●ゆく人くる人2015 (ゆく人編 その2)
昨日のその1に引き続いてFC東京の移籍動向、「ゆく人編」その2。
渡邉千真選手 ヴィッセル神戸へ完全移籍のお知らせ (FC東京公式)
好きな選手の大きな放出なんだけど、予期していたのでショックは少ないというか。
全国高校サッカー(国見高校)や関東大学リーグ(早稲田大学)で大きな実績をあげ、Fマリノスに入団した年には13ゴールのJリーグ新人記録を作った大型ストライカー。その後もコンスタントに得点をあげて僕も実力を評価していたので、東京入りが決まった時はかなり嬉しかったのを覚えている。加入初年度こそ6ゴールにとどまったものの、2013年には17ゴールをあげてエースとして活躍した。
彼の魅力は左右どちらからでも強いボールが蹴られるシュート力。たとえば2013年のホーム名古屋戦やアウェイ湘南戦のほぼノーステップで決めたミドルシュートなんかは、そりゃあ鮮烈だった。加えて独特の愛嬌があって、ハットトリックで2点差をひっくり返した一昨年の鳥栖戦、「カズマックス!」ポーズで笑わせてくれたのも忘れがたい。そしていつも一生懸命な選手でもあった。
ただ、加賀ほどではないけれど(笑)、ちょっと不器用なところもある選手だったんだよね。全体がよくも悪くも割とルーズなサッカーだったポポヴィッチ時代はともかく、フィッカデンティ監督になってからはタイトな戦術の中で持ち味の豪快さも失われちゃって、妙にこじんまりしてしまった。昨季は何とシーズン3得点。本来の実力を考えれば、移籍は仕方のないところだろう。
行き先はヴィッセルか。ネルシーニョを監督として迎えるそうだから、あの知将がカズマックスという魅力的だが難しいところもある素材をどう料理するのか、それはそれで楽しみである。頑張れ!
選手の移籍とはちょっと違うけれども、これも「ああ」というニュースだった。
東京に来る前の順天堂大や磐田時代はとにかく「速い」イメージだったんだけど、移籍してきた2006年にはスピードに陰りが見えていたせいもあるのか、フィジカルよりも賢さが印象に残る選手だった。で、東京が迷走して苦しんでいた時代にベテランとしてチームを支え、その後もコーチとして残ってくれたのはファンにとっては嬉しいことで、チームにとっても実に有り難かったのではなかろうか。
まあ、ジュビロも、低迷している中でなんとか生え抜き中心に建て直そうとしているところみたいだし、ある意味自然な移籍ではあるのかな。とにかく頑張って良い人材を育ててくれるよう願ってます。白馬の戦いの後、劉備の下に去っていく関羽を見送る曹操の気分(笑)。
廣永遼太郎選手 サンフレッチェ広島へ完全移籍のお知らせ (FC東京公式)
正直なところ廣永についてはプレーを見たことがないので(ユースの試合を観たことはあったかも)書きようがないんだけど、生え抜きでトップチームの在籍も長かったんだね。「FC東京に、勝ち点1でさえ貢献できなかったことが悔しい」というコメントには胸を打たれた。20代半ばはGKとしてはまだまだ若く、一昨年まで連覇していたチームへの移籍は決して悪い話ではない。活躍を願いましょう。
てな感じで、退団する選手について一通り見てきたんだが……エドゥーはいったいどうなったんだ(前田が来るからOUTということなのかな)。あと、既に決まっているレンタル復帰や新加入、足らないと思われる補強のことも考えると、まだちょっと人数過多のような気もするね。どうなんだろう、期限付き移籍とかについてはこれからまた発表があるのだろうか。
(「くる人編」については、また後日。)
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