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2011年08月14日

●ガマン比べは、東京の勝ち(FC東京×ザスパ草津)


FC東京 1−0 ザスパ草津 (J2第24節 味の素スタジアム)
 
 
東京8月唯一のホームゲームは、前回正田醤油スタジアムで敗れているザスパとの対戦。蒸し暑さの残るお盆の夕べ、味スタで生観戦した。

開始直後、森重の背後をとって快走したアレックスのシュートを塩田が弾き出す。草津はFWもフォアチェックに意欲を見せ、意外と積極的な印象だった。だが、森重・今野らが落ち着いたパス回しでプレスをいなすと、すぐに東京がボールを支配するように。5分、田邉→梶山→ゴール前の羽生へ縦につながるが、オフサイド。その直後にはセザーの強引なドリブルシュートがポスト右を抜けた。

主導権を奪われた草津は無理せず、引いて守りを固める形に。東京ファンにとっては最近見慣れた「ハーフコートゲーム」となった。14分、攻撃参加した徳永の丁寧な折り返しがボックス内の梶山に通るが、トラップ失敗で逸機。17分、ポストに入った羽生とのワンツーから田邉がミドルシュート、GK北がキャッチした。分厚い守備に気温の高さも加わっていつも以上のスローペースだが、動き自体は悪くない。草津の数少ないカウンターも森重・今野がシャットアウト。

23分、ボックス手前でセザーが獲得したFK、左隅を狙う森重のシュートを北が横っ跳びで弾き出す。これもあと一歩。だが、さすがに30度を超える暑さはきつい。30分頃からは東京の攻撃がさらにまったりし(逆に言えば草津がよく我慢して)、やや膠着状態に。37分には右FKから谷澤のクロス、森重が頭で叩きつけるも枠には飛ばず。結局、0-0で前半終了。終了直前には高橋とアレックスが絡んで興奮するなど、神経戦の様相も呈し始めた。
 
 
後半立ち上がりは草津が意欲的な攻撃を見せ、クロスを北斗がゴール方向へクリアする危ない場面も。しかし、その直後にセザーが松下を振り切ってドリブルシュート。すぐに東京がペースを奪い返した。53分、再びセザーがハーフウェー付近からDFをかわしつつ突進、シュートはきわどくポスト左を抜けた。惜しい!59分にも谷澤のラストパスからセザーがシュートしたが、北に防がれる。たくさん撃ってはいるのだが……この日はセザーがヤザー病ってか。

61分、羽生が虚を突く飛び出しを見せてから波状攻撃となり、最後はボックス内で谷澤が倒れるも、ダイブの判定で谷澤にイエローカード。つーか、いくら何でもわざとらしすぎだろ、という感じだった。65分にはボックス正面で田邉が倒されてFK。森重が今度は右隅を狙ったが、ポスト直撃で決まらず。あと一押しがほしい東京は田邉に替えて石川を投入。スタンドの声援も一段増し、攻勢が強まっていく。

そして67分。DFのギャップを狙ってスタートを切る谷澤目がけて北斗がミニパント。きれいに抜けてボックス内でしっかり収めた谷澤がゴールへ向かおうとしたところ、DFに後ろから腕を引っかけられ、今度こそ正真正銘のPK。満面の笑みで味方とハイタッチをかわす谷澤。曲者め(笑)。これをセザーが左隅に強く蹴り込んで東京先制。谷澤はこないだ譲ってもらったから、そりゃ今回はセザーだよな。1−0。

そこからは東京が延々回しながら時間を使っていく。71分、右CKが逆サイドに抜けたところを今野が詰めたが、左ポストを直撃。72分、オーバーラップの高橋の折り返しを谷澤がシュートするも、北が押さえる。草津は次々新しいアタッカーを入れるが形勢は変わらず、東京もセザー→ルーコン、羽生→達也と入れ替える。終了間際にはカウンター攻撃で石川のシュートを北が弾き、ルーコンが押し込むか、というところで惜しくも合わず。そのまま試合終了となった。
 
 

まあ、雪辱を果たせて良かったな、と。正直J2相手に2試合とも勝てないのはちょっと癪だし、前橋で当たった時とは別のチームであることを示せたかな、と。

試合全体としては、最近のホームで見慣れている展開だった。序盤だけ前に出る相手をいなして、後はべた引きの相手に対してボールを持ち続けてどう崩すか、という90分。ただしこの日は気温も湿度も高く、選手たちにとっては相当に厳しいコンディションだったのではなかろうか。前半の終わり頃は東京も攻めあぐんで、どちらが最後まで冷静に集中力をもってやり続けられるかというある種の「ガマン大会」のようにも見えた。熱湯風呂、というほどではないけれど。

で、結果は、後半半ばにPKで得た1点をほぼ危なげなく守りきっての1-0勝ち。シュートの本数(20本)や先制してからの草津DFのばらけ方を考えればもう1点欲しかったが、きっちり勝ちきったことは素直に嬉しい。前半終了間際にエキサイトする場面もあったのに、後半落ち着いてペースを作り直せたのも良かった。ホント、完敗した前回とは完全に力関係が逆転していた訳だから。「草津にラフィーニャがいたら違ったかもよ」とかそういうことは言わない(笑)。

MVPはロベルト・セザー。PK以外シュートは決まらなかったけど、攻撃が停滞しかけたところで何度も強引な突破からシュートまで持っていって、相手を脅かし続けた貢献は大きい。パスコースを作る動きとかもそれなりにやっているし、東京らしい外国人選手だなと思う。谷澤も良かった。ダイブをとられた後でPKを獲得するあたりはさすがとしか言いようがない。さすがは東京のトリック・スターというか、相手にしてみればあの笑顔のハイタッチは腹立つよなあ。

梶山は、前半はフォローや前線に飛び出す動きが良かった。後半は自重したのかな。田邉はちょっと不安定なんだけど、彼がいないと攻撃が力任せになるんだよね。石川はもう少し長い時間見てみたい。高橋はややミスが多かった印象。羽生は飛び出しからポストプレーから、いつもいつもお疲れ様です。守備陣では、徳永が好調を維持していて頼もしい。今野と塩田は盤石だった。森重は相変わらずちょっと気を抜くことがあるね。北斗は、良くも悪くも北斗というか。

しかし、もの凄い贅沢を言わせてもらうと、なんか下位相手のホームゲームだとだいたい同じような展開で勝てるようになってきて、ちょっとつまらないぞ、と(笑)。逆に言えば、来年もこんな感じだと観てる側としてはちょっとたまらんわけで、今年1年で石にかじりついても昇格しなきゃいけないと改めて思うのだ。とにかくよろしく頼む!来年は辛勝とかでいいから、ぜひJ1で。

(などとナメた事を書いていると、また絶不調になったりしてな。やはり一戦一戦大切に勝点を積み上げていかないと……とフォローしておこう(笑)。)
 

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