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2011年03月03日

●うまねん的2011年シーズンプレビュー(後編)

というわけで、3夜連続(こんな更新頻度、少なくとも当分の間はあり得ないな……)のプレビューも最終回。今回はシーズンのスケジュール、FC東京のチームとしての目標とライバル、そして最後に僕が個人的に求めるものについて書いてみようか。
 
 
[スケジュールについて]

今シーズンのJ2は20チームのホーム&アウェーで行われるため、東京が戦うのは38試合となる。数年前のように40数試合もこなさなければならない訳ではなく、GWを除けばほぼ1週間に1試合のペース。これはJ2慣れしていないチームにとってはありがたいというか、昨季までのようにどこかで過密日程に悩まされる、というのはおそらくないのではなかろうか。ちなみに12年前のJ2は、10チームがホーム&アウェーを2回繰り返す方式(36試合)だった。

よって、東京にとって大敵となるのは、日程そのものよりも慣れぬ対戦相手と遠征先、そしてA代表・U22代表との日程重複となるだろう。東京は戦力的に「優勝候補」との呼び声も高いため、多くのチームから厳しいマークに遭うのは避け難い。また、北海道から九州(4チーム!)まで移動しなければならないのもストレスになる。加えて優れたタレントを有するがゆえに、主力をたびたび代表へ拠出しなければならないジレンマ。タフな戦いになるのは間違いない。

まあ、ここら辺は変な話、ファンとしては「うまくやってくれ」と祈るしかないというか。FC東京というチームが慣れぬJ2を乗り切れるだけの、(ピッチの上に限らない)総合力を発揮してくれることを願うしかないのかもしれない。特に大熊監督には豊富な駒をうまく「回していく」能力も求められるわけで……大丈夫かなあ(笑)。ちょっと心配。


[今シーズンの目標とライバルについて]

言うまでもなく目標は「J1昇格」だ。これ以外にはない、と言ってもいい。極端な話、3位以上であれば何位であろうと「成功」だし、4位以下であれば何位であろうと「失敗」である。それはチームもわかっていて、だからこそ過剰とも思えるほどの戦力強化が行われたわけだ。もし今季昇格を逃したら、今度こそ主力選手の多くは移籍を選択するだろう。見放すファンもこのオフとは比べものにならないほど増え、チームは大幅な縮小を余儀なくされるかもしれない。

目標が明らかである(全ては昇格のために!)ことは、チームの意思統一をする上で有利に働くのは間違いない。だがその一方で、優勝候補に挙げられるとともに「絶対に昇格しなければならない」という状況が選手やスタッフにとって大きなプレッシャーになることも考えられる。

まあ、そこら辺は気の持ちようというか、たびたび昔の話を持ち出して恐縮だが、1999年の東京だって優勝候補だったのに、内容的に苦しんだ挙句ギリギリ2位に滑りこむ有様だった。でも、当時それを咎める人は誰もいなかった(と思う)。だから今季も、たとえどんな状況になっても慌てず騒がず、「最後に3位になればいいんだ」と落ち着くことが何よりも大事になるのだろう。未だメンタル的に強いチームとは思えないだけに、パニックになるのが一番怖い。

昇格争いのライバルは京都、千葉、湘南、ヴェルディ、横浜FCあたりになるだろうか。京都は破壊力のある外国人選手が残留しており、千葉も戦力的にはトップクラス。湘南と横浜FCは優れたコーチに率いられているのが強みである。やっかいなのはやはりヴェルディで、多少選手を引き抜かれたとはいえ川勝監督の下でしっかりしたカラーを持つチームであり、J2の戦いにも慣れている。秋の東京ダービーは文字通りの「決戦」になるかもしれない。楽しみだ。


[今季の東京に求めたいもの]

最後に、僕が、今シーズン個人的に期待していることをつらつらと書いておこうか。

もちろん第一の願いは「J1昇格」だ。昨年12月の西京極で味わった何ともいえない寂しさというか虚脱感というか哀しさというか……見た目には淡々としていたかもしれないけど、やはりあれは忘れ難い経験。それは多くの東京ファンにとっても同じではないだろうか。その憂さを晴らすには、もう一度自分たちの力でJ1復帰を決めてしまうしかないのである。僕も昇格さえ決めてくれれば、あとは試合内容や多少の浮き沈みに関しては文句言うまい、とは思う。

ただ、そうは言いながらも、正直なところそれ以上の事を期待してしまう自分がいるのも否定できない。あくまで、ファンの勝手な期待ではあるんだけど。

まずは「優勝」。カテゴリーに関わらず、東京は今のクラブ形態になってからトップチームがリーグ戦で優勝した経験がない(1998年に東京ガスとしてJFLでは優勝した)。もちろん1部と2部ではレベルが大いに違うにせよ、将来J1での優勝を目指すためにも、ここでリーグ戦における勝ち方を知っておく、ないし勝ち癖をつけておくのはけっこう重要な事ではないかと思うのだ。そして何より、やっぱり「優勝」って気持ちいいよな、というシンプルな思い。

また、仮に1年で昇格を決めたとしても、その後再び昨年と同じ過ちを繰り返してしまっては仕方がない、という気持ちもある。そう、今シーズンは、考えようによっては来年以降に向けての助走の年でもあるのだ。J1に復帰した上でさらに次の飛躍を目指す。そのためには、大熊監督の強調するところの「サッカーの本質」を再びチームに根付かせ、レベルアップを果たさなければならない。かつて佐藤由紀彦が言ったように「J2は魂が磨かれる場所」なのだから。
 
 
……って、我ながら勝手なことばかり書いてるな(笑)。もしかしたらキャンプやプレシーズンマッチを現場で見た人やJ2事情に詳しい人からは「んな甘いもんじゃないぞ!」というお叱りを受けるのかもしれない。でもいいじゃないか、と思う。開幕前というのはあらゆるチームのファンが平等に夢を見ることができる、数少ない期間なんだから。今年の終わりに、あるいは来年の初めに僕たちが笑っているか泣いているか怒っているか……それはそれで本当に楽しみだ。

いやあ、いよいよ始まるね。

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コメント

今日はとにかく結果がでてよかった!
これもJ2ですね!
最後に笑えるシーズンになりますように…
今年もブログ楽しみにしてますよろしくお願いします!

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