●『アラジン』
引き続き子供のお供でディズニーDVDを観とるわけですが。第7弾は『アラジン』。
貧しくも心の美しい青年アラジンは相棒の猿アブーとともに、小さな盗みで糊口をしのぐ毎日。ところがある日、王国乗っ取りを図る大臣ジャファーにだまされて魔法の洞窟に送り込まれ、「三つの願いを叶えられる」魔法のランプを手に入れる。アラジンはランプの怪人ジーニーの力で王子に変身し王女ジャスミンにプロポーズするも、結婚の直前にジャファーにランプを奪われてしまい……。
この映画の最大の魅力はなんといっても、アラジンが魔法の絨毯にジャスミンを誘い、夜空の下のランデブーでそのハートを見事に射止める場面だろう。主題歌『A Whole New World』の流れる中、2人が絨毯に乗って、街の美しい夜景を、雄大な遺跡を、神秘的な白馬の群れを、眺めながら飛んでいくロマンティックなシーン。2人の感動が観ているこちらにもよく伝わってきた。
男女に限らんかもしれんけど、二人の仲を特別なものにするためにはやっぱり「特別な体験」の共有が一番。だから、たとえばデートともなれば上等なご飯を食べに行ったり美味しいお酒を飲みに行ったり綺麗な夜景を見に行ったり映画や芝居やスポーツを観に行ったりディズニーランドに行ったりするんだよね。そりゃ魔法の絨毯にはかなわないけど、大なり小なり感動はあるわけだ。
今まで見たディズニー映画でも必ずと言っていいほど男女が恋に落ちるシーンがあるのだけれど、あまりにあっさり恋仲になっちゃって「おいおい」と思うことがなくもなかった。でも、『アラジン』はこの絨毯での美しいランデブーのシーンがあるだけに、アラジンとジャスミンの恋はうん、なかなか説得力があるな、と。アラジンは抽象的な「王子様」でもないしね。
一緒に観ていた子供がどう思ったかわからんが、少なくともパパは「おお!」と思ったぞ(笑)。
物語の方も、特に終盤はスリリングな展開が続いた。悪役のジャファーがすっげー狡猾なのね。こいつ自体は催眠術の力しか持ってないんだけど、悪知恵でランプの力も悪用してどんどん強大になっていく。おまけに相棒のオウムのイアーゴもえらい憎らしくて。で、対照的にジーニーは無限にも思える力を持ってるんだけどいい奴すぎて、それもあって自分では窮地のアラジンを救えない……。
だが、最後、ついにジャファーがジーニー以上に強大になってしまい「こりゃあもう止められんべ」となったところで、アラジンの機転が大逆転をもたらす。こういう展開はやっぱり気持ちいい。キャラクターといい土壇場での機転といい、アラジンは『塔の上のラプンツェル』のフリン・ライダーと似てる所が多いんだが、ディズニーアニメはなんだかんだで共通点があるんだね。
あと、ジーニーについては、ロビン・ウィリアムズが声をあてていることもあるのかパロディやギャグがやたら多いキャラになっている。ランプの願い事の制限について「えー、3つだけ禁止事項がありましてぇ」なんて説明をしたり、顔が一瞬ピノキオになったり、ラストでは自由になってさあ旅に行くぞ!ってトランクにカメラと荷物を詰めて、頭にグーフィーの帽子をかぶって……おいおい(笑)。
つーか、日本語吹替版のジーニーは山寺宏一なのね。絶対日本語版にしかないギャグとかあるんだろうなあ……とか思いつつ(実際相当あるらしい)、さすがに聞き比べてはいない。イアーゴの声も聞き覚えあるな、と思ってたら、なんと神谷明。ジャファーは宝田明だし、声優陣は豪華である。アラジンは羽賀研二。いい声してるんだこれが。最近のバージョンだと別の人に替わってるらしいけど。
まあ、とにかく、なかなか面白い映画だった。さすがに40歳過ぎると「俺も魔法のランプ欲しいな!」とは思わなかったけどさ(笑)。
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