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2013年05月07日

●祝・リーグ戦初ドローってか (東京×磐田)

FC東京 2−2 ジュビロ磐田 (J1第10節 味の素スタジアム)
 
 
GW最後の日のデーゲーム。20度を超える陽気の中、ビールを片手に生観戦。

現在17位と不振の磐田が直前に森下監督を解任し、かつて東京のコーチであった長澤徹さんが暫定監督となって迎えた一戦。序盤から磐田はやや引き気味の4−4−2の陣形でソリッドなサッカーを見せ、東京はポゼッションで上回って押し上げるも崩しきれず、双方ともチャンスの少ないまま時間が進んでいく、という展開。東京は丁寧に回して組み立てようとするが、サイドに押し込まれて行き詰まる場面が多い。

26分にボックス付近のパスワークから東がフリーでゴール前へ入る場面があったが、伊野波が間一髪でブロック。直後、その伊野波が右CKのクロスにドンぴしゃで合わせ、ゴール左上に決まって磐田が先制した。伊野波はやはりいい選手だなあ……という感慨はともかく、東京DFはフリーで撃たせちゃいかんだろう、と。0−1。東京は前がかりになるが攻撃の精度が低く、むしろ磐田の方がいい形を作り始める。

39分、加賀の好カバーでピンチを防いだかに見えた直後、低いアーリークロスに対して不用意に足を出した秀人と入れ替わった小林が権田と一対一となり、あっさりシュートを決めて0−2。見ていて「あ〜あ」と脱力するような、何とも残念な失点だった。終了間際にはロングボールを収めた千真がボックス内でシュートする場面もあったが、川口能活が体でブロックして得点ならず。

後半に入っても東京の前がかりは続くが、バランスよく守りを固める磐田DFになかなかチャンスを作らせてもらえない。59分、ポポ監督が動き、ルーカス・加賀を外して李と石川を入れる交代策。しかし、李と千真の役割分担がうまく行かないことに加え、東は左サイドで躍動感を失い、米本も空回りのプレーが多い。アタッカーの呼吸が合わずにボールを失うシーンが続き、李が落としたボールを狙う石川のボレーも不発。

ようやく流れが変わったのは72分、千真OUT平山INの交代から。直後の73分、ボックス左でパスを受けた平山は巧みなドリブルでDFのタックルをかわしながらタッチライン際までえぐり、マイナスの折り返しを受けた石川が川口の足下を抜いた。見たか、平山の必殺チェンジアップドリブル(笑)。1−2。その後も平山は時には中盤まで下がりながらボールの収めどころとして機能し、攻勢を支える。あとは時間との勝負。

終盤になると東京は当然のごとくパワープレーが増え、磐田は山田を下げてDF山本を入れて対応しようとする。が、磐田の逃げ切りなるかと思えたロスタイム。アーリークロスに対して川口が弾き出したボールをタッチライン際で太田が拾い、折り返したボールを李がダイレクトで叩き込んだ。太田の諦めない気持ちが生んだ同点ゴール!さらに東京は勝ち越しを狙うがさすがにそれはかなわず、2−2でフルタイムとなった。
 
 
なんとも雑な試合だったなあというのが正直な感想。でも、負けなくてよかった。

前節が3日前の鳥栖アウェイ。その前も連戦続きで、加えて5月の陽気である。選手たちのコンディションは決して良くなかったのだろう。攻撃ではパスワークの中であと一歩が出ずにつながらないことが多かったし、セカンドボールへの出足もいつもより遅かった。守備でも1点目のマークミス、2点目の不用意なタックルはいずれも「おいおい」と言いたくなるプレーで、しかも周りのDFの多くも棒立ちになっていた。

それでも、そんなボロボロの状況からよくぞ同点まで持っていったものだと思う。特に平山が入ってからの20分間は攻撃の意図もはっきりして、集中力を保って畳みかけることができた。ポポさんが監督になってからはああいうシチュエーションで比較的淡泊になっちゃってた印象があるんだけど、でも今日は久しぶりにイケイケの攻勢を見せてくれた。本来のチームの特長とは別に、状況次第で時にはこういうのも必要なんだろう。

まあ、この試合については相手の采配に助けられた面もあるのかな、とはちょっと思う。足が止まり始めた後半半ば、東京は前がかりになる一方で中盤がスカスカになっており、しかも最も強力なDFである加賀は既にピッチにいなかった。あそこで磐田が逃げ切り一辺倒にならず、松浦や山崎を入れてきたら……と思うのだけど、結果論かな。でも、慎重さが消極性に転じて悪循環に陥るのは不調のチームによくあるんだよね。

ともかく、この引き分けはポジティブに受け止めたいな、と思う。前にも書いたように、昨年からの東京は引き分けが少なく勝ちと負けが拮抗するような状態でずっと来ている。今の勝点制度を考えたら引き分けの少なさそれ自体は悪いことじゃないんだけど、でも本当に強いチームというのは苦しい試合でもドローに持ち込んでしぶとく勝点を積み重ねるもの。粘り強さを身につければ、東京はもっと上に行けるはずだ。

個々の選手について。今回は東が良くなかったな、と。特に後半の左サイドに張りついている時間帯は全く精彩を欠いていた。疲れのせいもあるんだろうが、やはり基本ポジションは中寄りで考えた方がいいんだろうな。米本も空回りしていつもの良さが出ていなかった。徳永と高橋は守備で大きなポカがあった。太田は守備は相変わらず不安定なんだが、最後の攻勢では頑張って見事に帳尻を合わせてくれた感じ。

交代で出てきた3人はいずれも良かった。平山は動きは遅いんだけど体はキレていて、ボール扱いの巧みさや視野の広さは相変わらず。DFとしちゃやりにくいだろうな。李は常に何かをやってくれそうな雰囲気があって、今日は実際やってくれた、と。石川は全盛期のスピードはないけれど、きっちり仕事をしてくれたね。繰り返しになるけど、途中でがらりとサッカーを変えてそれなりに結果が出たのは収穫だろう。

ということで、何とか勝点1を獲得して5位をキープ。この後は湘南戦、清水戦、鹿島戦と続いてリーグ戦中断に入るスケジュールである。とりあえず湘南と鹿島には勝ちたいところだなあ、とは思いつつ、そんな皮算用通りに行った試しがないのがサッカー(笑)。とにかくガンバレー。
  

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