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2015年06月21日

●微妙で、素晴らしい、逆転勝利! (サガン鳥栖×FC東京)

サガン鳥栖 1−2 FC東京 (J1第16節 ベストアメニティスタジアム)

代表戦日程を挟んでいよいよリーグ戦1stステージもあと2戦。ステージ優勝こそ逃した我らがFC東京だが、上位進出を目指し、そして2ndステージを見据えた戦いは続く。今節は強豪・鳥栖とのアウェイゲーム。スカパー!で録画観戦した。


試合は立ち上がりから鳥栖ペース。この日の東京は梶山・高橋がダブルボランチを務める4-4-2の布陣でスタートしたのだが、鳥栖の強度の高いプレス守備にパス攻撃が機能せず。対する鳥栖は素早い守→攻の切り替えからシンプルに前線を狙う攻撃でチャンスを作る。速攻から水沼・豊田がたて続けにボックス内で際どいシュートを撃った後の17分、CKにフリーで飛び込んだ金のヘッダーがゴールに突き刺さって鳥栖先制。0-1。

得点を奪った鳥栖は勢いに乗ってボールを奪っては攻め込み、東京DFがしのぐ場面が続く。東京は梶山がDFラインまで降りたり三田・東・武藤の配置を変えたりして打開を図るが、相変わらずパスは回らない。24分、三田のクロスに合わせた前田のシュートはバーを越え、39分の太田のFKもGK林がキャッチ。途中から鳥栖が息切れしたこともあって追加点こそ免れたものの、前半の東京はわずかシュート2本であった。


後半も、東京が左右に回して攻めようとするのに対して鳥栖が速攻を狙う構図は変わらない。東京は崩しの形をなかなか作れず、鳥栖はバイタルエリアでの精度があと一歩、という感じで決定機が生まれないまま試合が進んだ。51分、東京は三田OUTで中島IN。中島は積極的にドリブル・パスで仕掛け、左サイドの攻撃を活性化する。すると、60分を過ぎた頃から鳥栖の動きが落ちて東京のボール支配が目立っていった。

さらにプッシュしたい東京は68分、存在感の薄い東に替えて石川を投入。すると69分、東京は右サイドで押し込んで徳永がアーリークロス、武藤がすらしてファーでボールを拾った中島が細かいフェイントでDFを翻弄しながら切れ込み、鋭いシュートをゴール右隅に突き刺した。迷いのない見事な個人技!1-1。これで試合はヒートアップし、73分には水沼のパスで豊田がDFライン裏に飛び出すが、権田が出足よくクリア。

そして74分、太田のアーリークロスを叩いた武藤のボレーシュートは林が片足で見事にセーブしたものの、セカンドボールを拾った前田がゴール前に突進したところで飛び込んだ林が今度は倒してしまい、PK。これを森重がゴール右上にきっちり決めて東京が勝ち越した。よし!2-1。

こうなると今の東京は強い。フィッカデンティ監督は直ちに前田→橋本と替え、武藤・石川を前に残して自陣を固める逃げ切り型の4-4-2フォーメーションにシフト。前がかりになる鳥栖の攻撃を厚い守備ではね返し、FKからボックス内で混戦になったり池田に吉本が振り切られたりとピンチもあったものの、権田の念力セーブ(笑)も駆使して虎の子のリードを守り切った。


アウェイで逆転勝利、今季リーグ戦3度目の3連勝。ホント勝てるなあ今年は。

正直、前半は決して褒められた出来ではなかった。フィッカデンティ監督は試合後のインタビューで「相手の入り方はわかっていたが、そこでバタバタしてしまった」と語っていたが、そもそも鳥栖のプレス守備に対抗する(ないしかわす)工夫はよくわからなかったし、むしろ中盤(MF)の陣容を厚くしても全然パスサッカーが成り立たない、というチームの課題・状況が改めて明らかになったのではないかと思えた。

幸いだったのは、対戦相手の鳥栖が良くも悪くも一直線、ワンペースのチームだったことだろう。決して層は厚くないし、そもそもやってるサッカーの特性的に懐の深く柔軟な戦いをするのは難しいように思える。それでも尹監督の時は最後まで頑張れることが多かったんだけど、最近の大敗を見てるとちょっと辛くなってきたのかもしれないね。

いずれにせよ、マッシモさんのコメントからも伺えるように、東京としては鳥栖が後半落ちることはある程度予期して戦ってたんだろうし、ちゃんとそこにつけ込んで2点奪って逆転したのは素晴らしかった。なんというか、今年は、監督の的確な選手交代もあるんだけど、こういう風に流れをつかんで勝ち切るのが上手くなったなあ、と思うんだよね。そこが10勝2分4敗という好成績につながっているのは間違いない。

もっとも、その辺も微妙といえば微妙なところで、面子もやり方もめまぐるしく変化しながら状況に対応していく現在のチームは見ていて面白いしその先の可能性を感じる反面、安定感に欠けると言えなくもない。監督への依存も相当に大きい。まあ、ファンとしては何にしても勝てばそれでいいんだけど(笑)。実際勝ってるし。

この試合のMOMは……難しいけど、やっぱり中島翔哉かな。同点ゴールは、武藤がマークを引きつけてくれた面はあったにせよ素晴らしかった。あの場面に限らず、必ず前向きに仕掛けてくれる技術と気持ちはチームの大きな武器だし、武藤が移籍してしまうことを考えればますます大事な選手となるに違いない。他の選手は、まあ、可もなく不可もなく、という出来の選手が多かったろうか。ダブルボランチを除けば(笑)。


さて、次はいよいよ1stステージ最終戦。武藤嘉紀がFC東京の選手としてプレーする最後の試合である。おそらく味スタも満員になるのだろう。きっちり勝って3位以内、いや、浦和追撃の一番手としてのポジションを確保しておきたいところである。頑張ろう、頑張って。


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