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2008年03月23日

●そうは言っても赤嶺のゴールを見られなかったのは残念至極

ナビスコカップグループB第2節 ジュビロ磐田 0-2 FC東京 (FC東京公式)
 
 
「城福東京最初の試練」こと静岡アウェイ連戦の2戦目は、赤嶺真吾の2ゴールで快勝。

結局今日も現地には行けなかったんだけど、こういう時は嬉しいけど悔しいというか、残念だけど喜ばしいというか……でも、良かったよね。これでグループ突破を狙える状態のままリーグ戦に戻れるし、個人的にも残り4試合は生で観られる(はずだ)から。天気もなんとかもった様子で、応援に行った方々はすごく楽しかったのではなかろうか。正直、羨ましい。帰りに食べる浜松の鰻は美味しかったろうなあ。

試合の経過は出先でケータイを使ってチェック。いや、あれはあれでかえって緊迫感が増すというか。ボタンを押して更新するといきなりスコアが動いてたりして、形勢とかは断片的にしか伝わってこないから「次どうなるんだろう?」とすごくドキドキする。2点目が決まった時には思わずガッツポーズ(不審者か俺は)!応援チームの成り行きを楽しむ、という趣旨からすると、これはこれでたまには悪くない……というのはもちろん「負け惜しみ」だ(笑)。

 
以下、余談。記憶に頼って書いてる部分が大きいので、間違っていたらご容赦を。

「スポーツに関わる情報と感動」といえば、数年前に別冊宝島の「競馬読本」に掲載された須田鷹雄さんのコラムが印象に残っている。たしか「競馬(スポーツ)がもたらす感動は、ありきたりな物語や美辞麗句、溢れる情報によってもたらされるとは限らない」という内容の原稿だったと思うけれども、その中で例として挙げられていたのが、1990年の有馬記念についての須田さんの個人的な体験である。

90年の有馬記念といえば、当時一大競馬ブームを巻き起こしたオグリキャップの引退レース。中央競馬で数々の名勝負を繰り広げたオグリもその年の秋には衰えが見え始め、天皇賞で6着、ジャパンカップではなんと11着という惨敗を喫していた。「せめて最後は勝ってほしい」というファンの願いは強かったものの、馬券的には買うのは難しく、ホワイトストーン、メジロライアンらの後塵を拝す4番人気となっていた。

レースの日、須田さんは私用によりどうしても中山競馬場にもウインズにも駆けつけることができなかったのだそうだ。で、やむを得ず、(どうせオグリは負けたのだろうが)結果だけでも確認しようと、公衆電話から中央競馬の自動音声インフォメーションにかけてみた。すると、そこで待っていたのは驚くべき結果だった。

「単勝 8番 550円」

機械音声で流れてきたのは、この単語3つだけだったらしい。しかし、須田さんはとにかく激しく心を揺さぶられたのだそうだ。もちろんレース展開や競馬場の様子は全く分からないまま、簡潔きわまる結果のニュースだけで。レース直後、左手を上げて「オグリコール」に応える武豊の姿をテレビで見て涙ぐんでいた僕にも、その須田さんの気持ちは何となくわかるような気がする。それくらい劇的な出来事ではあったから。

枠型としての「美しい物語」や詳細にわたる関連情報といった類のものは、あればあったで「調味料」としてはいいのかもしれないが、スポーツそのものの生の面白さとは別物だし、時には人の想像力や創造力を抑制してしまうことすらある。須田さんの有馬記念の例は、逆に付加的なもの(場合によっては余計なもの)を全て剥ぎ取った時にもあり得る、極めて前向きな心の働きを示してくれているような気がする。

何が言いたいかというと、もちろんスポーツは生で観てナンボのモノだし、時間とお金と労力をさいて現地まで応援や観戦に行くのは素晴らしいことだ。それは確かだと思う。僕だって、99年の最終戦、新潟くんだりまで出かけてその場で昇格劇を目撃しなければあれほど感動したかどうか(そしてその後、10年近くもFC東京を応援し続けることになったかどうか)。

ただ、その一方で、色々な都合でスタジアムに足を運べなかったりテレビの放映がなかったり情報を集めることができなかったりということはどうしてもあるわけで、その時はファン・サポーターとしてその場で「できることをやる」しかないし、それでこそ得られる類の喜びや楽しみというのもあるんだよな、と。おそらく天皇杯を除いては今シーズン最後の「現地以外ではどうあがいても観られない公式戦」の日に、そんな事を考えたのである。

まあ、どうあがいても「負け惜しみ」であり自己正当化なのだが(笑)。


ちなみに、今の時代で「少ない情報に頼る」といえば、やっぱり今日の僕のようにケータイの速報サイトとかになるんだけど、その手の文字情報で一番熱くなったのは2年前のWBC決勝である。この試合、等々力での川崎戦に出かけるために途中で録画観戦に切り替えざるを得なくなったんだけど、どうしても我慢できずに電車の中で延々と更新ボタンを押し続けたのだった。9回表、2点差に突き放すイチローのタイムリーヒットが飛び出した時は思わずガッツポーズ……って、その時も相当挙動不審だったんだろうな、俺。
 

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コメント

自分も最近は携帯やテレビなどで結果だけを先に知る事が多いのですが、なんていうかアレは体に悪いですね(笑)、寿命が縮みます。
結果が勝ちでも負けでも生で観戦したかったなぁ、と毎回思いますよ。

AWAY2連戦で勝点3、グループ2位を確保。予選突破には、上々のスタートでしょう。

今季公式戦4試合で、2勝1敗1分。得点7失点6。失点が多いのは気になりますが、毎試合得点があるのは心強いです。

得点者も、今野、エメルソン、カボレ、平山、赤嶺と前線の選手を中心に色々なところから取れているのも、良い傾向と思います。

城福東京、まずまずの船出と言って良いのではないでしょうか。

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