う ま ね ん ロ ン ド ン 旅 行 記
ということで、今日から5日間のロンドン旅行である。海外に行くのは5年ぶり、ヨーロッパとなると、えーっと東欧以来だから8年ぶりになるのか。
朝早起きして東京駅から8時発の成田エクスプレス。11時半のANAで成田を経ち、12時間余りのフライト。僕は長時間の旅というのがあまり苦にならないタイプなので、むしろのんびり居眠りし放題で嬉しいくらい。2回の機内食も完食。3人がけの窓側2席だったのは心配だったが、通路側の白人兄ちゃんがいい人で助かった。あと、同じ飛行機に鹿児島の高校の修学旅行生が同乗するも、心配していたほどやかましく、これまた助かった。
ANAでうれしかったのは、各座席のパーソナルテレビでオン・デマンドの映画が観られること。さっそく「丹下左膳 百万両の壺」観る。日本映画史上に残る大傑作たる山中貞雄作品のリメイクだが…。うーむ。2時間の暇つぶしにはちょうど良かったし、トヨエツや和久井映美の頑張りには感心したけど、作品全体としては佳作にも至らない出来かな。全体的な演出テンポのたるさと殺陣のスピード感欠如は大目に見たとしても、ちょっと脚本の改悪がひどすぎる。カラッと間抜けでほのぼのしたオリジナルの持ち味を、蛇足でしかない「左膳が片目片腕を失うエピソード」と安易なお涙頂戴ラストが台無しにしている感じ。
現地時間15時半にHeathrow空港着(←中田英的表記法)。車で渋滞の中を1時間余り、ようやくホテルに到着。どこのメーカーだか知らないが車の乗り心地が妙に悪く、12時間のフライトよりもこの1時間の方がよほど辛かった。
夜、Regent通りをPiccadilly広場まで散歩。もう完全にクリスマス前の雰囲気らしく、街のあちこちが電飾で飾り付けられていてとてもきれいだ。通りの上にかかっていたのは青赤の電飾だったし(笑)。
夕食は「ABERDEEN ANGUS」なるステーキハウスで。フライドポテトと前菜の小エビのカクテルはメチャクチャ美味く、ヒレのステーキ(小さい方で280g!)にラガービール、赤ワインはいずれもまあまあのお味。ただ、サイドオーダーのサラダが…。「野菜のぶつ切り」だなこりゃ。しかもその野菜がショボい。ある意味、初日から「英国料理」のイメージ通りのものに当たったというか。
で、ホテル帰って酔いつぶれて寝た。
ホテルの朝食は「イングリッシュ・ブレックファースト」というヤツで、量・種類ともに豊富ないわゆるブッフェ形式。ものにもよるが、味は濃すぎたり単調だったり、微妙なものが多い。ま、そこまで贅沢を言ってはいけないか。サーモンとチーズと玉子が美味い。あ、あと、紅茶の味が深くてやたら美味かった(ミルクティーにすると絶品)のは、やっぱり水が違うせいなのだろうか。
部屋に戻ってSKYSPORTSをつけたら、ラグビー日本代表がウェールズ代表に0-98で蹂躙される模様をダイジェストで流していた。スコットランド戦と同様のディフェンス崩壊。ひたすら恥ずかしく、情けない。こんな有様の代表をアウェイに送って(しかも強化担当者の勝田とやらは「若手に経験を積ませる試合」とかヌカシていたらしい)、どうしてW杯誘致のプレゼンなどと寝言を言っていられるのか。関係者の神経を疑う。そもそも、なぜ暫定的な色彩の強い萩本監督でこの遠征に臨んだのか。なぜきちんとした準備試合を設けなかったのか。なぜSO森田は遠征に参加していないのか。もうこんな代表の試合を観るのはこりごりだ。そう思っているファンは僕だけではないだろうし、欧州のチームだってもはやこんな弱い代表と戦う意義を認めてはくれないのではないだろうか。いよいよ日本ラグビーは過去の遺産を使い果たした。もしかすると、もう取り返しはつかないのかもしれない。馬鹿なことをしたものだ。
あと、こちらのニュース・新聞ではウクライナ危機の扱いがとても大きい。
午前中、地下鉄で最寄りのOxford CircusからCharing Crossへ、BR(旧国鉄)へ乗り換えてGreenwichへ。地下鉄もBRもたまたま悪いのに当たったのか、車両の中は汚く、ときたま異臭もする。ここら辺は感覚の違いもあるのだろか。
Greenwichでは、まず 旧グリニッジ天文台を見学。経度0度だからといってとりたてて感動があるわけでもないのだが、しかしさすがにテムズ川沿いを見渡せる立地は素晴らしく、周囲の美しい緑と合わせて景色を堪能。ここに作ったクリストファー・レン、そして作らせたチャールズ2世は偉いね。
見学後、公園を通り抜けて、国立海事博物館と旧王立海軍大学を外観だけ見る。公園内には散歩の犬がいっぱい。こちらの犬はしつけがよくできている様子。ゴールデン・レトリバーとか、活発ながら飼い主の言うことをホイホイ聞いて、まことに可愛らしい。
昼食はTrafalgar Tavernというパブで、ラガービールをお供にヒレステーキを食した。肉は柔らかく、味も粗雑でなくて美味かった。つけ合わせの黒くてでかいキノコが印象的。店員のお姉さんがやたら愛想よく、そういえば昨晩のステーキハウスのウエイターもきちんとしたサービスだった。観光客には優しいお国柄、ということかな。
午後、Greenwichから再びBRでCharltonへ。いよいよプレミアシップ、チャールトン×チェルシー観戦である。駅前はビールをあおる赤い服のサポーターで一杯。人の流れの後を追い、わずか徒歩5分ほどでThe Valleyスタジアムに到着。住宅街のど真ん中だ。住民から苦情が出ないのか心配になるくらい。品揃え豊富なグッズショップで買い物した後、さっそく入場。
The Valleyはもちろんサッカー専用で、収容数(3万ほどか?)といい急傾斜のスタンドといい熱いサポーターの雰囲気(赤いのが難点だが)といい、理想的なスタジアムだった。席はメインスタンドの、なんと前から2列目。おお、ランパートが、マケレレが、そしてマウリーニョがすぐ目の前だ!さすがにピッチ全体を見渡すのは難しいが、間近で見るプレーは迫力満点だし、看板は低く柵も無いに等しく、警備員らもきちんとしゃがんでくれるため、観戦に不自由は全くない。ホント、今回の旅行で一番お土産にしたかったのはこのスタジアムだ。
気になったのは、チャールトンのマスコット。とにかく元気ハツラツぶりに欠けるのである。特に黄色いアウェイユニを着ている女の子の方は、猫背気味でトボトボ歩いている姿が何とも…。病気かなんかだったのだろうか(笑)。
で、肝心の試合の方は、チャールトン 0−4 チェルシー。立ち上がりこそチャールトンが攻守に気合の入った動きを見せるが、しかしすぐにチェルシーがボールを支配し始め、ダフのドリブルからあっさり先制。その後も終始優位に試合を進めて危なげなく勝利した。後半にはCKからキャプテンのジョン・テリーが2得点。歓喜の雄叫びをあげるテリーが目の前数mに走ってきた時には、我を忘れて「テリー!」と叫んで拍手。…しかしハッと気がつくと、周りは沈黙している。当たり前だが、スタンドはほとんどがチャールトンファンなのだ。しかもテリーは前半終了間際に気合の乗りすぎたチャージでチャールトンの選手を吹っ飛ばし(イエローカード)、スタンドのブーイングを浴びていた…。怒鳴られもしなかったのは、上品なメインスタンドだったのと、イングランドの皆さんの紳士ぶりのお陰だろう。どもすんませんでした。
以前から是非この目で見たかったのは、おそらく現在プレミア最強の両サイド、ダフとロッベンのプレー。ともに小柄で左利きのドリブラーだが、実際に見ると2人のドリブルは大きく性質の異なるものだった。ダフはとにかく重心が低く、強靭な下半身の筋力で物理法則に逆らうようにボールをねじ伏せ、「ギン!ギン!」と鋭角的なフェイントでDFを振りきる。ロッベンの方はより繊細で、ボールの回転の方向を細かくコントロールしてボールに複雑なコースをとらせ、「クリッ!クリッ!」とDFをかわす感じ。この2人は時折サイドを交換するのだが、タイプが違うだけにマークするDFはもう大変、完全に防ぐのはほとんど不可能である。できればこの2人もお持ち帰りしたかったな(笑)。
いや、しかし、お腹いっぱいのプレミア初観戦だった。素晴らしい体験。
帰りは数人(数頭?)出動していた騎馬警官に誘導(道を訊ねれば親切に教えてくれる)されてあっさり列車に乗り込み、1回の乗り換えで割とあっさりロンドンへ帰ってくることができた。交通の便という意味でもチャールトン戦はお薦めと言えるかもしれない。
夕食は、ホテル近くのMichael Mooreというレストランで。小ぎれいな内装、普通の英料理とは一線を画す(多分)細やかな美味さが光る店だった。オシャレな雰囲気に押され、ちょっと緊張していたのは内緒だ。スモークサーモンにダッグのロースト(つけ合わせは舞茸…か?)、あと3色のプディング、赤ワイン。最後にはシェフのMoore氏(『華氏911』の人ではないぞ)が登場し、気さくに話しかけてくれた。胃も気持ちも満足。
ホテルに帰ってBBCのプレミア・ダイジェスト。キャスターは懐かしのゲーリー・リネカー。内容はさすが本場だけに濃いものだった。ボルトンのディウフが相手選手に唾を吐きかけたらしく、その映像がしつこいくらいに流される。ユナイテッドは3−0で圧勝。いよいよ3強の争いとなるのか?
で、見ている間にまた酔いつぶれて寝た(笑)。
11月28日(日)
やや二日酔い気味ながら、朝食はブッフェ二皿半がっちり食う。旅行の1日のスタミナは朝食で決まる(と思っている)のである。昨日は敬遠した焼きトマトも試してみたが、ほどよい酸味がなかなかにグーである。見た目気持ち悪い、黒くてでかいマッシュルーム(昨日の昼のヤツと同じか?)もちょっと癖になりそうな感じ。食わず嫌いはいかんよな。
午前中、ホテルから15分ほど歩いて大英博物館。展示室に入っていきなり「ロゼッタストーン」が鎮座しているのにまず驚かされたが、その後も展示室ごとに古代〜中世の洋の東西を問わぬ美術品や遺跡品が、でかいのから小さいのまであるわあるわ…とても1つずつ丁寧に見る余裕など無く、早足で歩きながら「おお、おお、すげえ!」とアホのように繰り返すだけであった。しかし、あんな規模のもの(特に古代エジプト関係)、作る方も作る方なら、わざわざ持ってくる方も持ってくる方である。今の民主主義的小市民感覚ではとても信じがたい。
一番人気のあるコーナーは、やはりミイラ関係のようであった。あんまり娯楽にしちゃうと祟られるぞ(笑)。逆に、中世ヨーロッパとか古代ブリテンとかはガラガラ。
あと、日本のコーナーもちゃんとあって(茶室が丸ごと(笑)置いてある)、「Cutting edge」とかいって日本刀の特集展示をやっていた。
昼食は、博物館1Fのカフェでegg&cressのサンドイッチ、「The British Museum Beer」とかいうそのまんまの銘柄のビール、レモンとハーブの入ったアイス・ティー。他の2つはともかく、アイス・ティーは甘ったるくってとても飲めたものではない。温かい紅茶はあんなに美味しいのに、どうしてこうなってしまうのかわけわからん。
午後、Tottenham Court Roadからダブル・デッカーのバスに乗ってKnigt Bridgeへ。バスは次々と色んな路線のものが来るので待つ心配はほとんどなし(その代わり渋滞の原因にもなっているようだ)。二階席の一番前に座ったので見晴らしはよく観光には最適だったのだが、しかし日本と違って停留所のアナウンスなどがないので、降車の難易度はちと高かった。
で、Harrods。泣く子も黙る高級デパートとして知られるHarrodsだが、クリスマスセールのせいもあったのか、さほどお高い雰囲気はなく、日本の百貨店とあまり変わらないような。5階のレストランでアフタヌーンティーをいただく。最初にサンドイッチが出てきて、次にスコーンとケーキの2段重ねが出てきた。うん、うまいうまい…んだが、やはり量が多い。サンドイッチとスコーン(これにつけるクリームがバリうまだった)でお腹いっぱいになってしまい、ついにケーキには手をつけられず。まあ、ケーキはすげー甘ったるいんだろうが、やはり1個くらいは食べたかったな。
その後、本屋とかペットショップとか巡る。本屋ではサッカー雑誌を探したのだが、意外と、というか全然種類が少ないのね。駅売りの新聞形式のものはあるらしいが。一般書店にはないということなのかな?
夕方、地下鉄でPiccadily Circusへ出て、ホテルまで散歩して帰る。さすがクリスマスシーズンの休日、とにかく街には人が多い!
ホテルの部屋で一旦仮眠してからまた出かけようとしたのだが、目が覚めたら夜中の1時…。あきらめてニュースでプレミアの結果など見る。リバプールがアーセナルを破った試合、リバプール側の2点はいずれもびっくりするようなスーパーゴールだった模様。あれ決めたらもう最高にキモチイイだろうなー。あと、ディウフのつば吐きはけっこう大きな問題とされている様子。プレミア以外では、さすがにイングランド2大スターが所属するレアル・マドリーは無視できないらしく、5ゴール全てダイジェストで流していた。勝つ時は派手なんだよな、負ける時も派手だけど(笑)。
そしてまた就寝。
朝、昨晩夕飯を食わずに寝てしまった分を取り返すべく、大きな皿に山盛り3杯がっちり食う。
午前中、地下鉄でOxford CircusからWestminsterへ。Westminsterの駅舎はさすがに国の中枢部だけあって、近未来的でとてもきれいな造り。ただし、そこから地上に出ると時代は一気に300年以上遡る感じなのだが。
まずは国会議事堂。これはでかい…。元宮殿なんだからでかいのも当たり前なのかもしれないが、しかしその場所こそが近代民主主義発祥の地であるというパラドックスが興味深い。ついでにWestminster Bridgeの反対側まで行って、ビッグ・ベンの鐘の音を聞いた。ただの鐘っちゃ鐘なのだが、しかし感慨深くなるのが旅行者心理というものだ(笑)。
続いてWestminster寺院。1000年近く続く、英国王室即位の場所だ。メインとなっているヘンリ7世やメアリ1世・エリザベス1世(この愛憎渦巻く異母姉妹は、一緒の場所に祀られていた)も歴史のロマンを感じるのにはいいが、今でもここは現役の寺院として健在なだけに、19世紀以降の英国史に関わる事物もあるのが面白い。グラッドストーンとディズレイリの彫像(19世紀英国を代表するこの2大政治家、それぞれ「いかにもな」顔と立ち姿なのな)、第二次大戦時の「バトル・オブ・ブリテン」を記念したステンドグラス(今は英空軍の礼拝堂になっている)、そして無名戦士の碑。最後の碑に刻まれている「人は、神と王と国と愛する者と帝国と正義と世界の自由のために、自らの身を犠牲にすることができる」という言葉が印象的。
Whitehallの官庁街から戦没者慰霊碑の脇を通り、騎馬警備隊(ホース・ガーズ)のお馬さんと記念写真を撮ってからBuckingham宮殿へ。門から正門までのThe Mallをしばし歩く、St James's Parkの緑が美しい。宮殿自体は「意外と小さいなあ」というのが正直な感想。国会議事堂で感覚が麻痺していたからかもしれない。衛兵交代式はもう終わり頃だったが、それでもかなりの人だかりができていた。つれは昔ここで「キットカット」を片手に記念写真を撮ったらしい(笑)。
地下鉄でVictoriaからSlone Squareへ。Slone通りでブランドショップなどを覗きながら散歩し、Knigts Bridgeからまた地下鉄に乗ってCharing Crossへ。
昼食は「Sherlock Holmes」なるいかにもな名前のパブで、エール・ビールとフィッシュ・アンド・チップス。エールはその名も「Sherlock Holmes」なる銘柄で、これが意外な大当たり。思っていたより苦すぎず、喉ごしと旨味のバランスが絶妙。ぬるい(わざと冷やさないらしい)エールには偏見を持っていたのだが、やはり食わず嫌いはいかんのだ。イモも白身魚もそれなりにうまく、ビールをおかわりしてほろ酔い。
午後、Trafalgar広場を横切ってNational Galleryへ。時間がないのでとにかく早足でざっとしか観られなかったのだが、有名なレンブラントの34歳時の自画像だけはじっくり鑑賞。描写の細やかさ、ポーズ、表情の微妙さ。どれをとっても完璧だと思った(ま、素人の感想ですが)。
続いて同じ建物内のNational Portrait Galleryへ。ここは11世紀から現代までの著名人の肖像画を時代順に並べたもので、面白さは美術館本体よりもずっと上だと思う。ウィリアム1世からベッカム(彼だけは動画だった。特別扱いか(笑))まで。グラッドストーンとディズレイリが、ここでも「いかにもな」造形だったのは面白かったな。
Regent通りで土産物を買い込んで、ホテルへ戻ろうとしたらOxford Circusの駅で(火災の?)警報が鳴り響いていて、駅に入れない人で交差点が超大混雑。それをよけて車道を通ろうとして、危うくバスにひかれるところだった。ああ、あぶねーなー。あの警報、けっこうみんなおとなしく待っていたけど、もしかして日常茶飯事なのだろうか。
ホテルで一息ついてからスーツ・ネクタイに着替え、地下鉄でEmbankmentに出て、20時からThames川ナイト・クルーズ。ガラス張りの美しい遊覧船、ちゃんとしたコースのディナーも付いて1人63ポンド(ただしワインは別)だから、まあ物価の高いロンドンにしては手頃ではないかと。ちょっと奮発してみました。コースはGreenwichまでの往復。Thames川上から見る夜景はもちろんきれいで、中でもやはりライトアップされたビッグ・ベンが圧倒的だった。あとタワー・ブリッジもなかなかの迫力。船内には女性の歌とサックスの演奏もあって、曲目は「Can't Take My Eyes Off You」とか「Dancing Queen」とかベタなのが多かったけれど、それもまたよし。美味しい料理と雰囲気を堪能させてもらいました。最後方に座ってたアツアツのカップルがずーーーーっとキスして離れないのにはちょっと参ったけど(笑)。
で、上陸して地下鉄でホテルに帰って、即バタンキュー。
朝食はイングリッシュ・ブレックファストを名残惜しんで、大皿で山盛り二皿いただく。
午前中、地下鉄でOxford CircusからLondon Bridgeへ。奇怪なテーマパーク「London Dungeon」は時間が無いので残念ながらパス。第二次大戦時の戦艦Belfast号の脇を、再開発のモダンな巨大ビルを眺めつつ、テムズ川沿いを散歩。ここからロンドン塔にかけては観光の目玉の一つだけに、ビジネスマンに混ざって外国人観光客の姿も多い。Tower Bridgeを徒歩で歩き、テムズ川横断。Tower Bridgeはとにかく巨大な電動の跳ね橋だが…これを作ったのが19世紀というがスゴい。で、渡ってすぐのところにTower of Londonがある。
Tower of London。11世紀(!)の建造物、そして英国王朝の歴史の証人。
世界文化遺産だけに、入口で荷物チェックあり。 中はあまり広くはないが、城塞らしく、また何度も建て増しされたこともあってか非常に複雑な構造で、歩いて回るのはけっこう骨が折れる。ホワイト・タワー内を見学し、ジュエル・ハウスの宝石・貴金属類(総額いったい何兆円になるのか?)に圧倒され、処刑場跡で写真を撮る。 中で飼われているカラスの羽が切れていたので「どうしたのかな」と思ったのだけれど、後で調べてみたら、飛んでいかないようにわざと切っているらしい。 塔から一歩外に出ると、ショップ等は今まで訪れた場所の中で最も観光地化されていて、日本人の団体客がたくさんいた。特に女子学生(?)の一団がショップで「かわいいー!これかわいいー!!」とか叫んで大騒ぎ。キミたちには「かわいい」以外のボキャブラリーはないのか。
地下鉄でTower HillからMansionHouseに出て、St-Paul's大聖堂へ。これまたでかい建物だ…が、あいにく休みで入れず。周りはシティのビジネス街だけに、スーツ姿の人々がキビキビと行き交う姿が目立った。街の売店で週刊のサッカー新聞を(お土産にしようと)2部買ったら、店員のオッサンが「2つ?同じの?いいの?」とすっとんきょうな声を出していた。そりゃまあ、珍しい客なんだろうな。
また地下鉄に乗り、St.Paul'sからTottenham Court Roadへ。大英博物館(ここは入場料寄付制なので、ショップまで入るのも自由)でお土産を買う。Tシャツとか、チョコとか、あと文房具とか。
昼食は、博物館近くの「THE BLOOMSBURY TAVERN」というカフェで、またもエール・ビールとフィッシュ&チップス。エールを頼んだ時に「強いの?弱いの?」と聞かれたので「弱いの」と言ったら、「MASTER BREW KENTISH ALE」という銘柄が出てきた(あちらのパブはカウンター備え付けの銘柄札付きビールサーバーで入れてくれるので、わかりやすい)。これはエールの割に軽い飲み口のもので、やや物足りない感じもしたが昼飯時には十分だろう。それよりも、この店は本当に揚げたてアツアツのフィッシュ&チップスを出してくれたのがよかった。当たった!という感じ。酢をジャブジャブかけて食う。ウマい。
夕方、荷物をまとめてスケベそうなオッサンの運転する乗りごごち激悪の車でHeathrow空港へ。 また(行きとは別の)修学旅行生と一緒である。日本人は金持ちだ。空港の本屋で「アブラモビッチのチェルシー日記」とかいう(もちろん英語の)魅力的な本を見かけ、買うかどうかしばし迷い、自分の英語力を考えてやっぱり断念。
搭乗手続き時、思わぬ幸運。理由は不明だが(オーバーブッキングかな?)、座席がいきなり1ランク上の「プレミアムエコノミー」に変更されていた。実際にANAに乗り込んでみると、これがなんとビジネスクラスと同じ座席。19時予定のはずが混雑により待たされて20時の離陸になったものの、一旦飛んでしまえば超快適。夕食を食べて、あとはひたすら安眠して、この日は平穏に終わったのだった。
ということで、ロンドンに別れを告げた。終わってみればあっという間の滞在。この旅行記を書いている時間の方がよっぽど長いかも(笑)。全体的には、「お金はかかるが(あるいは、お金をかければ)非常にいいところ」という印象であった。色々な人に親切にしてもらったし。さらばロンドン、多分また来るだろう。