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2015年02月01日

●ワイルドナイツ連覇!! (LIXIL CUP 2015決勝)

はじめに。日本人に対する陰惨なテロでメディアは騒然としているようですが、テロというものが文字通り恐怖によって平和な日常を潰乱することを目的とする以上、奴らに対抗するために大切なのはこの日常をできる限り守っていくことだと僕は思います。


今日の午後は、秩父宮ラグビー場でラグビートップリーグ プレーオフ決勝。ヤマハ発動機ジュビロ 12-30 パナソニック ワイルドナイツ。尻上がりに調子を上げて怒涛の3連勝で勝ち上がってきたヤマハが王者パナソニックに挑んだ一戦。一進一退の攻防が続くタイトな試合となったが、鉄壁に近い防御を誇るワイルドナイツが快速ランナーたちの活躍で得たリードを守りきり、見事連覇を達成した。


強く風が舞う中でキックオフ。序盤は交互に点を取り合う展開となった。まず3分、バーンズがPGをポストに当てながら成功させてパナソニックが先制。しかしヤマハもすぐに反撃、ゴール正面のPGをあえて狙わず、深い位置の右ラインアウトから一気にモールを押し込んでトライを奪った。おそらく試合前から狙っていたプレーなのだろう、岩のように固くパックしたナイスモールだった。 7-3。

だが、この日のパナは動きが早い。不安定な風も味方につけてバーンズのキックでヤマハ陣深く入り、11分、連続攻撃からバーンズが右サイドへキックパス。跳ねたボールを余っていた霜村がキャッチし、絶妙のタイミングで北川に渡してトライをアシストした。7-8。ヤマハも冒険的なタックルで対抗しようとするが、22分、ヤマハの早い出足を逆手にとって笹倉が被タックル寸前に山田へパスを通し、快走した山田のグラバーキックをバーンズが押さえてトライ。7-13。

さらに28分、バーンズの短く速いパスで山田が抜け、力強い走りで蛇行しながら五郎丸らをまとめてかわして豪快なトライ!東芝戦の再現のような規格外のプレーだった。7-20。ここでさすがにヤマハも反撃、ゴール前の連続攻撃で稲垣をシンビンに追い込み、さらに中園が左隅にトライ。12-20。しかし追加点は奪えず、マレ・サウのミスなどもあって逆にパナがPGを追加して前半が終了した。

後半立ち上がりはヤマハが攻め込むものの、パナソニックはお得意のしなやかかつ強靭なDFで最後の突破を許さない。が、ここでパナにアクシデント。前半から足(腰?)を痛めて顔をしかめていたバーンズに加えて霜村とヒーナンも負傷。3人まとめて交代することになってしまった。時間はまだ25分ほど残っており、点差は11点。さらに笹倉も負傷交代するなど、予断を許さない状況が続く。

ところが、ここでワイルドナイツが底力を見せる。スクランブルで内田がWTBに入るなど攻撃の威力こそ鈍ったものの、守っては変わらず着実なタックルとDFラインの素早い再構成を繰り返し、決定的な突破を許さない。ジュビロはマレ・サウの突破力とすれ違いざまのパスで打開を図るが、22m内に入るのが精一杯だった。

そのうち、疲れからヤマハFWの戻りが遅くなり始め、ギリギリを狙うBKのパスワークにもミスが目立つようになっていく。そして76分、ヤマハのパスが乱れたところをピーターセンが拾って右タッチ際の北川へ。北川は持ち味のスピードを爆発させて一気に40mほどを駆け抜け、とどめのトライ。勝利を確信して抱き合うパナの選手たち。12-30。結局、そのまま18点差で試合終了となった。


終わってみれば、やはりパナソニックが強かったということになるのだろう。ヤマハの仕掛けをがっちりと受けとめながら自らの長所を生かし、負傷者続出のアクシデントにもひるまず勝利。横綱相撲であった。

目を見張ったのは、先週に引き続いて発揮されたパナのディフェンス力だ。一人一人のタックルの強さはもちろん、DFラインの再構成の速さ、守備者同士の距離感と配置の的確さ、そしてここぞという場面での力の結集度……トップリーグの上位陣の中でもやはり頭一つ抜けていることは間違いないだろう。リーグ戦では時折破綻することもあったが、まああれは力をセーブしてた(というかプレーオフになるともう一段上げるギアがあった)ということなのだろう。

加えて、攻撃の方ももちろん並じゃないから相手としてたらたまらんよなあ……MOMに選ばれた山田の超人ぶりはもちろん、復活したスピードスター北川の決定力、負傷しながら的確極まるキックとパスでチームを牽引したバーンズ、ピンチの場面で2〜3人分の仕事をしている堀江、クレバーな判断力が光った霜村。それにヒーナン、コリニアシ、劉ら代表級のFWが加わるんだから、そりゃあもう。

いや、ホント、ワイルドナイツは素晴らしかった。主力の世代的な充実度も含めて、王者たるにふさわしいチームだと思う。優勝おめでとう!もっとも、主力の多くがスーパーラグビーへの参加を控えていることとこの試合で負傷者が続出したことを考えると、日本選手権はわからないけれど。

一方のヤマハは、結果的にはかなわなかったけれどしっかりした戦いぶりで見せ場を作ってくれた。トライを奪ったゴール前の密集戦、果敢に前へ出るタックル、そしてすれ違いざまのパス突破。はまらなかったけれど、はまりかけた場面はあったし、少なくとも戦い方として間違っていたとは思わない。ただ、今回はこれが精一杯だったのだろう。強風は(キッカーの力量差を増幅して)不運だったね。

まあ、いずれにせよ、飽きることなく緊迫した80分間を楽しめたのは確かである。「強くなったチーム」を「さらに強いチーム」が上回った、ということでいいのかな。良い試合だった!!


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