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2010年05月01日

●早くも(またも)正念場っすか (サンフレッチェ広島×FC東京 テレビ観戦)

サンフレッチェ広島 2−1 FC東京 (J1第9節 広島ビッグアーチ)
 
 
J1第9節は広島には出かけず(お金もないし)、スカパー!でテレビ観戦。

ACL参戦による過密日程で青息吐息の広島に対し、大黒柱の梶山が先発に復帰した東京。序盤は両チームがパスを回して攻め合う展開に。東京は羽生のクロスに平山が頭で合わせ、またショートカウンターから突破したリカルジーニョがあわやのクロスを入れるなど、ゴール前でチャンスを作る。一方の広島は槙野や高柳が積極的にミドルシュート。しかし、徐々にコンディションで上回る東京がペースを握り、梶山の正確な配球から押し込んでいった。

13分、リカの叩きつけるシュートをGK西川がきわどく弾き出す。16分には右サイドから切れ込む石川の強烈なシュートがバーに当たって惜しくも決まらず。広島の選手たちはいかにも体が重そうな感じ。「こりゃ行けるかな」。ところが23分、右サイドの山岸から山崎→左サイドを追い越す服部へきれいにパスがつながる広島のチャンス。折り返しを佐藤寿がヒールで流してDFを外し、詰めていた山岸が押し込んだ。広島らしく、そして山岸らしい得点。0−1。

一発の崩しでやられた格好の東京も反撃。28分、早くも平山OUTで赤嶺IN。30分、右サイドを突破したリカの折り返しに赤嶺が走り込むがシュートはヒットせず。32分、サイド攻撃からセカンドボールを拾った石川が西川の頭上を狙ったループシュートはバーの上。35分、梶山のキープから追い越す羽生へ絶妙のパスが通るも、シュートは西川の正面。41分には左サイドの崩しから山崎がシュートするがこれは東京DFがブロック。1点差でハーフタイムへ。
 
 
後半は東京の攻撃が加速……というより、広島の動きがさらに悪くなった。DFラインは上がらず中盤ではセカンドボールを全く拾えない。東京の波状攻撃が続く。47分、棒立ちの広島DFを尻目にボックス内のこぼれ球に走り込んだ羽生のシュートは決まらず。53分、石川のクロスを赤嶺がボレーで叩くもポスト。そして56分、右のショートコーナーから羽生が左足インスイングのクロス、これを森重が頭で柔らかくゴール右隅に流し込んだ。ナイスヘッダー!1−1。

同点ゴールで勢いに乗る東京。62分にはリカに替えて重松を投入、その重松はいきなりFKで強烈なシュートを枠に飛ばす。これは西川が好捕したものの、勝ち越しゴールも間近に思われた。が、しかし。68分、右サイドで回していた広島の攻撃が突如スピードアップ。ボックス内で李からボールを奪った徳永のクリアがゴール方向に流れたところ、すかさず走り込んだ山岸が折り返し、ゴール正面で待つ山崎がゴール左にゲットした。またも一発の崩しで失点。1−2。

ゴール以上の妙薬はなしというか、これで広島のパス回しに少し余裕が生まれ、逆に「時間切れ」で梶山を交代させざるを得なくなった東京の攻撃は手詰まりに。それでも今野を前に上げ、左右から押し込んで幾度かクロスやシュートを浴びせたものの、鬼の形相の槙野や体を張る西川が立ちはだかった。逆にロスタイムには広島が逆襲から一対一の大チャンスを得るも権田がストップ。結局、23本ものシュートを放ちながら1点に止まった東京は、これで2連敗に。
 
 
前節と同様、いや、前節以上に勝ちたい試合だったし、勝っておくべき試合だった。

相手がヘロヘロ状態の広島とはいえ、東京のサッカーはかなり良くなっていたと思う。復帰した梶山が中盤でタメを作り確実に配球することで羽生をはじめ多くのアタッカーが前に出ることができ、得点の匂いはガンバ戦の前半よりもずっと漂っていた。ただ、そこで1点がなかなか入らないのが今の悪い流れということなのかな、と。だって押し込む時間が長くてかつシュートを23本も撃ったんだから、普通は2〜3点は入るだろう。お祓いか何かが必要なのかも(笑)。

まあ、あえて言うなら、スカパー!の解説者が指摘していた通り、肝心なところで強引過ぎるプレーが目につくのは相変わらずである。サイドから石川や長友の個人技で突破(あるいは平山目がけたクロス)、というばかりではなく、35分の羽生のシュートの場面とか、ああいうテンポの変化やコンビネーションによるチャンスをもっと作らなくてはならないのだろう。でも、今のチームにそれを求めるということは、結局梶山頼みということになるのかな。うーむ……。

個々の選手では、まず羽生の活き活きとした姿が目立った。ボランチもこなせるけど本来は攻撃の選手。チームにとっても、彼のスペースに飛び出す動きはやはり必要だ。梶山は復帰2戦目にしてはしっかりしたプレーぶりだった。でも無理がちと心配。石川も良かった。16分のシュートはバーに当てるだけでも凄い。他の攻撃陣は少々地味だったか。徳永は梶山がいなくなるとやはり攻撃時にちょっと。椋原や今野、森重といった守備陣はおおむね良かったかと。

釈然としないのは平山の交代である。城福監督のコメントを見ると単に出来がイマイチだから外したようだが、だとしてもわざわざ「今日だけのことが、理由ではない」なんて言う必要あるのだろうか?平山はこの試合においてはポストプレーも無難にこなしていたし、シュートも積極的に撃っていた。ここ数試合に比べても決して悪いようには見えなかった。それをこんな目立つ形でベンチに下げちゃって……だったらそもそも先発させた判断がどうなのよ、という。

まあ、とにかく現状「9試合で勝点9、12位」という残念な結果が残っているわけで、どうにもスッキリしないままW杯の中断まで行きそうな気もしてきた。つか、少なくとも次の仙台戦に勝たないと、降格圏で中断へ突入という事態にもなりかねない。逆に、連勝でもすればまだ一気に上位に近づく勝点差でもあるのだが……早くも正念場か。毎年こんな事をしている気が(笑)。

サンフレッチェは、さすがに層が厚くないチームがACLの過密日程をこなすのはキツそうで、後半最初の方の棒立ちぶりは見ていて愕然とするほどであった。それでも勝負所では素晴らしいパスワークで2点を奪ったのはさすが。佐藤寿人や槙野の存在感も見事だけど、この試合については山岸かな。技術や状況判断には難のある選手だが、あのDFの死角から急に現れる動きは魅力的である。さすが爺ちゃん仕込みというか。あ、あと、山崎は良い補強だったね。
 

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