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2005年10月22日

●東京ヴェルディ×FC東京


東京ヴェルディ1969 1-2 FC東京。東京が多くの時間ボールを支配しながら、なかなか決定機に持ち込めない展開。彼我が逆転したかのような「シンプルなサイド攻撃」でヴェルディに先制を許したが、前半最後に梶山が彼らしい巧みなシュートを決めて同点。後半も押し込みながらゴールを奪えず終了間際を迎えるも、ロスタイムにササが難しいシュートを撃ち抜いてゲット。劇的、と言っていいのかどうかはわからないけれども、とにかく逆転勝ち。


今日の東京、全体的にサッカーの内容も選手の動き(特にルーカスが…)もイマイチな印象。しかし、この試合は残留争いにとって決定的な意味をもち、おまけに「東京ダービー」であることも考えれば、「とにかく勝つ」ことが大事であった。そして選手たちは苦労しながらも90分間戦い続け、ベンチも適切な選手交代を断行。最後の最後の瀬戸際でようやく勝負をものにした。満足の行く結果を手にしたと言っていいだろう。

賞賛すべき選手としては、まず梶山を挙げたい。金沢や茂庭の助けもあったとはいえ、よく走りよく守備をしてチームを支えてくれた。何より、前へ出て攻撃に絡む場面が多かったのが良かった。前から書いているように、やはり彼は攻撃してナンボの選手である。同点ゴールは、先制されて反撃するもエンジンがかかりきらず、嫌な雰囲気になりかけていただけに大きかった。ドリブルで持ち上がってDFに遮られかけたところ、右足アウトでチョーンとコースへ飛ばし、ポストに当たってゴールイン。ちょっとロナウジーニョ入っていたかも。

次に、途中交代で逆転ゴールを決めたササ。ボールに触る機会は少なく、シュートももしかしたらこれ一本だったかもしれないけど、そこできっちり仕事するのはさすがリベルタドーレス杯得点王。カウンターの場面で右に流れてフリーになり、栗澤からのパスを受け、角度のないところだったが迷わずシュート!バックスタンド端から見ると、ゴールポストと高木の間をボールが弾丸のように抜ける様がよく見え、爽快感はとてつもなく大きかった。素晴らしい。こちらはちょっとエトー入っていたかも。

あと、DFでは茂庭の健闘が光った。スピードで勝負する森本・体の頑健さを前面に出すワシントンというタイプの異なる2人のFWを相手にし、速さと強さの両方で対抗して抑えきった。ジャーンの脚の不安をカバーして余りあるプレー。今やもっとも信頼できる選手と言っていいかもしれない。また、先発復帰した金沢もチームに安定感をもたらし、負傷をものともせず貢献してくれた。ベテランの頑張りには頭が下がる。

ちょっと残念だったのは憂太。今日はやや周りと合わない場面が多かった。闘志はいつも通りながら、きついマークに存在が消え気味の時間帯もあったし、後半何度かあったシュートチャンスで枠に飛ばせなかったのはいただけない。チームの将来を担うべき選手だけに、こういう試合でこそきっちり決めてほしいと思う。ただ、ミスの後のピッチを叩いて悔しがる姿には胸を打つものがあったし、終盤のセットプレー時にスタンドから沸き起る期待感はとにかくすごい。もっともっと高く!!

試合の詳細については、また後ほど観戦記にまとめる予定。


この勝利でチームは勝点35の9位に浮上。混戦のリーグだけに勝点3の威力は大きく、大宮戦の勝利と合わせてあっという間に1桁順位である。これでどうやら、残留争いの泥沼からは一歩抜け出せたようだ。さて、そこで問題は、これからの戦いだろうか。一戦一戦勝敗と内容を重視するのはもちろんとして(もう少し勝点取らないと「安全圏」ではないし)、天皇杯を本気で獲りに行くのかどうか、それとも来季に備えるのか。難しいところだとは思うが、個人的には、ここらで「05年ベストのFC東京」を見せてほしいとは思う。1年間苦しい思いをしたから、最後くらいは、ね(もっとも、「終わりよければ全てよし」でもないとも思うが)。

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コメント

勝ち点3の重みを実感しますねえ。

そうですね。
今季の東京、負け数は少ないんですけど、なにしろ引き分けの多さで勝点が伸び悩んでますからね…。

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