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2009年07月16日

●「日本でいちばん面白いサッカー」 ('09ナビスコ杯準々決勝1stレグ)


昨日の夜は、味の素スタジアムでナビスコカップ準々決勝1stレグ。FC東京 5-1 名古屋グランパス。どういう巡り合わせなのか実現してしまった7月「名古屋3連戦」の第2戦は、タイトル獲得を目指すチームにとって大事な決勝ラウンド第1戦。つい3日前に快勝したばかりの相手との再戦はかえっていやなものに思えたが……試合開始直後から東京が怒濤のゴールラッシュで畳みかけ、予想もできなかったような大勝。準決勝進出へ大きく近づいた。
 
 
キックオフ。前節大敗の名古屋は布陣を大幅に改めてきた。MFは中村が復帰し、FWは玉田に代わって杉本が、左SBは阿部に代わって佐藤が、GKは楢崎に代わって(!)西村が先発。2分、左に流れた杉本からのサイドチェンジを小川が折り返し、今野の裏をとる形でボックス内に突入したダヴィがシュートに持ち込むピンチ。慌てて追いついた今野がブロックして事なきを得る。この場面に限らず序盤は東京の守備がややユルい印象で、不安を抱かせた。

しかし先制点は東京。3分、スローイン一発でカボレが右サイドを抜け、グラウンダーの折り返しをなぜかどフリーの平山が合わせてゲット。心配も束の間、相手の守備はもっとユルかったというオチ(笑)。1-0。その後は名古屋がいつものピッチ幅いっぱいに使ったサイド攻撃で押し込んでくる。サイドチェンジ・クロスの連続に権田が奮闘。6分、今野のパスミスを小川が拾い、DFの間へ走り込むダヴィにラストパス。今野と長友のカバーで何とか防ぐ。

だが、追加点も東京。10分、石川からパスを受けたカボさんが急加速で佐藤を振り切ってボックス内へ、平山を狙うクロスはブロックされたものの、こぼれ球を拾った羽生がつなぎ、米本がミドルシュートをゴール右隅に突き刺した。記念すべき公式戦初得点!2-0。さらに直後の11分、カボレが右コーナーから戻したボールを梶山がヘディングでDFの裏へ送り、走り込んだ石川がゴール左隅にきっちりゲット。DFラインのギャップを見逃さなかった好連携。3-0。

思わぬ一方的展開。14分、平山が左タッチ際からDFを引きづりながらズルズルと前進、ついにはGKまでかわすも、折り返しはカボレに合わず。撃ってもよかったのにぃ。その直後、ダヴィが長友を振り切ってゴール前へ突入した場面は権田がシュートをワンハンドセーブ!18分、梶山のクイックリスタートでカボレがDFライン裏に抜けたが、シュートは大ハズレ(笑)。意気消沈する名古屋は攻撃の連携も悪く、東京のブロック守備にかかってばかりである。

26分、ブルーノのロングフィードで石川が左サイドを突破、フォローした長友が中へ切り込んで右足一閃、弧を描くシュートがゴール右上に吸い込まれた。GK一歩も動けず。ウイイレみたいだ(笑)。4-0。東京はパス練習のように延々と、縦横無尽に回すようになり、33分にはCKの流れから平山のシュートがバーを叩く。名古屋は打つ手がなく、たまに米本がミスした時だけ攻撃になるのだが、後方棒立ち前はバラバラ、という感じ。4点差で前半終了。
 
 
後半、東京はカボレを休ませて赤嶺投入。名古屋は明らかにチームで浮いているダヴィに代えて玉田。両チームの9番が退くのを見て、「2人とも来月は中東にいたら笑えるな」という不謹慎な考えが頭をよぎる(笑)。名古屋はさすがにハーフタイムにピクシー、じゃなかったミスターの雷が落ちたのか(沈黙だったらかえってイヤだろうな……)、4失点後の「ショボーン」とはうって変わり、前目のチェイスで東京のパス回しに圧力をかけ、攻勢に出る。

51分、名古屋がボックス左でFK獲得。玉田のクロスに合わせた増川のボレーシュートを権田が横っ跳びで弾き出し、竹内のシュートはDFがブロック。53分、攻撃参加した田中隼がフェイントで石川をかわしてクロス、徳永に競り勝った小川が頭で叩きつけて決めた。4-1。一旦緩むとなかなか戻りにくいもので、東京は押される時間が続く。58分、赤嶺のミドルシュートはポスト右。61分、杉本とのワンツーでマギヌンがボックスへ突入、DFが群がって抑える。

66分、赤嶺のスルーパスで石川がDFライン裏に抜け、さらに前へ出る西村をかわすもカバーのDFに阻まれてシュートできず。68分、東京は米本OUTで鈴木達IN、羽生がセンターハーフで梶山と組む形に。これで東京は相手ボールへのチェイシングが強化されるとともに中盤が落ち着きを取り戻し、名古屋の攻撃が息切れし始める。名古屋は杉本に代えて津田を投入、一方東京は消え始めた石川OUTで田邉IN。中盤の再強化で東京が主導権を取り戻した。

74分、名古屋陣でのボール争奪戦を制した平山がミドルシュート、西村が横っ跳びでセーブ。そして76分、東京は左から右へつないで田邉が巧みなステップでDFを翻弄、オーバーラップの徳永が低いクロスを入れると、赤嶺と競って走る増川が蹴り込んでしまいオウンゴール。増川のミスというより、そこまで形を作った東京の勝ちである。5-1。これで勝負あった。78分には左から切れ込んだ津田の鋭いミドルシュートを権田が素晴らしい反応でセーブ!

終盤は意地を見せたい名古屋が次々とクロスやシュートを撃って守備陣が忙しいことになるが、権田の堂々としたゴールキーピングは失点を許さない。接触から長友と田中隼がにらみ合いになったシーンは小川(いいヤツ!)が止めて大事に至らず。45分には田邉のマジカルなプレーから鈴木達へラストパスが通るも、シュートはDFがブロック。4分のロスタイムには僕の大好きな「平山頑健キープショー」も炸裂、危なげなく4点差を守って試合終了。
 
 
いやいや、これほどリラックスして観ることができた試合はいつ以来だろう。

東京は動きの質・量で名古屋を上回っていたし、前半笑っちゃうほどバカスカ決まったようにシュートの精度も高かった。そしてこの日はそれらに加えて判断の良さがあった。先制の場面、DFの中途半端なポジショニングを見てすかさず前に走ったカボレとニアに走った平山。2点目の場面、周りの状況をよく把握して米本の好シュートを引き出した羽生の立ち回り。3点目の梶山・石川の連動した動き。時間帯によって相手を焦らすパス回しを選択したのもグー。

つーか、前半の終わり頃なんて、「ポゼッションサッカー大祭り」だったもんなあ。

もっとも、一方でこの試合は名古屋の自滅という面もあったことを忘れるべきではない。メンバー変更をほのめかすストイコビッチのコメントを見てダヴィを外すのかと思っていたので、先発起用には驚いた。ついでに阿部と楢崎を外してきたのにはもっと驚いた。で、案の定というか、カッカするばかりのダヴィは浮きまくり、SBの佐藤はカボレにチンチンにされていた。まあ、楢崎は負傷、阿部は疲労という理由があったらしいが……。巻の欠場も痛かったのかな。

MVPには平山を推したい。スローモーなボールタッチでスタンドのため息を誘った場面もあったにせよ、体幹の強さを生かしたポストプレーで大いに貢献したし、先制点やバーに当てた一撃などシュートでも良いところを見せた。冗談抜きで、日本代表に入ったとしても俺は驚かんぞ。カボレは急加速で相手の裏に出る感覚が戻ったか。石川は後半ちょっと疲れが出たかな。残留が決まったらしい赤嶺は早く次の1点がほしいね。鈴木達はいつも元気だ。

途中から出てきた田邉の足技には(いい意味で)ため息。柔らかく細かいタッチは独特の感覚を感じさせるもので、競技は違うがサントリー(ラグビー)の小野澤みたいだ。羽生は地味ながら良い仕事ぶり。センターとアタッカーと両方できる選手は貴重。梶山は頑張ってたけど……暑い季節があまり得意じゃないのかねえ。夏場はポカの頻度が高い。米本は初得点おめでとう。今まで積極的に撃ってきた甲斐があった。ただ、途中交代はちょっと。まだまだ勉強。

CB陣は全体的にちょっとマークが甘めだった感じ。そろそろ佐原が見てみたいような気もするし、特に今野は自分でミスして自分でカバーする自作自演ぶりが目立った(笑)。両SBはそんなに回数上がってないのに攻撃面での貢献が大きかった。やっぱり「ここぞ」というところで行かないとね。最近徳永が自陣深くからも「蹴っとけ」じゃなくてちゃんとつなごうとするのが嬉しい。権田はいい出来だった。ピンチの後で見せる余裕の笑みが素晴らしい。


しかし、この日は19:30のキックオフだったからまだましだったとはいえ、やっぱり平日のナイトゲームで前半早々に大量点をとっちゃいかんよな。間に合わないファンが出てくるから(笑)。瑞穂で行われる2ndレグはケネディが出てくるとはいえ、さすがに4点のリードがあれば大丈夫だろう。どーでもいいが、ケネディはかつて「ジーザス」という愛称で呼ばれていたそうだ。ということは、だ……次はケネディvs石川で「ジーザスダービー」か!!

え、その前にリーグのアウェイ大宮戦がある?まあ、軽く勝つやろ(←油断)。なにしろ「日本でいちばん面白いサッカー」だし(笑)。
 

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コメント

ジーザス石川@平常心様
益々北斗の拳のトキに似てきた気が

米本は左膝を冷やしてましたね、細かい怪我はそれぞれが持ってる様で過密な時はいかにサボれるかに掛かってると思います、梶山は大分辛そうなので次は無理させないで代える事を想定して欲しいですね。
今ちゃんを前で佐原とか。

>特に今野は自分でミスして自分でカバーする自作自演ぶりが目立った(笑)
これは笑いました。

カボさんの左膝や平山の左フトモモを見るとそろそろ赤嶺先発も良いのかな?とか考えますが。

>北斗の拳のトキ

北斗の拳的ビジュアルといえば、どちからといえば鈴木達也の方かも(笑)。

>梶山は大分辛そうなので次は無理させないで

梶山はおそらく「外せない選手」という判断なのでしょうが、ちょっとパフォーマンスが落ちてきているのは間違いないですよね。

今回奪ったアドバンテージも含めて、7月の残り3試合、うまく回していけるか。

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