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2010年10月02日

●そういや、10年前の江戸陸にも由紀彦はいた (町田ゼルビア×V・ファーレン長崎)


金曜日の夜は、江戸川陸上競技場でJFL後期第10節。町田ゼルビア 3−0 V・ファーレン長崎。町田は都内とはいえ行きづらく、長崎はあまりに遠い。よって今回はこの両チームを気軽に目にできる貴重な機会ということで、たまたま仕事が早く終わったのを良いことに駆けつけてみた。もちろん、佐藤由紀彦(元FC東京、現長崎所属)ファンのウチのカミさんも一緒である。
 
 
西葛西の駅から遊歩道と団地の敷地をテクテクと歩き、試合開始直前に江戸陸到着。なんか、このスタジアムに来たのも随分久しぶりのような……記憶にあるのは2000年7月のナビスコ杯2回戦。ということは10年ぶりか!スタンド横を高速道路が通っててホーム側ゴール裏が芝生なのはその頃のままだけど、周りは建物が増えてきれいになったような気がする。現地に着いてから思い出したが、1999年のくそ暑い日に新潟に負けたのもこの競技場だった。

 
てなことを考えているうちに、キックオフ。お目当ての由紀彦はベンチスタートのようだ。序盤はホームの町田ペース。勝又・木島・星(彼も元東京だ)ら小柄ながら機動力に溢れたアタッカーがどんどんDFラインの背後を狙う速攻主体のサッカー。オフサイドギリギリでサイドに飛び出し、ドリブル勝負を挑む場面が幾度か。一方の長崎は町田に比べれば丁寧にパスをつなごうとするが、なかなか前線にボールが収まらず、守備の方もボックス内でようやくしのぐ状態。

それでも町田も決定力を欠いて(よくふかすんだ、これが)無得点のまま試合は進み、前半半ばを過ぎる頃になると長崎にもチャンスが生まれ始める。目立ったのはFWの有光。ドリブルのキレは両チームの中でもずば抜けており、彼が前を向ければ得点の期待が高まってくる。もっとも味方のフォローが常に遅れがちなので孤軍奮闘の感もあったが。ということでスコアレスでハーフタイムへ。

ハーフタイム、メインスタンドの通路をやたらとウロウロ歩き回る小嶺社長の姿が。後ろに座っていたファンがボソッと「名古屋章」とか言ったので思わず笑ってしまった。
 
後半開始直後、町田に絶好機。右サイドでDFの裏に飛び出した木島(?)がGK近藤(彼もまた元東京)と一対一になるチャンス。ここは近藤が素晴らしいポジショニングと反応でシュートを防いだ。ナイスキーパー!もっとも、見方を変えれば長崎のラインDFの不安定さが改善されていないことが露呈した場面でもあったが。その後試合はやや膠着し、60分になると長崎は長身FW森田投入の準備を行う。

ところが、森田がタッチラインで交代を待つその間に町田が先制点を奪う。スルーパスで左SBの後方に抜け出したアタッカー(たぶん木島か星)がDFと近藤の間をグラウンダーできれいに抜き、ファーに詰めていた勝又が体勢を崩しながら押し込んだ。長崎にしてみれば攻撃的交代をする間際にマイボールのスローインを奪われての、何とも間の悪い失点であった。1−0。

で、先制シーンについてツィッターに書き込んだその時、全く同じように町田のアタッカーが左SBの背後に抜け、クロスをファーに詰めた木島がヘッダーで決めて2−0。あらら。さらに、ツィッターに次の書き込みをする間もなく(笑)、直後のキックオフから町田が怒濤の攻めを見せ、あっという間にシュートが決まって3−0。この間わずか5分足らずであり、3点目の場面なんて町田アタッカー4〜5人がゴール前に殺到しているという意味不明の状況だった。

そして残り15分を切ったところでようやく由紀彦登場。長崎が意地の反撃をする時間帯であり、また前線に長身の森田が入っただけに期待が高まったが、あいにく由紀彦がクロスを上げる場面はほんの2回ほど、うち1回は中に1枚しかFWがいなかった。むしろ左サイドからよくクロスが上がっていた。うーむ。結局、長崎も何度かゴール前でチャンスは作るものの、森田がアマラオ級の「クリアみたいなシュート」を見せたこともあり、得点には至らず試合終了。
 
 

スタジアムも、選手たちも、何だか懐かしかったですな。

試合全体を見ると、まあ確かにJ1とかに比べると技術・戦術ともに見劣りはするけど、10月のナイトゲームという好条件にも恵まれてスピーディーでスリリングな攻防を楽しむことができた。特に、ゼルビアの手数をかけない速攻はワクワクものでああった。長崎の方だって昨年観た刈谷との試合(由紀彦対アマラオ(笑))に比べればずっと進歩してるんじゃなかろうか。どちらも施設等の理由でJ昇格はできないそうだが、サッカー自体は決して悪くないと思う。

お目当てだった由紀彦は15分ほどしか出場せず、ちょっと残念。ボールタッチなんかは変わらない印象だけど、ちょっとオフザボールの動きにキレがなかったかな。そこら辺、ボールが集まらないことと相まって悪循環になっちゃってるのかも。「Jリーグ30歳定年制」(東京なんかはその急先鋒で、しかも失敗しているわけだが)へのアンチテーゼ的存在としてまだまだ頑張ってほしいものだとは思うのだけれど。このまま消えてしまうのはもったいなさすぎる。

元東京選手の残り2人は頑張っていた。星は縦横無尽に動き回ってゼルビアの攻撃に躍動感を与えていたし、近藤は魔の5分間を除けばほとんどミスのない堅実なプレーを見せてくれた。あ、町田には藤田泰成もいたのか、気づかなかった(笑)。他の選手では、森田が長崎にいるのは初めて知ったので驚いたけど、DFの当たりに負けない体の強さは相変わらず。町田の吉田はレイソルがナビスコ杯優勝した時のGKだったよね。ホント、みんな元気にやってるな、と。

これまで見たことのなかった選手では、町田の勝又はなかなかいいと思った。スピードと運動量があって、でも淡泊ではなく足腰に粘り強さを感じるタイプ。相対するDFは嫌だろうな、と。V・ファーレンの方では上にも書いたけど、FWの有光。低い姿勢から仕掛けるドリブルには魅力を感じた。彼をウイングとかで使えるようになればもっと面白くなるのかもしれない。長崎の10番の川崎は、悪くはないけど、ちょっとボールの失い方が不用意に見えたかな。

あと、「お、町田の監督は若くてスーツ姿がけっこう格好いいな」とか思いながら観てたんだけど、前半の途中でゼルビアの監督が相馬さんなのを思い出した(笑)。
 

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コメント

ヱビスの黒生です。
あちらではお世話になってます。こちらでは初めまして。

その江戸陸でやった2000年のナビスコ2回戦には確かカズが出ていたような。
当時は「カズを江戸陸で観ちゃったよ!」なんてやたら騒いでました(^-^;

懐かしい江戸陸ですけど、もうあそこで東京のゲームは観たくないですね。
そうならないように絶対残留しなければ。

どうもです。

出てましたねえ、カズ。当時は京都に移籍して2年目でしたか、まだ「ヴェルディのカズ」の印象が強かったのと、こちらが全然J1慣れしてなかったのとで、「こんなところでこんな人に会うとは!」って感じでしたよね。

江戸陸、たまにはノスタルジックな雰囲気も含めて悪くないですけど、やっぱり陸上競技場だからサッカー自体は見づらいです。東京の試合はもういいかなあ。

西が丘ではちょっと観てみたいですが(J2に落ちていいとかいうことではなく)、もうお客さんが入りきらないですね、あそこでは(笑)。

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