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2009年09月23日

●タコスと、ピザと、アートの日


9月21日(月)

10時頃起床。だんだんこの辺に起きるリズムが身についてきてしまっている気がして、木曜日の朝にいつも通り起きられるかどうかが怖い。カーテンを開けてみたら、昨日とはうって変わって薄暗い曇り空。MLBマリナーズ×ヤンキースの中継を横目に観ながら、カゴメの「ラブレ」と食パン2枚、クリームチーズで朝食を済ませる。この日は珍しくイチローも松井も無安打で、現地に駆けつけた日本人ファンは貧乏くじ引いた気分だろう。掃除機をかけてから、外出。
 
 

既に12時を回っていたので、まずは腹ごしらえということで大崎駅前のフットニックで昼食。フットニックは恵比寿店の穴倉的な雰囲気も捨てがたいが、昼間であれば開放感のある大崎店の方がキモチイイ。欧州CLのベジクタシュ×マンUを観ながら、ハイネケンとチキンタコスをいただく。タコス、スパイシーで香草が効いてて鶏肉がゴロゴロで、美味い。ただ、具だくさんすぎて皮から具が溢れ、やや食べづらいのが難点かな。上手な食べ方、誰かおせーて。

 

食後、山手線で品川へ。駅前の京浜ホテル跡は1月に通った時(あの時もフットニック経由で、大崎店の雰囲気について同じような感想を書いているのに今気づいた)は破産直後で組合の旗がベタベタ貼られて「自主営業」していたのだが、9ヶ月後の今回はベニヤ板が打ち付けられて封鎖状態になっていた。なんというか、この建物のせいで駅の高輪口側が陰惨な雰囲気になってしまっているようでもある。いずれにせよ壊してしまった方が良さそうに思える。
 

第一京浜から八ツ山橋を右折し、御殿山交番前で左折して原美術館に到着。「原美術館コレクション展」を観る。「世界各国の現代美術を集めた約1,000点のコレクションの中から選んだ約28点を紹介」しているのだそうな。1,000点か……「ネオテニー・ジャパン」展を観た時にも思ったけど、ゼロ年代の現代美術に関しては公立美術館(豊田市美術館を除く)より個人の有力コレクターの方がはるかにきちんと押さえている現状って、どうなんだろうか。

展覧会は、まあたいていのコンテンポラリー・アート展がそうであるように、玉石混合な感じ。ありきたりのものも結構あって、エルネスト・ネトの『What Are We Doing』は「ネト作品の中でなぜこれをわざわざ入手したのか」と不思議に思えた。良かったのは、子供たちのピンボケ白黒写真(1930年代のユダヤ人学校のクラス写真らしい)が不吉な予感をかき立てるボルタンスキー『プリム祭』かな。あと、案内嬢の肢体が延々と続くやなぎみわの写真とか。

前にも書いたようにここは恒久展示が優れていて、レイノー『ゼロの空間』、宮島達男『時の連鎖』は今回も堪能。今まで存在に気づかなかった奈良美智『My Drawing Room』も観ることができた。そういや、建物の前の庭にキース・ソニアという作家の作品(上の写真参照)が置いてあって、公衆電話とブラウン管テレビをアルミの管でくっつけたものなんだけど、電話が懐かしのピンク電話なのね。10円玉を入れてみたら受話器から音がした。使えるらしい(笑)。
 
 

山手線で目黒に出て、徒歩10分程の庭園美術館へ。刺繍を用いた作品を集めた「ステッチ・バイ・ステッチ」展。刺繍自体にはあまり興味がないので、とにかく表現としてトンガッたものを探す。面白かったのは奥村綱雄の作品で、小さな布にビッシリと超細かい点描のような模様が縫いつけられていて、ほとんど狂気の領域。夜警の仕事中に内職したそうな(笑)。あとは手塚愛子の堂々たる大型作品と、女性の肌の美しさを刺繍で際だたせる清川あさみもグー。
 
 

目黒駅の脇を通過してガーデンプレイスまで歩く。最近は2駅くらいなら疲れてる時以外は電車を使わないように心がけていて、だいぶ足が鍛えられてきたのか、昨日の大久保~中野でもそうだったように「あ、ここは歩いてもこんなに近かったのか」と感じることが多いような。



写真美術館で「コレクション展「旅」 第2部「異郷へ 写真家たちのセンチメンタル・ジャーニー」」展「北島敬三 1975-1991」展、そして「心の眼 稲越功一の写真」展。個々の展覧会の質は決して低くはなく、北島敬三の鮮烈さも稲越功一の素直な目線も、なかなか見ごたえがあったように思う。ただ、たまたまこの時期は重なっちゃったのか、モノクロで「自然体」の作品が続くせいで、外目には全体的に地味と映ってしまいそうなのがちと心配。

この美術館は1階(恵比寿側)と2階(目黒側)に出入口があるのだが、2階の入口脇に2016年オリンピックに対する東京都の「立候補ファイル」が展示してあった。風呂敷に包んであるので、一見すると弁当箱のように見える……というのはいくら何でも嘘だけど(笑)。開催地決定まであと11日、か。正直なところ個人的にはあまり賛同も共感もできない招致活動ではあるけれど、その帰結には興味を持たざるをえないところ。一体全体、どうなってしまうのか。
 
 

渋谷経由でカミさんの実家に寄って、コーギー犬のアルバート君に会ってからカミさんと一緒に帰宅。夕食はドミノ・ピザのデリバリーで、「ご当地満喫!クワトロ・ウォーカー」。このピザはドミノと関西・東海・福岡・北海道の「Walker」誌とのコラボ企画だそうで、「北海道産秋鮭ピザ」と「はかた地どりの柚子こしょうピザ」「名古屋コーチンの赤みそ仕立て」「神戸長田ぎゅうすじぼっかけピザ」の4種から成っている。青ネギののっているピザってのも珍しいよな。

で、結論から言うと、相当に美味かった、これ。10月下旬まで売っているらしいので、もう一度食べてもいいかなと思うくらい。特に「牛すじ」と「柚子こしょう」が良かった。前者は甘辛さがビールにピッタリだし、後者は爽やかな風味があってマッシュルームの味も良く出ている。つけ合わせのポップコーン・シュリンプもイケていて、夫婦ともどもビールと途中から開けた白ワインがじゃんじゃん進んじゃって……食後は速攻でバタンキュー、である。休日の幸せ。
 

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