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2011年03月02日

●うまねん的2011年シーズンプレビュー(中編)

FC東京のシーズンプレビューの第2回は、前回に引き続いて2011年の布陣を見ることにしよう。今日は中盤~前線の選手である。DF陣だけでも「おいおいこんなに使えないだろ!」とツッコミを入れたくなるメンツ(ノースを本当に獲得したらなおさら)ではあったが、攻撃の選手はそれどころではない顔ぶれとなった。
 
 
[MF]

松下が仙台、幸野が大分、平出が富山へレンタル移籍……といっても10代の2人は出場機会がほとんどなく、松下もポテンシャルを発揮できていない状態だったのでダメージは少ない。それよりも石川・羽生・梶山・米本といった主力を残留させることに成功し、加えて千葉から曲者・谷澤を、横浜FCからホベルトを、札幌から上里を獲得。大竹、田邉、中村北斗も競争に加わっており、水戸からは下田も戻ってきた。冗談抜きで「2チーム作れる」だけの駒揃えである。

注目は、まずは谷澤。前々回のエントリーでも書いたが、バランスのとれた高い能力を持っている上に、「どくさいスイッチ」の件を持ち出すまでもなく相手チームにイヤ~な感じを与えられる選手であるのが頼もしい。つーか、面白いことになりそうだな、と(笑)。これまで東京というチームは馬場・大竹を除けば「いかにも攻撃的MFっぽい選手」がやや少なかった(由紀彦は微妙かな)ように思うので、そういう意味でも楽しみである。まだ10番はやらんけどな!

もう一つ、大きい補強だと思えるのはホベルトだ。ずっと欲しかった中盤のブラジル人であり、ずっと欲しかった下がり目の闘将タイプであり、ずっと欲しかったベテランである。米本・梶山が完調ならばスタメンは難しいかもしれないが、豊かな経験はチームに新たな力をもたらしてくれるはず。上里・下田と合わせて、米本・梶山が何らかの理由でチームを離れた際の心細さは大幅に軽減されたと言っていいだろう。いざとなれば今野・森重・高橋もいるわけだし。

あと、こんな感じで中盤に的確(だよね?)な補強が行われると、これまでチームを縁の下で支えてくれた羽生の存在が霞んじゃいそうにも思えるんだけど、どうだろう。案外「リンクマン」としての役割から解き放たれて、無尽のフリーランニングを武器に大爆発したりしてね。レアル・マドリーにおいて最も重要な選手が「羽生さんと同じ星からやってきた」エジルであるように。
 
 
[FW]

ここは出入りが激しい。大黒が横浜へ移り、赤嶺が仙台へ重松が福岡へレンタル移籍。リカルジーニョと前田もいなくなった。代わりに加入したのがペドロ・ジュニオールにロベルトセザー、そして大分から高松。穴が埋まったというより全く新しいアタッカー陣になったという印象である。PJは性格に難ありとは言われていたが能力は折り紙付きで、二桁はとってくれるのではないか。ロベルトセザーは未知の選手だが、身体能力に期待。高松ももちろん一流選手だ。

(……などと書いていたら、ペドロ君が練習試合で靱帯損傷、開幕戦は出られないとの報道が。たくさん獲っておいて良かった(笑)!)

とはいえ、FWの中心として働かなくてはならないのはやはり平山、ということになるのだろう。高校選手権の怪物ストライカーも今年で26歳。前線で収めて球を散らす仕事ではこれまでもチームに貢献してきた。目を見張らせるゴールも時折決めてはいる。でも、長丁場のJ2でエースに求められるのはコンスタントに得点することだろう。彼には昨年の7ゴールから二桁、いや倍増くらいはとってもらいたいものだと思う。それくらいの潜在能力は、きっと、ある。

あ、そういや鈴木達也も残ってるんだね。どうも昨年は複数ポジションで器用さを求められすぎたせいもあるのか中途半端というか、角がとれていたような感じもあったので、厳しい競争の中で覚醒してほしいものである。個人的にとても好きな選手でもあるので。
 
 
てなことで一通り見てきたわけだが、(特に中盤~前線の)駒は十分すぎるほどに揃った。あとは競争と組合せでチーム力を上げていけば、ということで、大熊監督の腕の見せ所となるのだろう。つーか、ホント、ここまで選手を集めちゃうとスタメンで出られない選手のモチベーションやコンディションが心配になるくらい。そういう意味では、昨シーズンも「なかなか出られない」状態にあった大竹あたりがやる気満々で頑張っているのは凄くいいことだと思ったりもする。

いやー、何かこのメンツでどんなサッカーをやってくれるんだろうと、今から本当に楽しみである。プレゼントの箱のリボンを解いて、さあこれから開けようとしてるような気分。ワクワクドキドキ、みたいな。ただ、まあ、いざパッと開けたら中がスカスカでガッカリ、なんてことは世の中いくらでもあるわけで……いや、いかんいかん(笑)。
 
 
(後編に続く)

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