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2005年05月06日

●『ウルトラQ』

ふと思い立ち、10日ほど前から『ウルトラQ』をDVDで見直している。とりあえず半分の14話まではクリア。日本初の特撮テレビ番組として名高い同番組だが、テレビ等での再放送の機会ももはやなく、まるで古文書に触れる時みたいに厳粛な気持ちになったりして。

で、実際に観てみた感想。全体的には当然古びているしいかにも子供向けなんだが、中には唸らされる回もある。第1話『ゴメスを倒せ!』のあまりのお粗末さを見た時にはどうしようかと思ったけれど、2話以降は割と素直に楽しめた。デジタル・リマスタリングされた画像は今どきの地上波番組よりも全然綺麗だし。

1話完結方式(主要登場人物はほぼ共通だが)のこの番組、傑作と思えるものをいくつか挙げると、

第3話『宇宙からの贈りもの』。失敗したはずの火星探査ロケットに積まれていた回収カプセルが突然海に落下、その中には火星人(?)からの「贈りもの」が積み込まれていた…。ミステリアスなタイトル音楽と完璧にマッチした冒頭シーン、スリリングなアクションと美しい特撮の連続、そしてあっけない結末を迎えたかに思えたところで実はまだ事件が終わっていなかった!というラスト。緊張感に溢れた傑作。

第5話『ペギラが来た!』。南極観測基地で巨大生物に追いつめられる隊員たちの恐怖。この回は特撮云々よりも、主人公万城目(佐原健二)とこの回限りのヒロイン久原羊子(田村奈己)との関係、感情の機微みたいなものが素晴らしい。つーか、田村さんの美しさにやられたです、ハイ。キリッとした表情がこれほど魅力的な女優さん、他に見たことがない。ラストの場面、おそらく好意を寄せ合っていただろう万城目を見送る時の表情なんてもう…。DVD買おうかな(笑)。

第14話『東京氷河期』。第5話の続編的な作品。空港での突然の凍結事故を端緒に、真夏の東京を大寒波が襲い、やがてその元凶ペギラが舞い降りる…。沸き立つ雲に覆われ、氷と雪に閉ざされる東京の(特に上空からの)ビジュアルがなかなか良い出来。

逆に、駄目だったのは第1話『ゴメスを倒せ!』、第6話『育てよ!カメ』あたりか。生意気にも自分がガキだった頃からそうだったんだけど、愚かなクソガキが活躍する話ってのはどうも受けつけんのよ。子供は好きなんだけど、ブラウン管の中の「いかにも」なガキは嫌い。あ、でも、第12話『鳥を見た』だけは、少年と鳥(実は怪物)の交流と別れが情緒たっぷりに描かれた佳作。


後半14話の感想はコチラ

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