●自信回復の1勝 (FC東京×サガン鳥栖)
FC東京 2−0 サガン鳥栖 (ナビスコカップ予選リーグ第4節 味の素スタジアム)
今季初黒星のリーグ戦から中3日で迎えたカップ戦。昨日は仕事関係の飲み会があって味スタには足を運べなかったので、今日になってスカパー!で録画観戦した。
序盤から組織守備が強みの両チームらしく、ステディな攻防が続いた。鳥栖が幾度かクロスを入れるも、東京はDF陣が落ち着いてはね返す。18分、東京がボックス周辺で回す場面、石川が左から中央に戻した速いパスを三田がトラップから左足一閃!ボールはGK林の横っ跳びも届かず右隅に決まった。速攻が決まらないと見て、引き過ぎのDFに対してミドルシュートに持ち込んだのは石川の好判断。1-0。
そこからは東京は焦らず後ろに重心を残し、三田・羽生が無尽の運動量でスペースを潰しつつ、アンカー高橋の着実なボールさばきから前線で石川・林が飛び出しを狙う。対する鳥栖は長身FWの山崎に当てようとするが、丸山・吉本がしっかり絡んで自由にさせない。東京の1点リードのまま前半が終了した。
後半の立ち上がりは一段ギアを上げた感じの東京が主導権を握る。相変わらず林は精力的に鳥栖DFの穴を突き続け、DFに競り勝ってヘッダーを撃つ場面もあったがこれはGK林の正面。そして57分、羽生のあっちむいてほいパスで太田が左サイドを突破。太田はDFが転倒したのを尻目に一気に切り込んでクロスを入れ、走り込んだ三田が技ありのシュートを右隅に流し込んだ。よっしゃよっしゃ。2-0。
その後は完全に東京のペースになり、攻撃陣と守備陣の足並みが乱れてぽっかり空いた鳥栖のバイタルエリアを使って幾度もチャンスを作る。ただし、左から切れ込んだ林のシュートはバーを叩き、東のクロスをスライディングで叩いた石川のボレーシュートもポストに当たって決まらず。それでも、最後まで相手に流れを渡すことなく、堅実な守備で時間を使い切った東京がそのまま2点差の勝利を収めた。
いやー、良かった。リーグ戦で負けた後だけに余計に。チームにとって自信になる1勝だろう。
この日の東京は森重、カニーニ、米本、梶山、武藤が怪我で欠場、ほぼ半分が「いつもは控え」のメンバーだった。特に守備については丸山・吉本のCBコンビなど心配が大きかったのだが、特段乱れることもなくいつもの守備システムが機能し、鳥栖がトヨグバや水沼・藤田あたりを欠いてたせいもあってさほど危なげなく守りきることができた。むしろレギュラー組のSB陣の守備に不満を感じたくらい(笑)。
攻めてはこの日のメンバーに合わせてやや長いボール多めの戦法が効果的で、林・石川の前へ出る速さが相手DFの脅威となっていた。で、DFラインを押し込んだところで二列目から飛び出した三田がきっちり仕事して2得点、と。文字にすると完璧にはまった感じだな(笑)。まあ、できればもう1点欲しかったところだけど、ゴールマウスの好セーブが続いたのと、あと三田はやや無理して3点目狙ってたよね。
いずれにせよ、普段なかなか先発できない選手たちがちゃんと機能して結果を出したのは、当たり前だがチームにとってプラスになるだろう。マッシモさんなら、その中からちゃんと前向きな部分をすくい上げて今後の起用に反映してくれるだろうし。
個々の選手では、三田がとにかく元気だった。広島戦敗戦の嫌なムードを一気に吹き飛ばす大活躍。三田と一緒に出ると羽生さんも過労死の心配がなくなっていいな、とか思ったりもして。それと攻撃陣では林ね。狭いところでDFとガチンコやれるファイター系のFWは貴重だし、加えて彼は意外と周りもよく見えてるんだよね。残念ながらこの試合では得点には至らなかったけど、今後も戦力になってくれるだろう。
ということで、これで東京はナビスコカップ予選Aグループ首位ですか。若手の粒は揃っているチームなので、複数タイトルの可能性を残してモチベーションの素と成長の機会をより多く確保するのがとにかく大事なんである。中島や、そろそろ平山も見てみたいよね。次も楽しみだ。
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