●猫とワセダとイエモッツ (山口旅行記その2)
土曜日。午前中は一番上の子の高校の卒業式やら何やらがあって家の大人は出払ってしまい、残りの子供たちと留守番。ポチにあれこれちょっかいを出してパンチ(&引っかき攻撃)をくらったり。世の中には「犬派」と「猫派」がいるようで、僕はどちらかといえば前者なんだけど、猫という存在もかなり好きではある。特にポチは愛想がそこそこ良く、べっぴんさんだからなおさらだ。あとは、一緒に散歩ができればいいんだけどな……。
ちなみにこのポチ、可愛さとともに山奥育ちのワイルドな面も備えており、しばしば小動物を獲ってくるとか。特に小鳥関係の被害は著しく、この地方では今度の春はウグイスが鳴かないのではないかと心配されているそうな(笑)。そういや、昔、飼っている犬(「ゴン」という名前だった)がよくタヌキを獲ってきた、という話を聞いたことがある。あと、ゴンの後に番犬を勤めていた「チビチビ」君が、侵入してきたイノシシと格闘して撃退したことがあった。
さすがに何時間もポチと遊び続けるわけにはいかないので、近所を散策することに。しばらく歩いて「美祢社会復帰センター」前へ。この施設、Wikipediaにも項目が設けられているが、まあ要するに大失敗した時代遅れの工業団地(「テクノパーク」ねえ……)の跡地に誘致された刑務所の一種である。日本で初めてPFI方式により整備された刑務所ということで、昨年の開所時にはマスコミ等でも随分と話題になっていたようだ。
印象としては……評判通り新しくきれいで、鉄格子と外壁の代わりに強化ガラスとフェンスで囲われた開放的な雰囲気の施設。ただ、なんつーか、ある種の清潔感が強すぎる(敷地内を見渡す限り無駄なものやゴミの類は一切見あたらない)のと、あと開放的なんだけども結局は隔離施設、というあたりが妙な違和感を醸し出しているように感じた。刑務所と周りの道路だけはやたらきれいになってても、街自体はさびれちゃってるし。
昼食はフライパンで焼きそばを作ってもらった。市販の麺だったらしいけど、もちもちとした食感で大変に美味しかった。ただ、この手の食い物はどうしても途中で飽きてくるので、朝食のパンの残りを活用して焼きそばパンにしてみた。うむ、これもうまい。いつも思うのだが、「焼きそばパン」を考案した人間は偉い、というか、ちょっとオカシイ(笑)。
午後はこたつで寝っ転がって、ラグビー日本選手権の第2試合東芝×早稲田大学と、ゼロックススーパーカップ鹿島×広島戦を2画面観戦。
東芝×早稲田は、序盤こそ早い出足の防御とセットの安定、エッジの立ったモール攻撃で早稲田が押し込むものの、前半半ばから東芝が徐々にペースを取り戻して地力を発揮、トライを重ねて完勝。ただ、東芝も大野やマクラウドら主力にミスが目立ったのと、終盤集中力が途切れたところで2トライを返されて「早稲田よくやった」ムードを作らせてしまったのはいただけない。瀬川監督が語ったとおり、サントリー戦に向けて猛省が必要だろう。
途中、味方のふがいなさと早稲田の挑戦者らしからぬ余裕を見て頭に血が上ったのか、冨岡「キャプテン」が猛然とラインブレイクを繰り返したのには「いいぞ!」と拍手。後半27分の独走トライにはシビれたぜ。東芝はやはりこの人なんだな、と。逆に言えば、彼が主将の座を降りてからのチームの引き締めには相当苦労しているのかな、と思う。
あと、これを書くとまた早稲田ファンからツッコミが来そうだが、個人的にはどうも日本選手権恒例の「早稲田ファンが圧倒的多数を埋める秩父宮のスタンド」「マスコミの学生ガンバレ姿勢」「負けてもトライをいくつか獲ればそれでよくやった的雰囲気」は苦手なのである。ロスタイムのトライの時、試合としてはどう見ても完敗なのに(拍手ならともかく)両手でガッツポーズしているオッサンが映って思わず「オイ!」と叫んでしまった。
今回は試合後に大野が「学生に教えてもらった」みたいなコメントを残していたし、早稲田の権丈主将が「負けたら駄目なんだ」と言ってたらしいので救われるけど、今後「学生の思い出」的勘違いムードが高まった場合は、クラブチームの扱いも含めて開催形態の見直しも必要になってくるだろう。サッカーの天皇杯とかとは意味づけが違うのである(ああいう裾野の広い大会にするのであれば「負けたけど頑張った」はいいのだろうけど)。
いや、もちろん他の大学に比べればダントツで早稲田は凄いと思うんだけどね。それだけに、その早稲田を「見る目」には注意が必要だと思うのだ。ひねくれフットボールファンとしては。
ゼロックススーパーカップの方は摩訶不思議な試合。途中までは完全に鹿島の試合だったのに、どうしてああいうことになってしまうのか。「不利な見られ方をしている」意識が強すぎたのか、鹿島はややナイーブに過ぎたような気もする。佐藤寿人の同点ゴールは見事しか言いようがない。でも、結局、混乱の元はレフリーなのかな。個々の判定の妥当性云々の次元じゃなくて。家本さん、SRだろうが何だろうが下部リーグからやり直すくらいしないと。
夜は東京からカミさんが到着したので、買ってきた皮を使ってみんなで餃子を作って食べた。それと刺身の盛り合わせとか。一つ一つ形の違う餃子というのも久しぶりに食べたな。いいもんだ。皮が予想外に小さくて餡が余ってしまったのだけれど、ちくわに詰めて焼いたら案外うまかった。刺身の方は、やはり日本海もの直送だけに身の引き締まり方が違う!鯖の刺身を食べたのは一昨年の大分「こつこつ庵」以来か。写真を撮り忘れたのが残念。
夜、東京が非公開の練習試合で川崎に0-3とボコられたのを知って、ちょっと落ち込む。いくら1年目とはいえ、川崎・東京V・浦和あたりにやられるとあまり印象が良くないからね(ガーロ政権も結局浦和戦の完敗でトドメをさされたわけだし)。まあ、まだシーズンが始まる前で良かったし、だいたいこんなことくらいでいちいち揺らいでちゃいかんのだ。選手たちも、慌てないでしっかりと立ち位置を確認して進んでいってほしい。
しかし、この家、ネット接続は未だにダイヤルアップ回線(ピーヒョロロ~~ってモデムの接続音が鳴るやつね)で、これが遅いのなんのって……ここ数年でネットコンテンツ(ブログも含め)のデータがいかに大きくなったのかを思い知らされた。軽さを心がけているこのブログでさえ10秒以上。mixiだともうほとんど正常に表示されないような状況である。この感覚のまま、自宅に帰ってADSLでネットサーフィンしたら「革命!」って感じなんだろうか(笑)。
[追記]
この日明大前LIVREで開催された「青赤なオフ会」は大変な盛況だったようで、何よりです。fct-fanさん、声をかけていただいたのに出席できず、申し訳ありませんでした。「東すか」の人たち(そういや兄貴はブラジル行ったのね)ともネットを介して知り合った経験があるだけに、こういう機会に人と会うのは決して嫌いではないので残念です。ただ、その割にものすご~く人見知りでもあり、結果的にはこれで良かったのかもしれません(笑)。
コメント
帰省中でしたか。
>早稲田の挑戦者らしからぬ余裕
これはあまり感じなかったけどなぁ。
むしろ、東芝のほうが学生に稽古をつけてやる的な余裕を感じたけど。
後半の東芝の執拗なモール組みなおしの場面とかね。
まぁ、学生ガンバレ的な雰囲気が会場を支配していたのは否定しない。
日本選手権、もう少し参加チーム増やせないものかね?
TLから4チームじゃちょっと少ないと思うのだが。
TL6+トップチャレンジ3+クラブ1+学生2の12チームとか。
ちなみに、日本選手権は第1試合のほうが面白かった。
2ちゃんで専用スレが立つようじゃダメだと思うんだ。選手以上に目立っちゃってねぇ>イエモッツとか、谷口かずひととか
Posted by: こばえもん | 2008年03月04日 13:15
0-3でボコられた翌日に、サテライトとはいえ4-0でお返しが出来たので、少し溜飲が下がりました。
コンディション調整のためとはいえ、サテライト相手に昨年のKリーグ得点王を投入しての勝利ですから、大人気ない感じもしますが…。(苦笑)
まあ、本番は4月19日ですから、それまでにカボレに調子を上げてもらって、昨年のお返しをしてもらいたいものです。
Posted by: コタツねこ | 2008年03月04日 18:22
>こばえもん
まあ、試合の中の時間帯にもよるしかなり主観まじりではあるんだけど。立ち上がりを除いては終始東芝が安全リードを保ったまま推移していった割には、東芝に余裕がなく(後半のモール攻撃も焦りや意地の発露だろうあれは)、逆に早稲田の方には「これでいいんだ」的な雰囲気が見てとれたんだよね。
それはもちろん、試合後の大野のコメントのとおり、社会人に教訓と反省の機会を与え、学生に最後の頑張りを披露する場を与えるという意味では決して悪いことではないのだけれど、ただ「トップリーグからも4チームしか出られない大会でこれをやってていいのかな?」と思ってしまったんだね。
こばえもんの言うとおり、もうちょい参加チーム数増やした方がいいのだと思う。マイクロソフトカップの裏を使う形で。あ、でも学生は試験があるのか……。
>コタツねこさん
いやあ、弱敵(前日に比較すれば、の話)を叩いておいてこそのコンディション調整&次戦への布石ですよ(笑)!
4月19日頃にはチームはどうなってるでしょうねえ。個人的には、漠然と、その辺からチームの「剛性」が高まっていけばいいなあ、と思っているのですけれども。
Posted by: murata | 2008年03月05日 00:26