« やっぱ負けりゃ悔しいよね (第92回天皇杯決勝) | メイン | 土肥さん、お疲れ様っす »

2013年01月16日

●「レンタル」とは言ってもさ

椋原健太選手セレッソ大阪へ期限付き移籍のお知らせ(FC東京公式)

羽生直剛選手ヴァンフォーレ甲府へ期限付き移籍のお知らせ(FC東京公式)
 
 
毎年の事ながらこの時期になると選手の出入りが気になるよね、ということで。

椋原も羽生も本人がコメントしているとおり、とにかく出場機会を求めての移籍ということなのだろう。どちらも妥当な判断ではないかな、と思う。

むっくんは昨季公式戦28試合に出場しているけど、太田が怪我から復帰して徳永と左右を固めることになればSB陣では3番手。最近は攻撃で思いがけぬ得点やアシストを決める一方で、本来の持ち味の守備はやや淡泊な印象があった。ここらで一皮むける機会が欲しい、と言われれば「なるほど」である。セレッソのDFならば東京よりも層は薄かろうし……と思ったところで新井場加入のニュースが。大丈夫か(笑)。

羽生の方は、昨シーズンは公式戦19試合出場どまり。怪我もあったにせよ、実力に相応した活躍ができたとは言い難く、ダイナミズムよりボール支配と「まとまり」を重視するポポサッカーとのマッチングはいまいちの感があった。持ち前の運動量と思い切りの良さは健在で、僕も好きなタイプの選手なんだけど、33歳という年齢を考えたらよりシンクロ率の高い城福さんの下でやるのは正解ではないだろうか。

いずれにせよ、サッカー選手というのは(程度の差はあれ)クラブに来ては去り、あるいはチームの間を流れて行くもの。どちらも数年間に渡って東京に多大な貢献をしてくれた選手だけに移籍に対して寂しさは禁じ得ないけれど、今後も元気に頑張ってほしいし、対戦する事になったらなったでそのプレーを見るのが楽しみでもある。コメントを読む限りでは、2人とももう戻ってこないんだろうな……。

というところで終われば、よくある送別記事である。だが、今回はちょっと引っかかる部分があったのだ。

日本サッカー協会の規程改正により、来季からレンタル移籍において移籍元クラブとの試合への出場に制限が設けられた場合、その条件を公表する事が義務づけられた。これに基づいて椋原・羽生とも「FC東京と対戦する全ての公式戦に出場できない」という告知が東京の公式サイトに掲載され、椋原については上のリンクにある通り、それが同日訂正されるというドタバタがあったのはご存じの方も多いだろう。

そのドタバタの際、(記載ミスの件はすぐに訂正されたにも関わらず)感情的にチームをなじる物言いがツイッターなどで見られたのは残念だったけれども、まあ椋原と羽生の移籍を惜しむ気持ちの現れであると考えればわからなくもない。僕が大きな違和感を感じたのは、羽生の出場制限について「当然の措置」とみなす人、あるいは椋原が出場制限を課されなかったことについて批判する人がかなり多かったことである。「え、そうなの?」と。

そうした出場制限条項というのは、あまり表に出ないだけで従来も存在してきたようだ。もしかしたら、ある種のグローバルスタンダード的な常識なのかもしれない。ただ、どうも僕は同意しかねるんだよな。もちろんレンタルで送り出す側からすれば、出場制限は相手の戦力アップを防ぐのだから理に適ったことなのだろう。でも、リーグ全体の振興、あるいはいちサッカーファンとしての視点で見るならば、また違った結論が出るのではないのかな、と。

例えば、羽生が来シーズン出られなくなるのは、最低でも東京とのリーグ戦2試合、仮にナビスコカップや天皇杯でも対戦することになった場合は最大5試合くらいになるのだろう。これは決して小さな数字ではない。

羽生のような選手が数試合出られなくなることによるサッカー界の損失(ちと大げさか?)は馬鹿にならないと思うし、また東京ファンとしての僕にとっても羽生がいるヴァンフォーレと対戦するのは楽しみでもあるわけで、東京が得られる戦力的なメリットは果たしてそれらに見合うものなのだろうか。もっと言えば、33歳になって出場機会を求めて出て行く選手(しかも功労者)の出場機会を奪うことは、果たして許されるべきなんだろうか、とも思う。

少なくとも、出場制限条項について「当然」もしくは「課さないのは馬鹿」などとは言えないのではないか。そう考えるのだが、どうだろう。

まあ、意地悪な見方をすると、椋原の契約に出場制限条項を付けずに羽生の方の契約に付いているのは、後者は対戦相手として大きな脅威だが前者は大したことないとFC東京が考えてるんだろうな、とか……むっくんホントに大丈夫なんだろうか(笑)。逆に言えば、椋原の方は伸び伸びやらせて実力を付けたら復帰もあり得るのかな、とか。2人の契約の違いについては理由をちょっと知りたいな、と思わないでもない。

とにかく、サッカー選手は出てナンボですよ、出て!!……というのは無理矢理なまとめか(笑)。そもそも「期限付き移籍」を「レンタル」と言い換えていいのかどうか、というあたりも整理しないといかんけどなあ。
 

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://umanen.org/mt/mt-tb.cgi/2712

コメント

murataさん、更新再開してくれてうれしいです。

私自身も、味スタで「羽生さんを擁する城福甲府と丁々発止の戦いの末、東京が勝つ!」というのを見たいですね。そしてそれが自らがいちばん望んでいるものだと、いま現在気づいてない東京ファンも多いのではないかと思います。

二人の扱いの違いですが、むっくんについてはmurataさんとは違って、将来必ず戻る、というかクラブが来年にでも「戻す」であろうと考えています。徳永の壁は厚いけれど今年で30歳だし、太田はいつ海外に行くか分からないし、北斗は怪我が多くてあまりあてにできないしで。

で、むっくんを武者修行に出すのはいいとして、もし私がクルピだったらどうするか。若手で、すぐに戻る選手で、出場制限がある選手よりはベテラン新井場を使いますよ。つまり、椋原の成長機会を可能な限り確保するという考え方でのレンタル契約ではないかと。

羽生さんについては、出来れば羽生を手放したくなかった東京と、なるべくレンタル料を押さえたい甲府の利害が一致したのではないかと邪知しています。

>kwbrさん

コメントありがとうございます。1年ぶりに更新を始めて、次の更新がまた1年後ではシャレにならないので(笑)、細々マイペースでやろうかと。

なるほど、むっくんは東京も確かに将来の戦力として考えているかもしれないですね。今年はともかく、仰るとおり徳永・太田体制はそれほど長くないかもしれないですし。

まあ、僕としては、とにかく羽生も椋原も東京戦でプレーを見たいよなあ、と。ファンとしての願望とクラブとしての合理的行動が一致しないのは承知なんですけどね。

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)