●そしてプレーオフへ (東芝×NTTコム、ヤマハ×パナソニック)
気がつけば国内ラグビーシーズンも佳境に近づき(というか昔は1月15日が最後の盛り上がりだったんだよな……)、トップリーグ2ndステージ最終節。昨日は現地とテレビでそれぞれ1試合を観戦した。
まずは秩父宮ラグビー場で東芝 31-14 NTTコミュニケーションズ。
前節サントリーと接戦を演じたNTTコムだったが、序盤から実力上位の東芝にペースを握られる。10分頃にゴール前で東芝ボールのスクラムとなると、組み負けたNTTコムが反則を連発、延々とやり直しが続いた末にペナルティトライとなって7-0。直後にNTTコムが自ゴール前でノックオンしてしまい(つくづく人間というのはやってはならん事をするもんだ)、再びスクラムからのペナルティトライで14-0。
その後は東芝がハンドリングエラーを連発して逸機を続けるも、FWのごり押しでジリジリとトライを重ね、一方NTTコムは思い切ったパス攻撃で見せ場を作るが決定力を欠いて得点を奪えない。後半半ばまでに31-0まで差が開いて勝負あり、終盤にようやくNTTコムが意地の2トライを返すも大勢に影響はなかった。結局、17点差で試合終了。東芝は勝点5を加えてプレーオフ進出を決定した。
とはいえ、試合後に冨岡監督(ついキャプテンと書きそうになるな(笑))がシブい顔をしていたように、東芝もミスが多くて試合内容は決して良いとは言えなかった。つーか、前半のウンザリするスクラム組み直しを含めてとにかくゴール前のゴニョゴニョばかりで……観客のため息が多い試合だった。
もう1試合、ヤマハ発動機 26-18 パナソニックはJSPORTSで録画観戦。
既にプレーオフ進出を決めている王者パナソニックに対し、4位の座をサントリーと争うヤマハが挑む一戦。開始早々SOバーンズがハーフウェー付近からのロングPGを2本決めるが、ヤマハもスピード感たっぷりのパス攻撃で反撃。19分、右タッチ際の細かいつなぎからWTB伊東が抜けてトライ。続いて25分、右中間のナイスモールからCTBマレ・サウがDFの隙間を力強く突破してトライ。14-6。
思わぬ連打をくらったパナは一段ギアを上げて攻勢に出るが、ヤマハは素早い寄せで得点を許さず、果敢な展開で反撃して一進一退が続く。46分、ヤマハは深く攻め込んで左LOからの連続攻撃、NO8堀江がDFラインの間を突いてリーグトライ王に並ぶタッチダウン。19-6。しかしパナも黙っておらず、51分、バーンズの絶妙のキックパスをNO8コリニアシが競り勝ってキャッチし、トライ。19-13。
だが、ヤマハは怯まない。59分、中央からパナSH田中が左展開しようとしたところ、パスを読みきった伊東が出足よくインターセプトして独走のトライ。26-13。これは本当に大きかった。その後はパナが前がかりの攻勢に出るも、ヤマハは粘り強いタックルとFWの健闘で決定打を許さず、追撃は終了間際の北川のトライのみ。勝点5を獲得したヤマハが見事プレーオフ進出を決めた。
こちらは見応えのある試合だった。理にかなった攻防と熱のこもったぶつかり合い。「どっちも強いなこりゃ」と思いながら観ていたが、「勝つしかない」ヤマハの方が少しだけいつも以上の力が出たのかな、と。小柄な伊東の活躍は特に印象的だった。
面白かったのは、序盤のスクラム周りで矢富と田中が延々とどつき合い、言葉でもやり合っていたこと。目の前の勝敗を巡る駆け引きはもちろん、同年代の日本代表SHというライバル意識もあったのだろう。田中が転げ回ってまでアピールする姿には思わず笑ってしまった。つか、30歳前後に代表級の選手を多く抱える両チームだけに、顔を見れば自然と燃えるものがあるのかもね。
最終節の結果により、プレーオフ進出は神戸製鋼、パナソニック、東芝、ヤマハに決定。まさかサントリーがプレーオフを逃すとは思わなかったけど、今年の混戦模様を考えるとまあ不思議ではないのかな。戦力や強化の経緯を考えるとヤマハの四強入りは快挙と言って良いかもしれない。
準決勝の組合せは神鋼×ヤマハ(花園)とパナソニック×東芝(秩父宮)。順当に行けば決勝は神鋼×パナソニックだろうが、今シーズンはわからないよね。今のヤマハの勢いは神鋼にとっても侮れないものだろうし、パナソニックは今季唯一東芝には連敗しているから。個人的にはノックアウトラウンドとなるとやはりパナソニックが強いと思うのだけれど、さてどうなるだろうか。
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