« カズとナオでお得感2倍!2倍!(横浜FC×FC東京) | メイン | 劇的な王手 (湘南ベルマーレ×FC東京) »

2011年10月31日

●モヤモヤ解消はまた再来年 (FC東京×東京ヴェルディ)


FC東京 1-1 東京ヴェルディ (J2第33節 味の素スタジアム)
 
 
2位鳥栖とアウェイで引き分けた後、国立で大分にまさかの敗戦。星勘定的にも重要な一戦となった東京ダービーは、曇り空の味スタで3万6千の観衆とともに観戦した。
 
 
序盤からピッチの各所でボール争奪戦が繰り広げられた。ヴェルディは全体をコンパクトに保ちつつ、巻・阿部の2トップを先頭にファウルも辞さぬ激しさでボールにアタックしてくる。対する東京は後方で回して時間を作り、高いDFラインの裏を狙う長いボールを織り交ぜながら機会をうかがう。5分、FKから東京ゴール前で混戦となるが、森重が辛うじてボールをかき出した。7分、森重の絶妙のアーリークロスをルーカスが頭で叩くも、ボールは際どくポスト左に外れ。

14分、バックパスに対して権田と森重がお見合いのような形になり、ヴェルディFWに詰め寄られてヒヤリ。19分、徳永をかわした阿部が左サイドをえぐってクロス、逆サイドから走り込む中谷が合わせる寸前に椋原がクリアした。全体的にヴェルディのプレスが強く、東京のパス回しにテンポが出ない。21分、谷澤が個人技で右サイドを抜け、オーバーラップの徳永が逆サイドへクロスを送った場面も、強引に狙った田邉のボレーはバーのはるか上を越えていった。

その後はタイトな膠着状態がしばらく続いた。33分、右のスペースからフワリとDFをかわして切り込んだ田邉のシュートはGK柴崎がキャッチ。39分には田邉がボックス左手前でFKを獲得。谷澤のクロスを森重がバイシクル気味にシュートしたが、DFに当たって決まらず。逆に41分、自陣ボックス前で処理をまごついた梶山がボールを奪われるピンチ。高橋のクロスは逆サイドに抜けて命拾いした。

そして追加タイム。相手陣で倒された谷澤が早いリスタートで左サイドに展開し、田邉がインスイングのクロス。これをCBの間に走り込んだルーカスが頭で合わせ、弧を描くヘッダーは柴崎の手を弾いてインゴールへ。谷澤らしい相手の隙を突く好判断と、田邉・ルーコンの無駄のない好プレー。良い得点である。1-0。その直後、今度はヴェルディがボックス手前でFKを獲得し、菊岡のシュートが権田の頭上を抜くもバーに当たって決まらず。1点リードでハーフタイム。
 
 
後半、ヴェルディは頭から菊岡→河野の交代を行う。開始直後、谷澤が倒されながらCBの間へパスを通し、走り込む田邉がダイレクトで狙ったが柴崎の正面。48分、左サイドのつなぎからDFの隙間へスルッと入った中谷がミドルシュートを撃つがポスト右に外れた。しばらくは前半と同様に締まった雰囲気の攻防が続く。52分、ドリブルで仕掛けた羽生が、ボックス内で倒されるもノーファウル。54分には右から中へ切れ込む谷澤のシュートを柴崎がキャッチした。

ビハインドを覆したいヴェルディは57分、中谷に替えてマラニョンを投入し前がかりに。そしてその直後、森の仕掛けから右CK。ニアへの低く速いクロスに対して土屋と森重が競り合い、森重の足に当たって方向の変わったボールが右隅にゴールイン。森重のオウンゴールは残念だが、他のDFも棒立ちだったな。1-1。64分にはマラニョンがドリブルでボックスへ突入して倒れたが、これはダイブの判定。

後半中頃になると、両チーム疲れが一気に出たか足が止まり、中盤が空いて「行ったり来たり」の展開となった。特に東京は速攻を仕掛けたい場面でもアタッカーの人数が足りず、羽生が足をもつれさせる場面も。65分、田邉OUT石川IN。66分、左サイド椋原が速いクロスを入れ、ニアで羽生が合わせたが柴崎がキャッチした。72分、右CKを高橋が落とし、ファーで待つ今野がシュートするも柴崎がブロック。73分には高橋の鋭いミドルシュートがポスト左を抜ける。

74分、ワンツーで左サイドを突破した和田のクロスがFWに合いかけ、今野がきわどくクリア。押し込まれているという程ではないが失点の危険は高まっているようにも見え、思わず「はよ動かんかい、熊」と心の中で毒づく(笑)。と、78分、羽生→坂田の交代。坂田をセザーより優先させたのは意外だった。79分、攻め込んだところで石川がボールを失い、逆襲から河野のドリブルシュートがポスト右を抜ける。80分には椋原のクロスに坂田が合わせるが、枠外。

残り時間はなくなっていく。85分、石川が快足を飛ばしてクロスを入れ、ルーカスが頭で合わせるもDFに当たって枠外へ。86分、ようやくセザー登場。直後の87分、速攻で坂田から左のセザーへ展開、逆サイドへの折り返しをフリーの石川がシュートする大好機。「決まった!」と思ったが、柴崎のビッグセーブに防がれた。うー。追加タイムにはヴェルディが直接FKのチャンスを得るも、林のシュートはバーの上。結局、双方ヘトヘトのドローに終わってしまった。
 
 

何とも煮え切らないというか、モヤモヤが残ったというか。

シュート数は15対5。途中まで締まった雰囲気だったこともあってそれほど一方的な展開には感じられなかった。が、東京にしてみればここ2試合勝利を逃していることもあり、やはり勝っておきたい、あるいは勝つべき試合ではあった。時折見られた凡ミスや後半途中からのパフォーマンスの悪さは5連戦の疲労が理由だと思うけれど、ダービーへの期待を膨らましていたファンからすれば期待外れだったのだろう。試合後には一部からブーイングも聞こえてきた。

残念だったのは、後半途中から疲労でチーム全体の運動量が落ちていたのに、交代が遅れ気味になったこと。65分の田邉→石川はいいとして、ガス欠に見えた羽生が代わったのが78分、セザー投入に至っては残り5分を切ってからだ。シュート数の差に表れているように悪くない流れだったので迷ったのかもしれないが、味スタでのホームゲーム、まして大観衆を集めたダービーともなれば、もっと果敢に勝ちをもぎ取りに行ってほしいと僕は思った。ねえ大熊さん。

試合の途中までは「こりゃGWのダービーに比べれば(両チームとも)ずっとマシだな」なんて思って観てたんだけど、終わってみればやっぱりモヤモヤが残ったという。ヴェルディとは来年は一緒のリーグでやれそうにないから、今年のうちに勝っておきたかったのにな。と、悔し紛れなのか余裕なのかよくわからないコメントは残しておこう(笑)。

個々の選手では、不出来の目立ったのが何人か。まずは椋原。守備に回った時に森に押され気味だったし、パスミスも多かった。あと今野もいつもの頼もしさがなく危なっかしいプレーが多かったような。梶山は「ダメな方」の日だったように見えた。森重は決して悪くなかったんだけど、オウンゴールがやや残念。出来が比較的良かったのはルーカス、羽生、田邉、谷澤か。谷澤以外は途中交代した選手。だからこそ交代が遅れたという見方もできるのだろうが……。

ということで、残り5試合。幸い2位の鳥栖は引き分けてくれたのだけれど、札幌・徳島が勝ったので4位との勝点差は「7」まで縮まった。まあ、とにかく慌てず勝点を積み重ねていくしかない。次の湘南戦は梶山・高橋の両ボランチが出場停止で、今野と権田も代表に拠出しなければならないかもしれないとのこと。いよいよ総力戦であり、監督の腕の見せ所ということになるのだろう。頑張ってや〜。
 
 
[追記]

本文に一旦「負けてくれた」と書いちゃった(後で直した)けど、鳥栖は引き分けだったのね。岐阜が2点リードしている途中経過を見た時点で脳内で負けたことになっていた(笑)。トヨグバがハットトリックか……どうもすいませんでした。
 

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://umanen.org/mt/mt-tb.cgi/2705

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)