« ルーコン祭りで首位やがな (FC東京×FC岐阜) | メイン | とにかく大きく羽ばたいてほしい! — 大竹選手の移籍について »

2011年07月25日

●爆走東京、またも圧勝(FC東京×ロアッソ熊本)


FC東京 5−0 ロアッソ熊本 (J2第22節 国立霞ヶ丘競技場)
 
 
2節連続のホームゲームは聖地・国立競技場で5位熊本との対戦。先週よりもかなり涼しい空気の中、スタンドで観戦した。

立ち上がりは双方の積極性が目立ち、ピッチ各所でボール争奪戦が繰り広げられた。1分、エジミウソンのミドルシュートがバーを越える。2分、ボックス手前から田邉が撃った強烈なボレーシュートをGK南が横っ跳びで弾き出した。6分には梶山の好フィードを受けたセザーが左から切れ込んでシュートするも、南が横っ跳びでセーブ。ここ数試合と同様、時間が経つにつれ東京の優勢が明らかになっていく。

9分、前線に出た田邉が倒されながらDFの背後へボールを浮かし、入れ替わって飛び出したセザーが南と一対一になるが、シュートは左に外れ。東京は慌てず左右へパスを回しながら押し込んでいく。19分、速攻で一気に持ち上がった羽生がループ気味にシュートするも、南がかろうじて弾き出した。一方の熊本はテンポよいパス交換からサイドへ展開するパターンだが、攻撃回数自体が少なすぎ。22分、片山のクロスにチェが飛び込んだ場面も塩田がワンハンドで弾き出した。

前半半ばになると熊本は完全に自陣へ閉じこもって守りを固め、東京は幾度もボックス周辺まで攻め込むものの、統率のとれたDFをなかなか崩しきれない。36分、田邉が華麗なフェイントでDFをかわしながら突進、ラストパスをセザーがシュートするもまた南に防がれた。南は40分にもボックス正面のFKの場面で北斗の強烈なワンバウンドシュートをガッチリとキャッチ。ここら辺はさすが元代表GKである。

そして、このまま前半はスコアレスで終わるかと思えた42分、羽生がオフサイドギリギリで右サイドに飛び出してチャンスに。羽生はボックス脇まで突進してグラウンダーで折り返し、セザーが落としたボールをシュートしようとした谷澤が後ろから根占に倒され、PKの判定(根占は一発退場)。これをセザーが右隅に突き刺して東京が先制。正直、ラッキー(熊本にとっては不運)に思える得点だった。1-0。
 
 
後半。開始直後は10人の熊本が攻勢に出るもチャンスに至らず、逆に47分、オフサイドを巡る熊本の混乱を突いて谷澤が右サイドを突進、クロスのこぼれを田邉が右へ展開し、今野の低く速いクロスを羽生が押し込んだ。あっけなく、しかし抜け目のないナイスなゴール。2-0。これで早くも勝負あり。その後は東京の一方的な攻勢が続いた。54分、波状攻撃の中で谷澤のクロスから田邉のヘッダーがバーを越える。

試合は東京がほぼ完全に支配して進む。延々続くボックス付近でのパス回しは「崩し練習」にさえ思えた。もっとも、あまりに一方的な展開に集中力を保つのも難しかったか、60分過ぎには全体的に一時テンションが落ち、逆襲をくらいかけて森重が警告を受けるなど少し嫌な雰囲気も流れた。

嫌なムードを一掃したのは、背番号39の頑張りだった。65分、ドリブルで中央突破を図る谷澤が一気にボックスまで突入し、シュート寸前で倒されてまたPKの判定。本来なら梶山かセザーが蹴るところだが、「シュート入らない病」の谷澤は蹴りたくてたまらない様子……結局3者協議の末、温情裁定(笑)で谷澤がキッカーに。そしてこれをきっちりゴール左上に蹴り込む谷澤も偉かった。やったぜ!の3-0。

余裕の東京はさらにポゼッションを高め、72分には羽生OUTでルーカスIN。4点目が入ったのはその直後だった。敵陣中央で倒された田邉が判断良く右へはたき、ボックス手前まで持ち上がった徳永が右足を一閃!推定マッハ5の弾丸ライナーはさすがの南も止められず、ゴール左上に突き刺さった。息を飲むスーパーゴールを決め、照れくさそうに両手を挙げる徳永。スゲエ。4-0。もうイケイケドンドンである。

そして残り数分。「さあ、あとはルーコンの復帰祝いだ!」という状況だったのだが……ホントに決めやがるとはなあ(笑)。ただし、僕はこの目でその得点を見ていない。今回は所用により85分の時点で帰らなければならなかったのだ。まあ、残念だけど、これからまた何点も決めてくれるだろう(とか言ってると全然入れなかったりしてな)。ともあれ、5点差で終了。東京が圧倒的勝利で首位を守った。
 

 
よしよし、順調順調、というところか。

試合全体の印象としては鳥取戦・岐阜戦と同じような感じ。序盤から慌てずパスを回し続け、引いて守る相手にやや手こずりながらも何とか先制。で、後半にさらなるボール支配の中でセットプレーや個人能力の高さを生かしつつ、パスに振り回されて疲れの見える相手に対して着実に加点し、終わってみれば危なげのない完勝。何しろここ2ヶ月は8勝2分だもの、そりゃ負ける気がしないのも当然ではある。

鳥取戦の時にも書いたが、「J2の中位〜下位に対してはこう戦えば良い」というフォーマットができてきて、選手たちの自信もますます深まっているように見える。つまらないミスも次第に減っており、ボールの動かし方もよりダイナミックに、よりバリエーション豊かになってきた。その結果が、5試合連続完封と次第に増える得点(3→4→5)だろう。次のホームゲームで6点とれるかどうかは知らないが(笑)。

まあ、今節は千葉・徳島・栃木のいずれも勝利を収めたため、結果的に上位4チームの団子状態に変化はなかった。東京にしてみれば、今の「軌道に乗った」状態をできるだけ長く引っ張って、できればある程度のマージンを稼いでおきたいところだろう。そして、その上で上位との直接対決に臨みたい、と。8月・9月の栃木戦が一つの目標になるのかな。

MVPは、先週に引き続いて羽生。間違いなく最もチームを牽引している選手である。ここぞという場面での飛び出しの切れ味は尋常ではない。谷澤も引き続き大車輪の働き。変な魔法は解けたかな(笑)。梶山も好調を維持。セザーは、いっそ得点王を狙ってほしい。田邉は今観ていて一番楽しい選手。細身の体で独特のセンスがあって、最近は前線でも堂々としているのでまるで80年代欧州のテクニシャンのようだ。

守備陣では、今野は攻守に大活躍して万全の出来。彼もMVP(笑)。徳永は前がかりになった時の破壊力はやはり凄いので、後方での組み立てでミスを減らすことが代表復帰の鍵になるだろう。森重は余計なイエローカードをもらったのがちと残念。北斗は夏場になると元気になるような。塩田は相変わらずノーミスで、監督としては困っちゃうだろうな、と。権田が五輪代表に行ってるうちはいいだろうけども。

あ、あとルーカスか。復帰初ゴールおめでとう!別に量産はしなくてもいいので、肝心なとこでぜひ頼むよ!ルーコンのゴールで1部復帰決定なんつったら、きっと涙で溺れ死ぬファン・サポーターが大量に出るのだろう。うん。

いや、ホント気分がいいよな、これだけ勝てると。わはははは!!
 
 
[付記1]

今回はヤクルトスワローズとのタイアップ試合ということで、スタジアムにはマスコット「つば九郎」君が応援に現れ、試合前にはスワローズの選手2名の応援メッセージが上映された。で、そのメッセージの中で、石川選手だったか田中選手だったか、「今、ヤクルトスワローズもFC東京も首位に立っているので〜」と言ったので、思わずツイッターで「おいw」とツッコんだんだよね。こちとらJ2じゃい、と。

そしたら、そのツイートに対してこんな反応が。なるほど、言われてみればその通りかも(笑)。いや、去年よりはマシになってるらしいけど。ヤクルトスワローズも日本シリーズ頑張ってもらって、一緒に1部昇格しよう。
 
 
[付記2]

このエントリーを書きながらふと思い立ってJ2の順位表を見てみたら、5位に「ギラヴァンツ北九州」の名前を見つけてひっくり返った。三浦ヤスさん、一体何をした!?
 

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://umanen.org/mt/mt-tb.cgi/2695

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)