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2013年04月07日

●疲労と焦り、そして空回り (東京×大宮)

FC東京 0−1 大宮アルディージャ (J1第5節 味の素スタジアム)
 
 
横浜での悔しい敗戦から1週間、水曜にナビスコ杯を挟んで迎えた第5節。爆弾低気圧接近によりいつもより少し寂しいスタンドの味スタで観戦した。

序盤に主導権を握ったのは好調の大宮に見えた。守っては素早い守備陣形の構築ときめ細やかなチェック、攻めてはショートパスの交換から早めにDF裏を狙っていく、というベルデニックサッカーが機能していた。ただし、東京も受け身に回りながらDF陣が好カバーを見せて決定機を許さない。10分、森重が直接FKのはね返りを自らミドルシュート、左隅に飛んだボールをGK北野が横っ跳びでセーブする。

24分、ルーカスがファウル気味にボールを奪い、李が一気にボックス内へ突入するがDFに防がれる。25分、長谷川のクリアキックをカットした渡邉大が右サイドをえぐってクロス、加賀がズラタンと競り合いながら懸命にカットした。32分にはボックス周辺のしつこいパス回しから高橋のシュートがポスト左を抜けてヒヤリ。一進一退の攻防だが、東京はいつもに比べて前線〜中盤のプレスが効いていない印象であった。

34分、東を振り切って左サイドをえぐったチェのシュートはわずかにポスト右。40分、徳永のロングキック一発で右サイドを抜けた東が速いクロスを入れるも、ファーの李に合う寸前でDFがクリア。42分にはDF2人と勝負するルーカスが右サイドをえぐり、ファーでクロスを待ちかまえた千真が頭で叩きつける。決まったか、と思えたが、ボールはあえなくポスト左を抜けた。悲観も楽観もできない雰囲気でハーフタイムへ。

後半の立ち上がりは再び大宮ペースとなった。東京はアタッカー陣が揃って前に貼り付いてDF+ボランチとの間が開いてしまい、無理な楔や縦のフィードをはね返される場面が目立つ。見かねたポポが動いて53分に李OUTで米本IN。米本は彼らしいアグレッシブな守備と果敢な飛びだしでチームを活性化させようとする。55分、太田のクロスに長谷川が飛び込んでヘッダーを撃つも、DFがきわどくブロック。

しかし東京の攻勢は続かない。せっかく中盤を増やしたのに東は前に飛び出したがるばかりで戻りの早い大宮DFの中に埋没してしまい、ルーカスや千真も孤立して有効な攻撃を組み立てられない。57分、富山のミドルシュートを権田が横っ跳びで弾き出す。63分、渡邉大のクロスがあれよあれよとDFの間を抜け、ズラタンのシュートがわずか右に外れ。東京は中2日の疲れからか足が止まり始め、完全に停滞してしまう。

流れを変えようと東京が三田投入を用意した78分、大宮に決勝点が入る。左サイドのFKから入ったクロスに飛び出した権田が触れず、ズラタンがヘッダーを突き刺した。何ともあっけない失点。0-1。最後の10分は三田とネマを投入した東京が意地の攻勢をかけるも、87分、太田のクロスにドンぴしゃで合わせた千真のヘッダーは北野の体とゴールポストに当たってきわどく決まらず。結局そのまま試合終了となった。
 
 
世の中、うまく行かんもんよのー。

この日の東京は、今季の中では出来が良くない方だったと思う。全体的に動きは重く、守備の連動性も攻撃のダイナミズムもイマイチだった。後半の大部分で前後分離サッカーになっちゃっていたし。まあ、開幕1ヶ月で試合日程も詰まっていて、選手たちに疲労のたまる時期ではあるのだろう。ましてや大激戦の横浜戦の翌週で、ナビスコ名古屋戦からはわずか中2日のゲームだったのだから(中2日は相手も一緒だけど)。

あと、開幕2連勝してその後も決して悪くないサッカーをしながら意外と結果が出ていないことについて選手たちの間で少し焦りや迷いがあるのかな、とは思った。前線からボールを受けに下りるアタッカーが妙に少なかったり、「そこだ」というタイミングでパスやオーバーラップが出ないことが多かったり……特に東は古巣相手に加えて名古屋戦のPK失敗の責任を感じていたのか、妙に空回りしてしまっていた。

いい戦いをしているのになかなか結果が出ず、心理的に不安定になってしまい、次第に内容も悪くなって……という負のスパイラルはサッカーではまま見られることだけど、今の東京もそうした罠にはまりつつあるのだろうか。だとしたら、ここは踏ん張りどころではあるよな。リーグ戦3連敗は確かに憂慮すべきだが、まだまだ挽回可能な状況でもある。焦らず頑張ろう(と、自分にも言い聞かせる(笑))。

個々の選手については、東の空回りぶりは既に書いたとおり。変にスランプに落ちなければいいが、と心配。森重はいつになく不安定なプレーだったが、前半の負傷の影響が大きかったのだろう。次は大丈夫か?徳永は妙に消極的だった。長谷川はほぼフル稼働だけに一番疲れが出てきているのかもしれない。良かったのは加賀と米本。特に加賀は鋭いカバーリングが素晴らしく、勝っていれば間違いなくMOMだったと思う。

ということで、勝って勝って負けて負けて負けて……気がつけば順位も9位で「ほぼ定位置」に落ち着きつつあるな、と(笑)。たかが3連敗くらいで怒ったり諦めたりしても仕方がないとは思うのだけれど、シーズンのピークがホーム開幕戦でしたなんてのはシャレにならんので、そろそろ勝ってほしいというのが正直な気持ちでもある。次はアウェイで仙台、その次はホームで名古屋か。五分の星には戻したいよなー。

とりあえず赤嶺にボコられて負けるのだけは勘弁して欲しいな。カズマックス、けっぱれ。
 

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