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2013年03月25日

●次につながれこの勝利 (鹿島×東京ナビスコ テレビ観戦)

鹿島アントラーズ 2−4 FC東京 (ヤマザキナビスコカップ第2節 カシマサッカースタジアム)
 
 
開幕から快勝の2試合とやや停滞の2試合を経て迎えた今季5試合目。スカパー!でテレビ観戦した。

前半、主導権を握ったのはホームの鹿島だった。この日は小笠原・岩政・曽ヶ端らを休ませ若手をずらりと並べる顔ぶれとなったが、セレーゾ監督らしい統率のとれた守備から手数をかけず、ダヴィの突破力を生かしながらチャンスを作る。3分にはロングフィードで飛びだした前野が惜しいシュートを放ち、18分には遠藤のFKに合わせた西のバックヘッドがきわどくポスト左を抜けた。

対する東京は東をベンチに置いて河野が先発し、ボランチに野澤が、SBに丸山が入るまた新しいメンバー構成。ポゼッションはそれなりに高いものの鹿島DFのしつこいマークに手を焼き、連携の悪さもあってなかなか前に進めない。28分、丸山が前に出かけたところでボールを奪われ、ダヴィとのパス交換で右サイドに飛び出した大迫に逆サイドに突き刺す豪快なシュートを決められてしまう。0−1。

その後も鹿島ペースは続き、ダヴィがシュート寸前まで行く場面が幾度かあったものの、東京は森重らが粘りの守備で防ぐ。38分、丸山のクロスを受けたルーカスの反転シュートがポストを叩く。そして45分。FKのはね返りを拾った徳永の強烈なミドルシュートを、鹿島DF陣の手前にいた千真が反応良くコースを変えて左隅にゴールイン。1−1。機転の効いた一振りのお陰で同点でハーフタイムへ。

後半、選手交代によりゲームの様相は一変する。鹿島は負傷の大迫が下がって1トップとなり、東京は河野→東で千真・李の2トップに。東京が前線で圧力を強めたことで中盤守備がやや緩んで攻め合いのような形に。49分、オフサイドギリギリで飛び出した李へ千真がスルーパスを通して一対一となるが、GK佐藤が好セーブ。53分にも千真のポストプレーから李がシュートするもバーの上。

東京が勝ち越したのは57分。東と千真のパス&ゴーでDFが左方向に釣られたところ、パスを受けたルーカスが右斜めにダッシュして抜け、ゴール左にシュートを突き刺した。さりげなく見事な連携。2−1。その後も東京の優勢は続き、アタッカー4人のコンビネーションにDFの攻撃参加も加えて攻めたてる。鹿島も59分にダヴィが猛ダッシュで森重を振り切るが、シュートは塩田が体で防いだ。

流れを取り戻したい鹿島は68分に柴崎・土居を投入。柴崎が入ったことでパス回しが滑らかになり、鹿島の押し込む姿が目立つように。しかし東京も慌てず途中出場した三田の運動量を生かしつつ自陣を固め、逆に77分、太田の低く速いアーリークロスに反応した李が柴崎を振り切ってダイビングヘッドを流し込む。3−1。ところが直後の78分、ボックス内でクロスを受けたダヴィが加賀を押し倒しながら反転シュートを左隅に決めて3−2。まだわからない。

勝負を決める1点が入ったのは81分だった。李が出足良く高い位置でボールを奪ってショートカウンターになった場面。ポストの千真が右へ展開し、猛然と飛び出す李の速いクロスに東が左足で合わせると、ボールは佐藤の逆を突いて右隅に転がり込んだ。素早い攻守の切り替えと連動するアタッカーの動きが生んだ素晴らしい得点。後は悠々と時間を使って、4−2で終了のホイッスルを迎えた。
 
 
鳥栖戦に続いてお試し的な選手起用で臨んだ第2節だが、今度は結果も伴って良かった良かった。

勝敗を左右したのは選手交代。前半の東京は両サイドが相手のSBに引っ張られて何もできなかったのだが、後半は4枚のアタッカーが流動的に動くことで鹿島DFが混乱し、できたマークのズレやミスマッチが3得点に結びついた。中盤守備は(三田投入まで)互いに緩くなったようにも見えたけれども、単純に双方の攻撃陣と守備陣の力量を比べたらこの日は東京に分があった。鹿島としては、大迫の負傷で攻撃がダヴィ頼みになってしまったのも痛かったろう。

鹿島が1.5軍編成であったことを考えれば評価は割り引くべきだろうし、大迫の怪我がなければ少し結果は違ったかもしれない。前半ははっきり劣勢だったし。それでも、相手と状況に応じて試合中にやり方を変えて、それが結果に結びついたことは素直に喜びたい。1トップと2トップのどちらが良いとかそういう話ではなくて、長いシーズンを戦いぬくにはチームとして柔軟性と懐の深さが必要ということである。

なんというか、大分戦と柏戦はどちらかと言えば各選手がポジションを守りながらきっちり連動してたけど、この試合(の後半)は高い流動性の中で連動してる感じなんだよね。いずれにせよ中心でくるくるとプロペラを回しているのは東であり、両足を伸ばして幅を広げているのは長谷川なんだけど。彼らをしっかり軸に据えながらバリエーションを増やしていけば、東京はもっともっと強くなれる。

しかし、2点目と4点目にはシビれたなあ。囮となってルーカスの突破をサポートした千真と東の猛ダッシュ。李の攻撃的守備からの目の覚めるような逆襲速攻と、東が見せた超絶ダイレクトボレー(あれ、咄嗟に蹴り足を替えてるよな)。特に東のシュートは、ボールスピードが遅いだけに快感度が高かった。反応できなかった佐藤が転がり込むボールを見て天を仰ぐ姿にはこたえられんものがあった(笑)。

あと、渡邉千真と李忠成の2トップが機能したのはちょっとした嬉しい誤算。得点で気分良くなった李が「俺様のクロスを受けろ!」ってな感じでアシストしたり、千真が献身的にポストとなって李にシュートさせるあたりは予想の範囲内だったけど、千真が李に絶妙のスルーパスを通したのには驚かされた。李が来た時には「どっち使うんだおい」と思ったもんだけど、こりゃ併用は大いにアリだな、と。

まあ、とにかく、良い意味で「次だ、次」と言いたい試合ではあった。早く次の試合が観たいという。で、えーと次の試合は……リーグ戦で相手は5連勝中の横浜か。楽しみじゃないの!
 

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