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2005年05月17日

●『ウルトラQ』(続き)

『ウルトラQ』、DVDで残りの14話も見終わった。後半で出来のいいものをいくつか。

第16話『ガラモンの逆襲』。地球人に変装して暗躍する宇宙人。やがて世界各地へ隕石が落下し、中から怪獣ガラモンが現れる…。ガラモンの動きがチャチいのは残念だが、「地球侵略」という無謀なまでにスケールのでかいテーマが素晴らしい。機能停止したガラモンが変な泡吹くのも奇妙な味でよし(笑)。

第19話『2020年の挑戦』。自衛隊機の消滅を端緒に、各地で謎の人間蒸発事件が発生。それらの出来事は全て「神田博士とケムール人の交信記録」たる『2020年の挑戦』という本の記述通りだったが…。ミステリアスなタイトルバックの演出、次々と人が(主人公さえも!)消えていく描写の恐ろしさ、そして遊園地での対決。全編を覆う悪夢のような雰囲気が魅力的な一本。

第28話『あけてくれ!』。あるSF作家の空想が作り出した、理想の世界へ通じる謎の列車。そこへ迷い込んだ会社員は一旦は「あけてくれ!」と騒いて現実の世界へ戻ってくるものの…。シリーズ最終話は、ビターエンド、というわけでもないのだろうが、それまでの27話とは明らかに違う、大人、あるいは現実の世界の残酷さを(空想の裏返しとして)描いた物語である。SF作家役は天本英世さんが怪演。

28話を見渡してみて、野長瀬三摩地監督の作品(『ペギラが来た!』『バルンガ』『東京氷河期』『ガラモンの逆襲』等)は傑作揃い。全く知らなかった監督さんですが。あと、明らかな子供向け、ファンタジックな作品よりSF的な設定のしっかりしているものの方が出来がいいように思うのは単なる好みかな?

ちなみに、うちの近所のTSUTAYAでは『ウルトラQ』は「キッズビデオ」ということで1本210円。全部観ても1470円!これはお得だ…。


前半14話の感想はコチラ

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