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2008年01月19日

●大逆転秩父宮とウルトラマン、飛行機雲に月


午後、秩父宮ラグビー場でトップリーグ第11節。NECグリーンロケッツ 33-21 東芝ブレイブルーパス。プレーオフ4枠へ向けたサバイバル継続中、2位と6位の直接対決。首都圏チーム同士の対戦カードだけに当然盛り上がりが予想されたのだが……観客動員もプレー内容もやや物足りないながら、「展開の綾」に救われた試合となった。


序盤は双方FWを前面に押し立てゴリゴリ押そうとするが、ほぼ互角と見るや今度はパス展開のやり合いに。NECはBKのタレントで劣る上に動きの連動性もイマイチで、数的不利な形でDFの壁に当たってばかり。東芝も攻撃にかかる時の切り替えの早さや連動性はさすがながら、SO廣瀬を筆頭にパスの精度が悪く、ハンドリングエラーも多い。じれったい攻防が続く。

それでも前半は、両CTBをはじめBKに仕事のできる選手を揃えた東芝が優位。7分、NECが大きく右に展開したところでターンオーバーから切り返して吉田大が独走、トライ。15分にNECが窪田の個人技で1トライを返すも、24分、マクラウドのオフロードパスから立川が抜け、ステップで2~3人をかわして中央にトライ。さらに36分にはSO安藤のパスをインターセプトしたNO8豊田が独走してトライ。5-21でハーフタイムへ。

後半に入ってNECが反撃に出るも、横に回すばかりで少しも前進できないパス攻撃は得点の匂いを感じさせず、「こりゃ東芝で決まりかな」というのが正直な印象であった。ところが52分、NECがゴール前で突如集中したモール攻撃を見せ、対応の遅れた東芝はFL中居が反則の繰り返しでシンビン。このチャンスにNECはラインアウトからモールをきれいに押し切ってみせてトライ、12-21。これで流れが変わった。

勢いに乗ったNECは17分、右中間のラックからFLセミシが持ち出してDFの間を突破、立川の追いタックルを受けながらもゴールへ飛び込んだ。19-21。さらに20分、今度は左サイドでパスを受けて抜けたセミシが立ちふさがる立川をミニパントでかわし、インゴールでジョン松田との競争をわずかに制してトライ。26-21。あれよあれよという感じの逆転劇であった。

その後は追いつめられた東芝が怒濤の攻めを見せる。モールに速い展開、そしてオトやマクラウドの突破からのオフロード……しかしNECの防御も粘り強い。特にWTB首藤の低くて精度の高いタックルは光った。東芝も一度はインゴールへ持ち込むことに成功するも、ダウンできず。そして39分、NECはLO浅野のインターセプトから窪田が独走して駄目押しのトライ。結局、後半東芝を無得点に封じたNECが逆転勝利をものにした。


なんというか、勝負の綾を見せつけられた試合だった。FWはさほど差がなかったものの、BKユニットは明らかに東芝の方が上であり、実際前半終了時には16点もの差がついていたのだ。東芝にしてみればシンビン以降はまさしく「魔の10分間」であった。まあ、ノックオンなど小さなミスが非常に多かったので、そういう意味では「負けに不思議の負けなし」だが。逆にNECはあれだけBK攻撃がショボくて勝つんだから「勝ちに不思議の勝ちあり」か。

しかし、こうけなしておいてナンだが、見た目には爽快トライも多く、展開的に面白い試合であったのは確か。けっこうトップリーグ、面白い試合やってるんだけどな……なんでお客さんが7千人とかしか入らないのだろう。やっぱりラグビーファンの習慣として「プレーオフと日本選手権だけ盛り上がる」パターンが染みついてしまっているのであろうか。もったいない。あと、それと関連しているのかいないのか、秩父宮の芝は味スタ以上に酷い。



試合後は、六本木ヒルズで『ウルトラマン大博覧会』。誰だ、「いい年こいて……」とか言ってるのは(笑)。展示されていたのは『ウルトラマン』『ウルトラセブン』を中心に怪獣人形や撮影で使用された小道具、「元祖オタク」大伴昌司さんの原画、当時の玩具や映像集など。客層は家族連れ5割にオタク4割(僕もここに入るのか……)、その他(カップル等)1割といったところだが、家族連れも多くは子供よりお父さんが盛り上がってたような。

色々な展示があって、まあ「希少性という意味ではさほどでもないかな」というものも多かったけど、個人的に「おお!」と思ったのは『ウルトラセブン』最終回の台本である。当時実際に使われたものが展示してあったのだが、あの有名なダンとアンヌの別れのシーンて、台本とは違う演出だったんだね(台本に鉛筆書きで修正が加えられていた。現場の演出で変わったのかな)。

つまり、台本だとダンがウルトラアイを取り出して等身大のセブンに変身し、驚くアンヌ(そりゃ驚くよな)にを前に宇宙人っぽい声(一人称は「私」)で帰ることを告げることになっていた、と。でも、実際には会話の最後までダンは人間の姿のままで、例の「西の空にあけの明星が輝く頃1つの光が宇宙へ飛んでいく。それが僕なんだよ」という台詞を残して変身と同時に飛び去る、という演出になった、と。どう考えても後者の方がいいわな。

……って、ある年代以上の「ウルトラファン」にしかわからないネタですね。失礼(笑)。



帰り道、空を見上げたら、六本木通りの上空ででっかい飛行機雲が交差していた。ずいぶん低空にかかっているように見えるけど、普通の旅客機ってあんな感じになるんだっけ。あと、秩父宮バックスタンドの上にも見えていたけど、今日は昼間っからやたら月が明るかったな。
 

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コメント

>ダンとアンヌの別れのシーン
エェエーッ(驚)! びっくりです。
脚本がこのように書かれていたことは初耳でした。
前振りなく変身では、ロマンスどころかアンヌと戦うみたい(違)じゃないですか〜。
(すみません、主題のラグビーをさしおいての反応がコレで。ソノ世代でして、つい…(笑))
かなり面白いものだったのですね。見に行けば良かった…。<博覧会
成田亨さんの展覧会@三鷹もうっかり見逃してしまいましたし、残念です。


そうなんですよ!ちょっと驚くでしょ。
台本通りだったら、あの2人の姿が影になって背景がキラキラ、の場面もなかったかもしれないし、だいいち「等身大のセブンとアンヌが真面目に会話」ってちょっと……(笑)。
「感動の名場面」と「爆笑トンデモ場面」は紙一重ということで。

博覧会、残念ながら今日でおしまいでした。

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