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2007年07月06日

●いやあ、ビックリした (U20W杯グループリーグ)

いやあ、ビックリした。U20W杯の日本代表の戦いぶりには。

吉田監督率いるこの代表はアジアユース準優勝という実績こそあるものの、ツーロン国際大会ではグループリーグで敗退するなどパフォーマンスに不安定さがつきまとうチームで、今回もどちらかと言えば期待より不安の方が大きかったように思う。それが、大目標の大会でこれだけの内容と結果(なんと2連勝でグループリーグ突破!)を残すとは。正直予想外だった。メンツはともかく、チームとしてのレベルは前回・前々回に比べ桁違いとさえ思える。


スコットランド戦。巧緻性と俊敏さの青い波が「でかくて強い」スコットランドを呑み込む。ダイレクトパス・ショートパスを中心に織り上げられた、テンポに満ち溢れたパス攻撃は「これぞ日本サッカー」というべきものだった。デカモリシの身体を張ったゴールと梅崎・青山のミドルで計3点。得点後にはおバカっぷり炸裂の「ウェズレイズ・ブート・キャンプ」(笑)も飛び出して、終始ノリノリのまま快勝。世界大会で欧州勢をこれだけ圧倒したのは、もしかしたら初めてでは。

コスタリカ戦。こいつは初戦より手強かった。速いプレスとサイド攻撃に押し込まれ、前半はほとんどチャンスを作れず。しかし、ここで元々の特長であるしぶとさを発揮してDF陣が粘りの守備で耐え、後半ペースをつかむ。67分に鮮やかなパス交換から梅崎のクロスに田中亜土夢が飛び込んでゲット。終盤のピンチも林のビッグセーブ等でしのいで勝ち点3をもぎとった。ノリだけではないことの証明、か。「抜刀」パフォーマンスは前回に比べれば地味だったかな(笑)。

 
なんつーか、アジアユースの時にもサウジアラビア戦韓国戦の戦いぶりには感心したものだが、そのしぶとさ・図太さに組織の熟成と伸び盛りの個人能力が追いついてきて、レベルの高いところでバランスがとれている感じである。これは、ほぼ同じメンバーによる継続的強化と、多くのメンバーがJリーグでコンスタントに出場できていることの賜物だろう。吉田監督も、外見は地味だけど(失礼)実に良い仕事をしていると思う。

特にスコットランド戦で受けた衝撃と言ったら……プレー一つ一つに満ちあふれる自信と落ち着き。個々の局面で見せるさりげなく高い技術。絶え間ないフリーランニングとフォローの動き。序盤、相手CKからのこぼれ球を慌ててクリアせず、正確につないだ場面でうならされた。正確なポストプレーとテンポ良いダイレクトパスの連発にシビレた。そして、梅崎や柏木や安田のフレア溢れる仕掛けにヤラレた。いやホントに、実に楽しいチームになったものだ。


まあ、もしかしたら褒めすぎなのかもしれない。お調子者の常として、そしてこのチームがしばしば見せてきたように、一旦つまずくとガクッと(悪い意味で)別のチームに変容してしまう可能性は大いにあるだろう。また、もしかして調子のピークがちょっと早く来すぎているのかな、という心配もなくはない。それでも、そんな懸念を吹き飛ばして、この愉快なヤツらには是非とも決勝トーナメントでも快進撃を見せてほしいと願わずにはいられない。

だって、あの(というか新作の)ゴールパフォーマンスをブラジルとかアルゼンチンとかスペイン相手にかましたら、そりゃ最高ではないですかっ!!優勝しちゃえ、優勝(そんな甘いもんじゃないんだろうけどさ)。あと、ついでに言うと、ここで大きな経験と自信を得ることで彼らの中から「飛び級」でA代表、ひいては南アフリカへジャンプする選手が出てきたらいいな、と思うのだ。なにしろ、北京オリンピックは出られるかどうかわからんからね(笑)。
 

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