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2010年09月25日

●悔しいな、本当に悔しいよ (FC東京×大宮アルディージャ)


今日の午後は、味の素スタジアムでJ1第24節。FC東京 0−1 大宮アルディージャ。浦和・磐田に連敗を喫して16位に転落、窮地の中でとうとう城福監督解任という事態にまで至ってしまった我らが東京。大熊新監督が就任しての初戦は14位大宮との「残留デスマッチ第1戦」であった。試合は、後半途中まで東京が優位に進めてシュート20本を撃ちながら先制できず、逆に大宮にゴールを許して悔しい敗戦。これでリーグ戦は3連敗となってしまった。
 
 
午後1時開始ということもあり、やや暑さの残る中でキックオフ。まずはホームの東京がペースを握る展開となった。5分にリカルジーニョが、8分に石川が撃ったミドルシュートをGK北野がキャッチ。東京は平山が久しぶりに先発し、左右にリカと石川が張る布陣。梶山を欠く中盤は森重が何とかさばき、サイド展開を軸に長短のパスを交えてバランス良く攻めて行く。11分、中村北斗の威力あるFKを北野が弾いて波状攻撃となるが、クロスはいずれもDFがクリア。

一方の大宮は引き気味にゾーンで守り、粘り強い守備からシンプルにFWを走らせるカウンター調のサッカー。17分、ロングパス一発でラファエルが抜けたが、前に出る権田を避けたシュートは枠を外れた。全体的には東京の攻勢が続く。この日働きが目立ったのは平山で、懐の深いキープから的確にボールを散らして二列目以降の上がりを引き出す。18分、ロングボールを平山が落とし、森重が巧くDFの背後に走り込むもシュートは外れてしまった。惜っしい!

34分、左CKを今野が折り返し、森重が飛び込むが北野へのファウルで逸機。40分、速攻から右に張った平山の折り返しを森重がシュートするが、DFがブロック。45分、森重の楔のパスを平山が右にはたいて椋原がDFとGKの間を抜くクロス、ファーでリカがシュートするも、DFがゴールライン上でクリア。他にもいくつか好機はあるのだがなかなか得点にならない。逆に41分、大宮のカウンターから藤本が撃ったシュートは権田がセーブ。0−0で後半へ。
 
 
後半も立ち上がりは東京ペース。開始直後、リカのヒールパスで左サイドを抜けた北斗のコントロールシュートがポストを直撃。47分、リカのクロスを平山がDFを背負いながら落とし、大黒がボレーで狙うも北野がキャッチ。52分には森重が後方からのパスをダイレクトで前へ送り、DFラインが処理しきれないところを平山が拾ってシュート、これも北野が弾き出す。押し続けながらも1点が奪えない嫌な展開。57分、疲れの見える大黒に代えて大竹投入。

大竹が入ったことで攻撃は加速するかに思えたのだが……59分、東京のカウンター、DFを振り切って北斗が中央を突進、パスを受けた左サイドの平山が中へ折り返し、ニアに石川が飛び込むが北野に防がれて決まらず。65分、ボックス右手前からのFKを大竹が狙うもわずかにバーの上。どうしても決まらない。そうしているうちに前半飛ばしたことに加えて暑さもあるのか、東京DFの反応の遅れが目立ってきた。大宮は藤本→石原、東京はリカ→重松の交代。

68分、大宮は逆襲速攻で李天秀が右サイドを突破、折り返しをラファエルがダイレクトで叩き、ボールは権田の横っ跳びも届かずゴール左上に決まった……かに見えた場面は、バーに当たってノーゴールの判定。命拾い。しかしこの辺りからゲームは大宮ペースに。70分、スルーパス一発で抜け出した石原のシュートがポスト左をかすめた。東京は平山にロングボールを当ててもセカンドボールを拾えなくなり、特に中盤の要の森重はガクッと運動量が落ちてしまう。

そして72分、右サイド突破したラファエルのクロスを椋原に競り勝った金久保がヘディングシュート、権田の手を弾いて決まった。0−1。足が止まったところでのこの失点は痛恨である。先制した大宮はゆっくり回すようになり、東京はボールを奪えないまま時間ばかりが過ぎていく。前田を投入し、今野を上げ、最後は石川が中盤にいるような変則シフトをとるも効果は薄く、84分に重松が放ったシュートも北野の正面。そのまま試合終了となってしまった。
 
 

痛い敗戦であるのは間違いない。ただし、まだ何も終わってはいない。

おそらく今回、大熊監督はいわば「普通のサッカー」をやろうとしたのだと思う。速攻に賭けるのでもポゼッションに拘るのでもなく、相手に合わせすぎたり難しく考えすぎたりしないように、ちょっと癖のつきつつあったサッカーをフラット化するというか。60分くらいまでの戦いぶりを見れば、それはある程度成果をあげているように思えた。相変わらず雑な部分は多いにせよ選手たちはそれなりに伸び伸びとやれていたし、主導権を持って攻勢をとることができた。

監督交代後1週間足らずしか時間がなかったことや選手の基本的な能力の高さを考えても、この方向性は正しいように僕には思えた。だが、残念なことに結果が出なかった。攻め続けながらついに1点が奪えず、燃料切れになったところで失点という最悪のパターン。つくづくサッカーとは難しいものだと思う。早めに監督交代に踏み切って残留用のチームを作り上げてきた大宮との完成度の差とも言えるし、現在の中盤の層の薄さがモロに出てしまった形でもあった。

それでも、まだ1週間のチーム。徐々に大熊さんのカラーも出てくるのだろうし、僕にとってはそれほどネガティブな印象を受けた試合ではなかった。試合終了間際は、大熊さんの悪い癖もあってか、前に選手を並べすぎて無茶苦茶なフォーメーションになってたけど(笑)。まあそこは次までに整理してくれや、と。「鮮やかな崩し」とかそういうのはしばらくは求めないから。

個々の選手でいうと、まず良かったのは平山。動きがキレており、判断も概ね的確だったと思う。得点には至らなかったもののシュートも撃っていた。森重の奮闘も目立ったかな。自陣でミスしたり運動量が物足りなかったりと不満な点は色々あるのだが、リズムを変える楔のパスを入れられるのが彼しかいないのだ。羽生・梶山を欠く現状では平山・森重ラインでセンターを支えるしかない。むしろ、彼らを助けるべき周り(というか徳永)の動きに僕は不満を感じる。

他の選手も特に悪い出来というわけではなかったと思う。心配なのは、監督交代というカンフル剤を打ったにも関わらず即座には結果が出ず、おまけに仙台が勝って順位的にはますます厳しいところに追い込まれたことで、選手がメンタル的に折れてしまわないかということ。試合終了後に(体力的に限界だったのもあるかもしれんが)選手たちがなかなか立ち上がれなかったのは気になった。ああいうのを見ると、「勝たせてやりたかった」と本当に悔しくなるんだよな。

今この段階で悲観論をくだくだ述べたり文句ばかりブーたれたりしても始まらないと個人的には思うんだけど、でもやっぱり落ち着いてリスタートしたいところでもある。だから、湘南戦は特別にマスト・ウインな試合になるのだろう。舞台は国立だ。頑張ってほしい。頑張ろう。
 

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コメント

磐田戦と比較して、攻撃はかなり整理された感じがします。前半はかなり相手守備陣を崩す場面もありました。

時間はありませんが、良い方向に向かっているとは思います。後は、自分達の力を信じて続けるだけです。

おっしゃるとおり、大熊さんらしくよくソリッドに整理してきたな、という感じはありました。少なくとも60分くらいまで機能していた「基本形」については。

もうブレたり迷ったりする時間はいよいよなくなってきてますからね。とにかく前向きに挑んでいってほしいものです。

大丈夫だよ。

レフリーも味方だし。

いや、ありゃ単に意表を突くタイミングのシュートなんで審判が見そこなっただけでしょ(笑)。

むしろ大事な試合(昨日もそうだったわけですが……)であれを逆にやられたらと思うと、恐ろしい。

ご無沙汰してます。
まさかのご訪問ありがとうございました。
いただいた村田さんのコメントには「バレバレでしたか」って感じで笑って誤魔化しております。
失礼は重々承知なんですけど村田さんやARAちゃんみたいに昔の大熊政権を見ていれば入り方も違うと思うんですけど、僕にとっては初めましてな監督で思い入れが正直ないんです。
でも東京の礎を築いてくれた監督ですからね!応援して行きますよ!
大熊さんのやりたいサッカーというのは正直まだ見えて来ないので何とも言えないのですが昨日の印象としてはちょっと後ろがスカスカと言うか、ノーガードの打ち合いと言うか、平山へのロングボールが多すぎるというか・・・・体力的にきつそうなサッカーというか・・・。
※駄目っす!!俺城福が好きだもん。。(笑)

とにかく湘南戦が国立というのも巡り合わせですね!
「平山の国立」「俺達の国立」で再出発を飾りましょう!

こちらこそご丁寧にありがとうございます。

>※駄目っす!!俺城福が好きだもん。。(笑)

いや、ひらすけさんとことか何人かの東京ファンのblogを拝見していて、やっぱりそういう思いの人も多いんだなあと痛感しまして、野暮かもと思いつつコメントしました。

これは別にひらすけさんたちを責めているのではなく、

>村田さんやARAちゃんみたいに昔の大熊政権を見ていれば入り方も違うと思う

の部分にもあるように、01年以前からのファンは「当時の記憶(ないし思い出)」という別の方向のバイアスがかかっているわけで、それはそれでやはり自覚しておくべきなんだろうなあ、と。

まあ、熊っつぁんへの途中交代が良かったのかどうかは、歴史上の「もしも」の話になってしまうのでなかなか判断が難しいですが、少なくとも今は「うまく行ってほしい」としか言いようがないですし、何より06〜07年の不毛な感情的摩擦が繰り返されるのだけは避けたいものです。

>体力的にきつそうなサッカーというか・・・。

なにしろ「部活サッカー」ですからね(笑)。

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