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2011年09月11日

●むっくん砲に萌え萌えだぜ (FC東京×京都サンガ)


FC東京 6-1 京都サンガF.C. (J2第27節 味の素スタジアム)
 
 
栃木・富山・栃木に1分2敗と、首位に踏みとどまるか失速するかの分かれ目的な状況で迎えたひと月ぶりの味スタ開催。まだ蒸し暑さの残るスタンドで観戦した。

キックオフからしばらくは、どちらかと言えば京都優勢で試合が進んだ。京都はラインを高く保って前目からプレスをかける積極性を見せ、東京はボランチからのパス出しを度々カットされてしまう。ならばと前線を直接狙う長めのパスも収まらず、なかなか前に進めない。10分、京都はショートカウンターから森下のスルーパスで宮吉がゴール前に飛びだし、塩田の脇を抜いてあっさりと先制点をゲット。0-1。

反撃したい東京だが、しばし攻めあぐむ時間が続く。選手間の距離が遠すぎたり、逆に集まりすぎてスペースを失ったり……暑さのせいもあるのかパスのテンポも緩急がなく間延びしがちで、京都の方が真っ直ぐゴールに向かっている印象だった。18分、右サイドを突破した徳永のクロスにルーカスが走り込むも、寸前でDFがカット。24分、伊藤の糸を引くような強いミドルシュートを塩田が弾き出す。

唐突な同点ゴールは30分。梶山のパスで右サイドに回り込んだ田邉が速いクロス、ルーカスがDFと競りながら叩きつけたヘッダーは大きく弾み、うまいことGK水谷の届かない弾道を描いてゴールイン。1-1。ラッキーにも見えた得点だが、これでようやく東京の攻撃エンジンがかかる。33分、田邉のドリブル突破からのこぼれ球を羽生が渾身のボレーで叩き、強烈なボールを水谷が反応鋭く弾き出した。

そして35分。中央でキープした田邉をこの日左SBに入った椋原が猛然と追い越し、すかさず出たパスで左サイドを抜ける。椋原は切り返しでDFを外して迷わず右足を一閃!撃ち出されたボールは30mほどの距離を飛び、横っ跳びの水谷も届かずゴール右隅に吸い込まれていった。スッゲー!!弾丸ライナーではなく、長い滞空時間できれいな弧を描くロングシュート。蹴ってから決まるまでの間にすごくワクワクした。2-1。

ラスト10分も田邉のボールタッチから幾つかいい展開があり、椋原も調子づいて度々オーバーラップ。若手好きには「ヒャッホー!」のムードで前半終了となった。
 
 
後半、京都はドゥトラを投入して反撃を図る。が、開始直後の46分に東京の右CK、谷澤のクロスにフリーで躍り込んだ森重のヘッダーがゴールネットを揺らして3-1。盛り上がる東京側スタンド。いい雰囲気だ。50分にはゴール前で京都の波状攻撃となり、伊藤のシュートのはね返りをさらに駒井がシュートするも、ポスト右を抜けた。余裕の出た東京は個人技で相手をいなす場面も目立つように。

56分、ボックス前で森重の長いグラウンダーパスを受けたルーカスが左右へのフェイントでDFをかわして左足で狙いすましたシュートを撃ち、ゴール左上に決まって4-1。なんかもう「撃てば入る」という感じである。ところが58分、流れるようなカウンター攻撃からラストパスを受けた谷澤のシュートはサイドネットに外れてしまう。ここら辺はさすがの芸風というべきか。一方の京都は前がかりになろうとして果たせず、かえって守備だけがユルユルになった感じ。

その後も東京は攻撃の手を緩めない。椋原は相変わらず果敢な攻撃参加を見せ、しかしシュートはふかしまくって2点目はならず(笑)。66分、左サイドから椋原がえぐり込んでニアの谷澤に折り返すも、DFがカット。71分、羽生OUTで石川IN。対する京都も内藤・アライールを入れるが流れは変わらない。74分、左から切れ込んだ石川のミドルシュートを水谷が弾き、谷澤が詰めるも押し込めず。

80分、梶山から絶妙のスルーパス、CBの間を谷澤が割ったがシュート寸前に倒されてしまう。ノーホイッスルに両手を上げて抗議する谷澤……って、毎試合この光景を見ているような気がするな(笑)。84分、谷澤のスルーパスで抜けかけた石川をアライールが後ろから倒し、やや厳しい一発退場の判定。そしてこのFKをルーカスが鮮やかに左隅に決めてまたゴール。つーか、ハットトリックっすか!5-1。

ここまででもうお腹一杯の内容だったのだが、さらに追加タイム、石川が後方の浮き球に反応してオフサイドギリギリで前に飛び出す。石川は一気に駆け上がって右サイドからボックスへ入り、GKとDFを引きつけたところで逆サイドへパス。これを途中出場の坂田がやや足をもつれさせながら押し込んだ。なんと6-1である。文句のつけようのないスコアで試合終了。
 
 
大笑いの試合だった。鬱憤がたまっていたところでそれを晴らすような大勝、という形は5月のアウェイ同カードと全く一緒。今季の京都とはよほど相性が良いと見える。

前半途中までは、決して褒められる内容ではなかった。全体的に動きが少なく、低めの位置からはつなごうとしてつなげず、ならばと前線を狙う縦パスも雑で効果は薄かった。「前目からプレスをかけられた時の(特にボランチ周りにおける)対処」という課題はクリアされたわけではない。1点目は正直ラッキーだったし、その後は京都の自滅的な守備のユルさと個人能力の差に助けられた感じだった。

まあ、それでも、当たり前のことながら、ホームで5点差の圧勝はめでたいな、と。同点に追いついてからは個々の選手が伸び伸びと自分らしさを出せて、今年の東京の長所が発揮できた。後半、前に出る相手の背後をきちんと突けたのも良かった。この勝利を機にまた良い波に乗れればいいな、と思う。ちなみに今シーズン味スタでは7勝3分け(5連勝!)の負けなし。昨年の惨状に比べれば雲泥の差である。

MVPは田邉草民。視野の広さと技術を生かして幾度も良い攻撃を作ってくれた。本当に、草民が気分良くプレーできるかどうかで攻撃の質が全然違うんだよな。もう1人の攻撃的MFの谷澤がやや器用貧乏なタイプなので、変化をつける意味でも彼の存在は大きい。次点は椋原か。元々右足クロスが得意技の選手だし、慣れない左SBで大丈夫かと思ったけど、まさかのオーバーラップ連発にむっくん砲炸裂。この日はスタンドに彼女でも来てたのだろうか?萌えたぜ。

……と、ここまで書いて気づいたのだが、ルーカスを忘れてた(笑)。3得点は文句なしに勝利の立役者だ。やっぱルーカスがMVP!いや、まさかもう一度ルーコンのハットトリックを目にすることができるとは思わなんだ。確か2004年のナビスコ杯準決勝以来だよな。7年ぶりか……。

他の選手では、今野は代表帰りで体力的にもキツかったと思うのだが、盤石の出来だった。素晴らしい。森重も負傷をおして頑張ってくれた。羽生と徳永はちょっと大人しかった印象だけど、余裕のプレーをしてくれたのかな。ボランチコンビはいつも通りの出来か。塩田はフィードがキックもスローも精度がかなり低いように見えたのだが。石川は久しぶりに「らしい」プレーを生で見たような気がする。

あと、坂田ね。ボールを触る機会が少なくて、髪が短くなってたこともあって点を決めるまで入ったのにも気がつかなかったんだけど(笑)、とにかく初得点はお見事。サンキュー坂田!
 
 
[付記]

しかし、青赤のユニフォームを着ている坂田がゴールして喜ぶ姿を見るのは、個人的に大変感慨が深かった。谷澤にしろ坂田にしろ近県のライバルチームにいる「くせ者」で、いい選手なのは認めながらも「こいつにやられたらムカつくなー」とずっと思い続けてきた存在だったから。我が家で「しゃくれ」とか「アホの坂田」とか呼んでたのは内緒である(笑)。いや、ホント来てくれて嬉しいよ。
 

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コメント

8/13以来の観戦で勝ち点3(笑)

お互い持ってますか?何て言ってるうちにコンサドール来ましたよ~

順位表を見たら最終戦の相手が2位で、ホーム最終戦の相手が3位なんですよねえ。

最終戦はもう札幌に行く気満々ですが。早めの行動で安くいかないと。

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