●思わず絶句の日々 ('07ツール・ド・フランス後半戦)
今年のツール・ド・フランス後半戦は、慌ただしかった前半戦が無風状態に思えるほどの荒れ模様に。優勝候補が次々とドーピング絡みの不祥事によりレースを去っていく展開は、ある意味オペラシオン・プエルト&ランディス陽性で無茶苦茶だった昨年にも劣らない、まさに「2年連続で最悪のツール」。いや、極東のファンはいったいこれらをどう受け止めればいいのやら。
序盤の落車&負傷で同情を集めていたヴィノクロフは第13S個人TTでダントツの優勝、翌日の大ブレーキで優勝争いからは脱落したものの、第15Sで再びステージを制するなど大いに気を吐いた。……と、ファンを喜ばせたところで、なんとヴィノのドーピング陽性反応によりアスタナはチームごとツール撤退。昨年の開幕前日に「Basso OUT」の文字を見た瞬間と同様、奈落の底に突き落とされた気分になった。
で、その後はラスムッセンとコンタドールの丁々発止の戦いで盛り上がったものの、今度は第16Sの優勝によりマイヨ・ジョーヌを確かなものにしたかに思えたラスムッセンがドーピング・コントロールにおける所在地の虚偽申告でツールから排除……。おまけに(と言っては失礼だが)モレーニのドーピング陽性でコフィディスもチームごと撤退。なんか、もう、底の見えない恐ろしさとでも言おうか。「ホントに最後までやるの?」という。