●早くも正念場か? ('07アジアカップ 日本×カタール)
昨晩はアジアカップのグループリーグをNHK-BSで観戦。日本 1-1 カタール。我らが日本代表の初戦は、「苦手」カタール相手に1-1の引き分け。終始ボールを支配して押し込みながら1点しか奪えず、終了間際に同点ゴールを許すという苦々しい結果となった。
この試合の日本は非常に慎重な試合運び。選手が互いを追い越しながら速くスペースへボールを動かすいつものサッカーは影を潜め、焦らず丁寧につないでチャンスをうかがう。30度超の暑さと60%超の湿度、中東勢のカウンターへの警戒、そして初戦であることを考えればこれはまあ仕方がないだろう。前半はポゼッションで圧倒しながら0-0で無難に終了。
後半、足が止まり始めたカタールDFが日本のパス回しに置き去りにされる姿が目立つように。61分、憲剛の展開パスで左SB今野が抜け、右足アウトで入れた弾丸クロスを高原が巧みなボディコントロールで叩き込んで日本先制。その後も日本は試合を落ち着かせつつ、74分には羽生を投入して突き放しにかかる。が、追加点を奪えず82分に橋本投入で守備固めへ。
87分の阿部のファウルは、ボールの止まりやすい長い芝を意識しすぎた結果だろう。普通に川口に任せるか自分で蹴り出せば良かったのだが、減速するボールと加速する相手に戸惑って処理が雑になってしまった。それまでもいいFKを蹴っていたセバスチャンがこの機会を逃さず、ゴール。ロスタイムに羽生が撃った決定的なシュートも外れて、結局同点のまま試合終了。勝点2を失った試合だった。
驚いたのは、試合後のインタビューでのオシム監督のぶちキレぶりだ。顔を真っ赤にして感情的にわめいて……あれほど怒った爺さんは初めて見た(対照的に高原と能活は落ち着いてたね)。カタールの足が止まったのを見て「勝った」と思ったんだろうな。もっとも、今日は采配もイマイチだった。2点目を奪って試合を決めにかかるにしては羽生の投入は遅かったように思うし、その7分後に橋本投入は中途半端だったかもしれない。
チーム全体としては、あえて本来の戦い方を封印したようなところもあるのでまあこんなものかな、と。ただ、それにしてもDFに突っかけていくプレーが少なすぎたきらいはある。加地と遠藤の出来が良くなかったからなおさらだ。こうしてみると、播戸の離脱と駒野の負傷はかなりの痛手だし、FWでは山岸・矢野・巻あたりはややタイプがかぶっててバランスが悪いかも。うーん、我ながら頭の中がネガティブ(笑)。
まあ、そんなことを言っても仕方がないし、監督もコメントしているように別にこれでグループリーグが終わるわけではない。でも、いくらサッカー協会が「ノルマを設けない」と言っているとはいえ、前回・前々回優勝しているだけにあまりショボい成績だと相当厳しいところに追い込まれそうな気もする。ただでさえオシム監督は潜在的な反感層を抱える偏屈爺さんなのだ。ベスト4くらいまでは行かないと……UAE戦は大切な一戦だ。
特に、巻や山岸や羽生や阿部には是非とも頑張ってほしい。ちょっと躓くとすぐ「黄色いフィルターのかかった選手起用」なんて言われちゃったりするんだから(あ、阿部は赤いチームの選手か(笑))。
いや、しかし、ホントに悔しい試合だった。