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2008年01月17日

●一つの時代が終わったということか

がーん。

馬場憂太選手 ジェフユナイテッド市原・千葉へ完全移籍決定のお知らせ (FC東京公式)

これは痛い、というか悲しい……確かにそういう噂もあったとはいえ、さすがにショックである。

彼のプレーを初めて観たのは2002年開幕前の仁川ハレルヤ戦。目立った活躍はなかったものの、ボールを持ったときの独特のリズムが印象的だった。しかし、その後は気ままで軽い(ように見える)プレースタイルと運動量の少なさが目につくようになり、「ひたむきさ」が売り物のチームカラーの中でやや浮いた存在のまま2年間が経過する。思えば当時の彼については僕もずいぶん否定的な評価をしていたものである。

見方が変わったのは04年シーズンが始まってから。ケリーの負傷により先発出場のチャンスを得た彼は的確なパスさばきとセンス溢れるプレー選択で「司令塔」役を果たし、ヴェルディ戦の活躍などでサポーターの信頼も獲得。05年には負傷欠場から後半戦に復帰し、一戦ごとに存在感を増して半ば「王様」として君臨、チームの「12戦負けなし」に大きく貢献した。大宮戦のキラーパスガンバ戦のキャノンシュートは忘れがたい。

とにかく攻撃のセンスに溢れており、プレーに創造性があって、一つのパスやシュートで試合の流れをガラリと変えられる選手である。当初見られた運動量の乏しさや接触プレーでの脆さも、04年以降は徐々に改善。怪我の多さゆえに活躍期間の短いのが難点だが、昨年行った手術でそれも良い方向へ向かうはずだった。羽生との相乗効果も楽しみに思え、新監督が彼をどう生かすのかワクワクしているところだった。それなのに……。

僕は、彼については、「小柄なファンタジスタ」として往年の木村和司さんにその姿をだぶらせ、「いつかは東京の10番、いや日本の10番だ」と期待していたのだった。この移籍で、少なくとも前半部分は夢と消えてしまった。千葉も上手く帳尻を合わせたということなのかな。
 
 
ノリカル 神戸完全移籍 (東京中日スポーツ)

これまた残念。楽天か……去年あたりの、コンパクトな中盤守備からビューッと最前列を走らせるサッカーは、攻撃については確かに突進力のある規郎向きかもしれない。ただ、同タイプでより経験を積んだ古賀も加入しているし、松田さんはなんだかんだで組織性重視だろうからちょっと心配な気もする。そこら辺は憂太と同じく「チャレンジ」ってことなんだろうけど、だったら城福サッカーに挑戦しても良かったじゃん、みたいな。

規郎について印象深いのは、デビューした02年、レッズ戦で山田を股抜きからスコーンとかわしたプレーかな。あの頃の規郎はとにかく前向きなドリブル小僧で、よく「右が石川で左が規郎ならスゴイことになるぞ」とか話してたんだよな。でも、いつの間にやら「ノリカル」のニックネーム(?)とともに左足の威力ばかりが強調されて、気がつけば破壊力はあるけどとびきり不器用な選手に。昨年の夏は「ついにブレイクか」という時期もあったのだが……。


まあ、とにかく、2人とも達者でな。


これで、憂太に規郎と2002年に入団した人気選手がチームを離れることになって、東京も一つの時代が終わったのかな、と。02年というのは大熊監督から原監督へ、「アマラオ、由紀彦や小峯の東京」から「石川、茂庭やそれ以下の世代の東京」へと移り変わる節目の年だから。彼らの入団からナビスコカップ制覇までは、右肩上がりの夢を見られた時代だった。原監督が去ると同時に彼らも去ってしまうのは、何だか象徴的な出来事にも思える。

戦力的には、いくら駒がダブついていた(だから放出超過自体は仕方がない)とはいえ、攻撃の選手がここまでいなくなるとオプションの面からも心配になる(「憂太の代わり」なんていないし)。石川と栗澤の奮起、森村の成長を期待しつつも、やはり外国人が必要になってくるかもしれない。梶山は前の方に上げた方が良いと思うので、ボランチないしセンターハーフで誰か。トップクラスとまでは言わない。等身大でもいいから、とにかく「いい選手」を。


というわけで、1月17日時点における08シーズン予想スタメン。

GK 塩田仁史
DF 徳永悠平
DF 大森征之
DF ブルーノ クアドロス
DF 金沢浄
MF 今野泰幸
MF シャビ・アロンソ(予定)
MF 梶山陽平
MF 羽生直剛
FW 赤嶺真吾
FW ドログバ(予定)

なるほど、これなら大丈夫そうだ!!
 
 
 
 
 
……すいません、見透かされているとは思いますが、カラ元気です(しかも二番煎じだし)。憂太のいないFC東京かあ。「出て行く選手の皆さん、明日からは敵です」ってか(泣)。今日はもう、山崎まさよしの『One more time,One more chance』でも聞きながら寝ます……。
 

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コメント

シャビ・アロンソ、髪長いほうがいいなw。

憂太は生前(死んでないぞ)、「走れ!さぼるな!合コン減らせ!」とさんざはっぱをかけていました。「可愛い子には旅をさせよ。とくに男の子わな」と移籍も考えていました(私がね)。彼のためには、厳しい環境が必要。東京は居心地が良過ぎる、と。実際いなくなると寂しいなあ。大きくなって戻ってくればいい。来るよな?来るんだろうな。来い!

そうですねえ。おそらく憂太自身も「このままだとヤバい」と考えての移籍でしょうからねえ。確かに、彼個人の事を考えたら「筋のいい」移籍かもしれませんね。

>大きくなって戻ってくればいい。来るよな?来るんだろうな。来い!
そう。完全だろうがレンタルだろうがそんなの関係ねえ!戻ってこいやあ!!

……という感じで自分を無理矢理納得させることにしたのですが、問題は憂太(バージョンアップ版)が戻って来る時のシチュエーションかも。「降格寸前絶体絶命のチームを救う救世主」としてか、「ビッグタイトル獲得寸前あと一歩足りないチームにとって最後の一ピース」としてか。後者希望(笑)。

>憂太に規郎と2002年に入団した人気選手がチームを離れることになって、東京も一つの時代が終わったのかな

これで2002年新入団組が皆いなくなってしまったね。

憂太、規郎、大谷、前田、オマちゃん。みんなユース代表or候補に選出経験ありという金の卵達の大量入団はエポックメイキングな出来事だったよね。

はっきりいって、それまでの新入団選手は地味な第二グループ的な選手ばかりだったのに、肩書き組とでもいえる彼らの入団は輝ける未来への約束手形と感じたものでしたよ。

そんな彼らが誰一人として東京にいないというのは残念極まりないですね。

>憂太が戻って来る時のシチュエーションかも

いつもどおりの中位のチームに寅さんよろしくいつのまにか「ただいま」って帰って来てるってシチュエーションはいやだw

「激しくも 哀れ空しい 句読点 撃ちてし止まむ それぞれの時」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%82%B5%E3%83%A9%E3%82%AD
orz

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