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2010年03月03日

●うまねん的2010開幕プレビュー(前編)

ということで、2010年のJリーグ開幕までいよいよあと3日に迫った水曜日である。たまには、というか少なくとも今シーズンは二度とないかもしれないけど(笑)、ここらでひとつ試合のプレビューでも書いてみようかと。今回は前編として、対戦相手である横浜Fマリノスにスポットライトを当てる形で見どころを並べてみよう。
 
 
【1】10年ぶりの開幕横浜戦

横浜Fマリノスは、2部時代からのFC東京ファンにとっては様々なエピソードを思い出す対戦相手である。たとえば1999年のナビスコカップ準々決勝1stレグ。アウェイの地で東京がJ1の強豪たる横浜を3-0と蹴散らした試合は鮮烈だった。ホーム側スタンドを静まりかえらせる電光石火のゴールラッシュ。カブ、コバ、カブ!!東京は続く2ndレグでも0-2と持ちこたえ、J2チームながら見事準決勝進出の快挙を成し遂げたのだった。

そしてその翌年。J1に昇格した東京が初戦で当たったのもまた横浜だった。巨大な横浜国際総合競技場、暗闇に花火がドカンと光る派手な開幕セレモニー。しかしゴージャス(笑)な雰囲気にもひるまず東京は大健闘を見せる。さすがにボール支配では劣ったものの、土肥・サンドロ・小峯・藤山・浅利らDF陣が粘り強く食らいつき、アマラオ・ツゥット・由紀彦らが逆襲の牙をむく。そして85分、アマが獲得したPKをツゥットが決めて1−0の勝利!

この勝利は大きかった。当時の横浜は東京から見ると「いかにもJ1」なビッグクラブで、そこに通用して勝点3を得たことは1部で戦っていく上で大きな自信になったのである。そのシーズン7位に食い込み一時は首位も争う「東京旋風」のスタート地点は、あの横浜戦にあったのだ。

同じ年国立において再び3−0で横浜に快勝を収め(小池のスーパーゴール!)、対戦のたびに川口能活に愛のこもったコールを飛ばし、02年には現在のエース石川を横浜から獲得。だが03年には東京の主力だった由紀彦が横浜に移籍し、岡田監督の下でFマリノスはリーグ連覇を飾る。05年には4−0の大勝があり、しかし06年には3連敗、07年には豪雨の味スタで4失点の大敗を喫したこともあった。ここ2年ほどはほぼ互角の戦いと言ってよいだろうか。

まあ、特に最近のファンにとっては、他のチームに比べて横浜Fマリノスが特別ということはないのかもしれない。でも、そうした戦いの歴史を頭の片隅にちょっとだけでも置いておくと6日の試合がより楽しめるのではないかな、と思わないでもない。
 
 
【2】中村俊輔Jリーグ復帰

中村の復帰は間違いなく今季Jリーグ最大のトピックの一つだろう。スペインへの移籍は正直失敗だったと思うのだが、半年で軌道修正したのは真っ当な決断だし、Jリーグの活性化にとっては好ましいことに違いない。日本代表にとってはどうなのかよくわからんけども(笑)

中村という選手個人とFC東京の間にも、ささやかな因縁がある。例の「部活サッカー」なる東京の代名詞(?)の由来は、確か彼の発言によるものなのである。00年の開幕戦、東京の大熊監督が中村の左足を封じるために講じた策は”ペルー”小池のスッポンマンマークだった。小池は90分間中村にはり付き続け、後で聞いた話によると中村がプレーするたびに「君、上手いね〜」「名前なんていうの?」などとつぶやいてたとか。そりゃイヤだよな(笑)。

で、試合後に俊輔がインタビューで思わず口に出したのが「あんな部活みたいなサッカーに負けたくなかった」だっけか。スポーツ紙に載ったこの発言を見たときには「うんその通りだよな」、じゃなかった(笑)、「ナメやがって〜調子こいてんじゃないぞ〜」と思ったものである。「これからも泥臭いサッカーの威力見せてやるぜえ〜!」みたいな。今にして考えてみれば、そうしてこちらの気持ちを盛り上げてくれた彼には感謝すべきなのかもしれないけど。

ま、営業的な話だけでなく、彼のプレー見てみたいよね。やっぱり。出てほしいねえ。
 
 
【3】木村和司監督就任

最後に、これ。個人的にはこれが一番大きかったりする。僕が小学生の頃、日本代表(森ジャパン)の、というより日本サッカーの「10番」といえば木村さんだった。小柄な体で、攻撃的なテクニシャンで、フリーキックの名手で……僕にとって彼はサッカーの楽しさを教えてくれたある種の「原型」なんである。木村の前に木村なし、木村の後に木村なし。だから僕は日産ファンだったし、Jリーグ開幕後も短い期間ではあったけれど大いに楽しませてもらったのだ。

そんな木村さんも94年に引退して、解説者になって以後はまあ何というか……正直あの解説ぶりはいかんよなあ(笑)。最近のファンにとって木村和司というのは「「感じてないですね〜」とかつぶやいてばかりの無愛想なオッサン」ではなかろうか?まあ、かといって監督業は全然向いてなさそうだしなあ(S級は前から持ってるけど)、という。だから、ファンとしてはそのままフェイドアウトしていく感じが残念だったというか、一方でホッとしたというか……。

そんな状況での突然の監督就任である。驚いた。つーか、「どうなるんだろう」という興味と「大丈夫か?」という心配とが半々というか。実は今回、他人事ながらそんな風にドキドキで迎える開幕戦だったりするのである。良くも悪くもトンデモないものが見れたりしちゃったりして、ね。
 
 
後編に続く)
 

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