« ツール・ド・フランス開幕直前イベント | メイン | ツール・ド・フランス終了… »

2006年06月29日

●なんとまあもったいない… (スペイン×フランス)

決勝トーナメント1回戦最後の試合は、BShiの録画で観戦。スペイン 1-3 フランス。「なんでこの2チームがいきなり当たっちゃうのよ?もったいない!」と叫びたくなる好カードは、グループリーグの不調ぶりとは裏腹にフランスが素晴らしい戦いを見せ、見事逆転勝ち。一方、好調だったスペインはまたしても「無敵艦隊」の称号をつかみ損ねる結果に。


序盤はほぼ互角。高速パスワークにSBの上がりが加わるスペイン。「原点」とも言える4-5-1のソリッドな布陣から、ジダンとヴィエラを中心に機会をうかがうフランス。双方ともに守備もしっかり組織されていてなかなかチャンスは生まれないが、タイトな展開の中、個人の強さで上回るフランスが徐々に優勢に。23分、ジダンの浮き球スルーで右サイドアンリが抜け、えぐってクロスを入れるが飛び込むリベリーとヴィエラはともにシュートできず。

ところが、先制したのはスペイン。28分、CKからの2次攻撃でパブロが倒されて得たPKを、ヴィージャが決めた。スペインにすれば望外のリード。うまくコントロールしたいところだったが、フランスも黙ってはいない。41分、敵陣中央で縦パスを受けたヴィエラが巧みにボールを持ち直しながらスルーパス、抜けたリベリーがGKカシージャスを交わしてゲット。ここまで起用が疑問視されていた選手のゴール。フランスの意気は大いに上がり、雰囲気が逆転したところで前半終了。

それでも、後半の立ち上がりはスペインも持ち直し、「これはまだわからないぞ」という印象。52分、ジダンのスルーパスでDF裏に入ったマルーダのボレーはカシージャスが横っ跳びでギリギリセーブ。このプレーで危機感が高まったか、スペインはビージャとラウールを外してホアキンとガルシアを投入。しかし、この交代も状況を打開するに至らず、ややフランス優勢のまま時間が過ぎていく。スペインもよくパスは回すのだが、フランスの頑強な守備ブロックにはね返され続ける。

そして82分。体を入れてボールを奪ったかに見えたプジョールのプレーがファウルをとられ、ジダンがFKをゴール前へ。競り合いから逆サイドにボールが流れて、フリーになっていたヴィエラが気合一閃ヘディングシュート!ボールはセルヒオ・ラモスに当たってゴールへ吸い込まれていった。折り重なって喜ぶフランスイレブン。つーか、あれはちょっと重なりすぎだな。下になった選手が痛いってばよ(笑)。

「従来のひ弱さを払拭するにはここしかない」という状況に奮い立ったか、ここからスペインが猛反撃を見せる。アロンソが起点のパスを出し、ホアキンが4年前を思わせる豪快なドリブルで右サイドを何度も突破。40分にはクロスがトーレスに届けば…という場面もあったが、サニョルが際どくクリア。フランスの堅守は崩れない。逆にロスタイム、壁パスでスペースに抜けたジダンが切り返しでプジョールをかわしてシュートを決める。3-1。終わってみれば「フランス健在」のゲームだった。


「ああ、もったいない」というのが試合後の率直な感想。魅力的なパスサッカーを指向する若きスペイン代表は、もう少し長く観てみたい存在だった。今までの「所詮はこの程度だよな」とは明らかに異なる期待感があったのに。トーレス、ヴィージャ、ホアキン、セスク、セルヒオ・ラモス、アロンソ、カシージャス…まあ、彼らはまだ「次がある」のだけれど、ラウールは今回が最後だろう(泣)。ホント、決勝トーナメントともなると、楽しみなチームが次々去っていくのが寂しくて…。

一方、フランス代表は、ジダン、アンリ、マケレレ、ヴィエラ、テュラム、ヴィルトール、バルテズなど、4年前と同じようなメンツ。もっと言えば、彼らの多くは8年前の優勝メンバーでもある。フランスで栄光をつかみ、韓国で「落とし物」をした連中。さすがに今のチームは(さらにはジダンも!)これで見納めだろう。調子は上向きだし、ここまで来たらなんとかブラジルをぶっ倒してもらいたいものだと思う。個人的には、前の大会で切なくも魅力的な笑顔を見せてくれたトレセゲの活躍に期待。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://umanen.org/mt/mt-tb.cgi/2019

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)