●吉祥寺で、キノコとビールとお魚と
水曜日、Ｌｏｆｔ＋１のイベント後は総武線で吉祥寺へ。吉祥寺シアターで珍しいキノコ舞踊団『あなたの寝顔をなでてみる』。人気のコンテンポラリーダンス・カンパニーの公演。この人たち、前に写真美術館でコンドルズ・ニブロールと一緒に展覧会（よく考えたらえらいユニークな企画だったな）をやったことがあって、一度見たかったのである。２００人程度収容の会場が満員の盛況。連日売切の状態らしい。前売りを買っておいて良かった……。
で、生まれて二度目のコンテンポラリーダンス生観覧は……面白かった。楽しかった！コンドルズみたいにコントで爆笑させるわけでもないし、かといって難しいコンセプトがあるわけでもなさそうだし……どう表現したらよいのだろう、女性５人がひたすら跳び、はね、笑い、叫び、絡み、そして手足をいっぱいに伸ばして踊る。かわいらしく、微妙に可笑しく、そして不思議な多幸感が空間に溢れる。終わったあと、非常にポジティブな気持ちになっている自分に気づいた。
いや、彼女たちの良さに全然「言葉が届いていない」な。自分で書いていてもどかしい。元々、言葉というのは生の現実そのままを再現することはできないものだけど、それでも普段慣れ親しんでいるスポーツやら映画ならば戦術や物語といった要素を手がかりに「だいたいの形」を描き出すのは可能であるように思える。でも、ダンスの魅力なんつーものについて、少なくとも僕はうまく語る術を持っていないし、そもそも言葉で表すのが難しい類のものなのかも。
とにかく魅力的なんだよなあ。ホント、不思議。「考える」より「感じる」べきものなんだろうな。
一番楽しかったのは、出演者の２人が「昨日観たテレビの話題」をダベりながら延々体を絡ませたりぶつけあったりするシークエンス。口調と体の動きが全然合ってないのが可笑しくて、思わずニマ～ッと笑ってしまった。今年１月に鎌倉芸術館で行った公演は『３ｍｍくらいズレてる部屋』というタイトルだったそうだが、なるほどそんな感じの、微妙なズレがおかしみをもたらすパフォーマンスではあった。「３ｍｍくらい」、ね（笑）。
個人的には、５人の出演者の中では山田郷美さんという方が一番素敵に思えた（踊っている最中のすがすがしい表情とピンと伸ばす手足の様が素晴らしい）んだけど、「どこかで見たことがあるなあ」と思っていたら、八谷和彦さんの「OpenSky」プロジェクトでメーヴェの搭乗者（つまりナウシカだわな）のモデルになっていた人らしい。なるほど。
しかし、いい体験だった。こうなってくると次はコンドルズだな。
おまけ。
公演の前には、ちょっと時間があったので駅から１０分ほど歩いたところにある「ullapool」というブリティッシュ・パブに行ってみた。残念ながら「Abbot Ale」が品切れだったので、Bassを１パイントと、「多摩の恵」という地ビール（？）をMidiumサイズで。Bassは全く問題のないいつも通りの美味しさ。「多摩の恵」は……やたらさっぱりとしていたなあ。
食べ物は毎度のごとくフィッシュ・アンド・チップスを頼んだのだけど、これが先日の「グリーンシープ」と同じくらい個性的。上の写真を見るとわかるように、厚くて固めの衣が魚を包んでいて、ナイフとフォークで切るというより端っこから崩しながら食べる感じ。これはこれでとても美味しい。ボリュームもあるし、ポテトの揚がり具合も良し。モルトビネガーとタルタルソースでひたひたにしてむさぼり食い、舌もお腹も満足した。
店内も内装が凝っていて落ち着いた雰囲気ながら、近所のおじさんが小さな娘さんを連れてきたりもしていて気楽な面もあるみたい。店員さんの接客もオッケー。「また来たい店」がまた増えたというところか。こんな感じであちこちに「１人でも使える」店を増やして行ければ、エール好き飲んべえとしても不自由はなくなっていきそうである。うむ。
コメント
「多摩の恵」は、福生の石川酒造（日本酒の多満自慢をつくっているところ）のビールです。季節ごとにも種類がありますので、もし機会がありましたら、福生までお越しくださいませ。酒造内にイタリアンと蕎麦屋が併設されていますので、けっこう楽しめますです（って、別に回し者ではありません(笑)）。
Posted by: つぴぃ | 2007年07月17日 00:03
情報ありがとうございます。
こちら↓ですね。
http://www.tamajiman.com/index.html
なるほど、作りたてのビールがちゃんとした料理と一緒に楽しめる、と。
かなりさっぱりした印象だったので、個人的には蕎麦屋がいいかな……。茄子の揚げだしとか、地鶏の甲州煮とか、かなりそそられますねえ。今度行ってみようかしら。
あ、夜中なのにお腹がすいてきた（笑）。
Posted by: murata | 2007年07月17日 00:33