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2011年05月29日

●覚醒はなるか (京都×東京テレビ観戦 感想編)

京都サンガ F.C. 1−4 FC東京 (J2第14節)
 
 
つーことで、昨日のツイートまとめに引き続き、試合の感想なぞ。

結果といい内容といい、テレビで観て思わず爆笑した試合だった。J2降格を味わった昨年最終節と同じ対戦相手・会場で、あの苦い記憶を払拭するかのような快勝。内容も前々節までに比べると格段に良化しており、しかもこれまで不遇を託っていた若手が活躍しまくっての4得点。ユルいツッコミどころもかなりあったけれども、少なくとも見た目上は破顔一笑の一戦であった。雨の中わざわざ現地まで足を運んだファン・サポーターは本当に良かったね、という。

まあ、「いや、京都の方がひどすぎたのだ」という意見はあるだろう。この日のサンガは本当に出来が悪かった。攻撃はパスを回せど前になかなか進むことができず、守備に回ると寄せの甘さばかりが目立って東京アタッカーにやりたい放題やられてしまった。おそらく、昨年までの京都がやっていた大駒外国人を生かすサッカーと大木さんの指向とのギャップはかなり大きく、選手たちの戸惑いも大きいのだろう。その混乱と不調ぶりに助けられたのは否めない。

とはいえ、東京のパス攻撃がこれまでの停滞ぶりとは一線を画していたのも事実である。前節に引き続き田邉が潤滑油の役割を果たしながら、5人のアタッカーが流動的に活き活きと仕掛けるサッカー。羽生のフリーランと梶山・田邉のパス交換が鮮やかに組み合わさった1点目。大竹の精密CKに田邉が躍り込んだ2点目。そして、田邉とセザーのエロいパス交換が棒立ちのDFを蹂躙した4点目。どれも「どこにそんな引き出しが?」と目を疑う鮮やかな得点だった。

とりわけ大きいのは、前節から田邉、今節では大竹も加わってボールの預け所(=パスの出所)が増えたことで、梶山が「前向き」になれていることだ。僕は「梶山は前目で使え」論者だが、それはボランチとしてはプレーの信頼性が低いのもあるけど、やはり前に出てこそ彼のトリッキーなプレーが生きると思うからである。つーか、梶山1人に後ろで配球やらせるサッカーの限界はもう明らかだろうと。城福政権後半の硬直性はそこに大きな原因があったと思うし。

なんつーか、田邉が入ってからの東京はムービングフットボールの香りがしているのである。ちょっと古い言い方をするならば、「人もボールも動くサッカー」が部分的にできかけているというか。あくまで相手との力関係次第(何しろ京都は18位に沈んでいるチームだ)とはいえ。

もちろん、上にも書いたように、ツッコミどころも結構あった。特に守備について。梶山が「前向き」になっている裏返しでもあるのだろう、バイタルエリアの守備はかなり甘くなっている印象だ。実質アンカー役の高橋は無難にやってはいたけれど、カバーできる広さも局面の強さもやや物足りない感じ。ボランチに徳永を使いたくなる気持ちもわからなくもないな、と。ノースの使い方次第では今野のボランチ起用もありかな、とか。森重の調子もイマイチっぽいしね。

それと、これから石川やPJといった怪我人が復帰してきた時にどう組み合わせていくか、という問題は出てくるだろう。つーか、平山・高松・ホベルト・米本が大怪我して、その上でまだそういう悩みが発生しうるのだからやっぱり2部にしては潤沢な戦力ではあるよな。あと、そもそもこのサッカーがヨロヨロの京都相手に通用したからといって、千葉や栃木に通用するかどうかという問題もあるが……それはやってみないとわからんので、とりあえず考えない(笑)。

まあ、ともあれ、湘南戦の時も書いたけど、僕は今東京に起こっている変化をポジティヴにとらえたい。「怪我の功名」でも「嘘から出たまこと」でも何でも結構。見込みがなくつまらないやり方を延々繰り返すくらいなら、多少危なっかしくても希望の持てるサッカーにチャレンジして欲しいと思う。選手起用でも戦術でも。それで駄目なら、その時こそ「最後の手段」だべ。
 
 
[追記]
 
などと「今後の注視が必要だ」的な事を書いておきながら、次の愛媛FC戦@駒沢は所用により欠席なのであった。あのスタジアムはかなり好きなこともあって、けっこう残念。
 

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