快な足さばきから積極的に仕掛けていく。しかし、東京の攻勢は長続きせず、気がつけば東京のプレスをいなす川崎がカウンターからチャンスを量産するように。

そして74分。逆襲速攻で攻め込んだレナトをボックスすぐ外で吉本が倒してしまいFK。これをレナトが美しい弾道で右隅に決めて川崎が追加点を奪う。見事な一撃だった。0-2。東京は中島を投入するが攻撃の形を作れず、一方川崎は何度も決定機をつかむも大久保や憲剛がシュートを外し、権田の好守もあってさらなる追加点は奪えない。それでも、パスサッカーを最後まで続けた川崎が危なげなく逃げ切って試合終了となった。

いきなりの完敗である。まだ初戦とはいえ、年間順位も近いライバル相手の敗戦ということもあって、ショックがないと言えば嘘になるだろう。

0-2というスコア以上に内容の差が大きい試合だった。川崎は序盤こそもたついたものの一旦リズムをつかんでからは大半の時間ボールを支配し、持ち味であるパスサッカーで2点を奪って最後まで優位に試合を進めることができた。一方の東京は最初の勢いこそあったものの途中からは川崎のパス回しに守備が機能せず、ましてや攻撃ではほとんど形を作れなかった。シュート数6対16の方が戦況をよく表している印象である。

今回、武藤を失った東京がどんな布陣で試合に臨むのか注目してたのだが、前田と石川を起用する無難なメンツであった。ただ、4-3-3だったんだよね……かつフォアチェック重視。で、最初はともかく一旦相手が慣れてしまうとてんでダメだった。去年のホーム川崎戦や今年の浦和戦の繰り返しというか。広島戦で5バックにこだわり続けて勝てないのと同じで、今回もミステルのこだわりが裏目に出たように思えなくもない。

つーか、そもそも今年の4-3-3は昨年の同じフォーメーションに比べてもルーズな印象なんだよね。特に中盤の守備とか。より前目からボールを取りに行ってるせいもあるだろうから、梶山1人のせいではないのかもしれんけど。個人技と組織力のバランスも何だか第一次モウリーニョ政権のチェルシーみたいで、もちろんそんなに駒揃いではないから選手たちもちょっと苦しそうに見える。まして武藤を欠いては……うーむ。

まあ、とにかく、まずはフィッカデンティ監督の修正力に期待することにしよう。次は長距離移動なしでホームに帰れることだし、連敗しないことが何より重要だ。このつまづきが大怪我につながらないことを願いたい。


今回はこの展開だから特に良く見えたのかもしれないが、フロンターレのやり方は面白かった。大久保1トップで後は流動的に……というかくるくるパスを回しながらここぞという場面では何人もなだれ込んできて、DFも3バックだけど攻撃時には武岡がサイドの高い位置まで駆け上がってくる。穴もありそうだけど攻撃の迫力はあるサッカー。広島や浦和の影響があるのかな?パスの起点も憲剛だけじゃなくて大島もいるし。

となると、東京としては、浦和、広島、川崎という系列(?)が現在の苦手ということになるんだろうか。ベクトルの全く異なるサッカー相手だからこそよりいっそう、勝って「よっしゃ見たか!」とガッツポーズしたいところなんだけどなあ。


[付記]

試合前の始球式&プレゼンターにはウルトラセブンとウルトラマンギンガが登場。始球式はギンガがGKを務めてセブンがPKキッカーをする演出……かと思いきや、いきなりマグマ星人が乱入してPKを決めてしまったのには笑った。なるほど、マグマ星人はセブンの天敵(『ウルトラマンレオ』第1話参照)だからな……。しかしウルトラマンとか仮面ライダーとかゾウガメ(笑)とか、川崎のフロントは色んなのを連れてくるのう。


↓よかったらクリックして下さい。
にほんブログ村 サッカーブログ FC東京へ
にほんブログ村

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://umanen.org/mt/mt-tb.cgi/2817

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)