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2014年11月28日

●『シンデレラ』

ディズニーお姫様映画第3弾は、真打ち登場の『シンデレラ』

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この映画、もちろん粗筋は童話『灰かぶり姫』(ずっとグリムだと思ってたんだけど、シャルル・ペロー作、というかおそらくはもっと古くからの伝承なのね)をなぞっているのだが、他の童話原作の映画と比べてもディズニー独特の脚色の仕方が非常に興味深いんだよね。

序盤の30分くらいは家の中で鼠(シンデレラ派)と猫(継母&姉派)の『トムとジェリー』みたいな攻防戦が続いて少々退屈。でも、本筋に入ってから継母・姉の描写のエクストリームさ(笑)に目が離せなくなる。継母は風貌にせよ振る舞いにせよほとんど『白雪姫』や『眠れる〜』の悪の魔法使いと変わらない恐ろしさ・悪辣さだし、姉たちはいくらなんでもこれは不細工かつ馬鹿に描きすぎだろう、という。

特に凄まじかったのは、お城での舞踏会の直前、せっかくシンデレラの友達の動物たちが苦労して作り上げたドレスを寄ってたかって破き捨てる場面。愚かな姉たちはともかく、継母がほくそ笑みながら「おやめなさい」なんて口先だけで止める(そしてボロボロのシンデレラを放置)あたり鳥肌ものの悪辣さである。まるで往年の大映ドラマのようだ……そういや小泉今日子の『少女に何が起こったか』はシンデレラものだったな。

で、そんな継母&姉への観客の怒りがMAXに達したところで、待ってましたの妖精のおばあさん登場、なんだけど、何の脈絡もなく唐突に現れるんだな、これが。普通なら「何でやねん」というところなんだけど、そこで違和感がないのがディズニーマジックというか、おそらくあれは人間の姿をしたある種の抽象概念なのだろう。つまり「奇跡」という。シンデレラのボロボロの洋服が鮮やかなブルーのドレスに変身するところは屈指の名場面である。

物語終盤のアクションとどんでん返しもなかなか見応えがあった。ガラスの靴を携えた使者が到着する前に、全てに気づいた継母によってシンデレラが幽閉されちゃうし(その解放を巡ってシンデレラ派の動物たちと継母派の猫の死闘が!)、さああとはシンデレラが履くだけだ、という間際になって何と継母の妨害でガラスの靴は砕けてしまうのである(でも靴なんだもの、もう一足あるよね、というオチ)!面白え〜。

なんか、ディズニー映画を観るたびに同じ感想を抱いてしまうのけれど、子供向けだと思って侮っててごめんなさい、という感じである。実に楽しめた。うちの子供もかなり楽しんでくれている様子だが、僕の方が「次は何を観ようか」と楽しみにしてるんだもんなあ(笑)。次はやっぱり『リトル・マーメイド』かな。『アナと雪の女王』も観たいんだけど、できれば順につぶしていきたいんだよね。凝り性なんで。
 
 
[追記]

『シンデレラ』といえばグリム童話版での残酷描写(ガラスの靴に無理矢理足を合わせようとして姉が踵を切り落とす(!)とか)が思い浮かぶ一方で、図書館で見る紙芝居なんかだと継母&姉たちが改心してシンデレラも許しちゃったりするヌルい展開だったいして何だかなあと思ったりするんだが、この映画ではシンデレラの輿入れ以降の継母&姉たちの様子は描かれないんだよね。

駆けつけた犬に塔の上から落とされた継母派の猫はおそらく命が助からないだろう。そして、あの悪辣さを考えれば、継母&姉たちは縛り首か地下牢への投獄……。
 
と思ってたら、『シンデレラ2』なんてあるのか(『3』も)!なんじゃそりゃ!!
 
 
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