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2005年05月31日

●敗者がいるから勝者がいる、ということ

先週の日曜のオークスについては既に書いたとおりだが、「もう一度やれと言われてもできない」武豊の好騎乗によって輝いたのは、彼によって2位に導かれたエアメサイアだけではない。勝ったシーザリオもまた、最高の形で逃げ切りを図るエアをとらえきったことにより、その豪脚がより際立ったのは確かだろう。賞賛すべき敗者によって勝者が一層の輝きを見せる。同じパターンは今週の日本ダービーでも見られた。

佐藤哲三騎乗のインティライミ。常に好位につけ、4角2番手から直線最内をスムーズに抜け出して長い脚を使い、見事2着入選。ディープインパクト(今度はこちらが武豊)の陰に隠れてほとんど話題になっていないが、そのレースぶりは文句なしに素晴らしい。テレビ画面で見ると残り400~200mの上り坂でディープがなかなか前に出ず、一瞬「ひょっとすると」という考えも頭をよぎった。ディープインパクト相手にそう思わせるのは本当に凄いことである。

結果的には完敗ながら、3着につけた2馬身半差といい2分24秒1の好タイムといい、普通の年のダービーなら十分「勝負になる」パフォーマンスであったのは間違いない。そして、そんな馬がいたからこそ、最後の200m、一気に突き放して5馬身差をつけたディープインパクトの豪脚はより大きな快感をもたらしてくれたように思う。

エアメサイアといいインティライミといい、皮肉っぽい言い方をすれば「引き立て役になってしまった」ということになるのだろう。だけど、僕は勝ったディープインパクトやシーザリオの圧倒的な強さとともに、敗れた彼らの敢闘ぶりも決して忘れないだろう。そもそも彼ら(馬と騎手)が、渾身の技術と能力を持って本命に肉薄しなければ、つまりあれほどまでに強い馬を「引き立てる」ところまで行かなければ、レース自体はずっとあっけなく、味気ないものになっていたに違いない。一生に一度の大舞台で最強の相手と遭遇ししてしまった不運な、でも勝ち馬に迫る光を放っていた、そんな馬たちに感謝。

そういや、オークスではサンデーサイレンス産駒(エアメサイア)をスペシャルウィーク産駒(シーザリオ)が差しきり、ダービーではスペシャル産駒(インティライミ)をサンデー産駒(ディープインパクト)が差しきったのか。武豊は現役の頃のスペシャルの主戦騎手だったのに、どちらもサンデー産駒の方に乗ってたのか。なんか面白いな。

そんなこんなで、競馬熱(馬券熱はハズしてるからイマイチ(笑))が復活しつつある今日この頃、である。

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