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2010年09月06日

●12年ぶりの大学生 ('10-'11天皇杯2回戦)


9月最初の日曜日の夜は、味の素スタジアムで天皇杯2回戦。FC東京 2−0 駒澤大学。2〜3年度ごとに微妙に開催方式が変わるせいもあり、毎年違う状況で迎える「全日本サッカー選手権大会」。今回はわずか2日前に1回戦を勝ち抜いた駒澤大(関東大学リーグ2位)との対戦となった。試合は、駒澤の組織守備に苦戦してスコアレスで折り返す展開ながら、後半投入された羽生・徳永の活躍によって終わってみれば2点差の完勝。東京が3回戦に進出した。
 
 
昨晩の東京は今野・石川・梶山・大黒・権田が怪我や温存(?)で欠場し、DFラインに高橋と平出が並んで松下・田邉がボランチを組む新鮮なスタメン。前半は「メンバー落ちで連携と動きの鋭さを欠くJ1チームが、組織力と走力に勝る学生(ないし下部リーグ)チームに苦戦」といういかにも天皇杯初戦な展開となった。東京は選手間が離れすぎている上にパスの出し手と受け手の呼吸が合わない場面が多く、サイドにしか行き場がなくなってしまういつものパターン。

一方の駒澤大は整然と組織されたゾーン守備で東京のパス回しを寸断し、縦に速い攻撃とフォローアップで幾度か東京陣深くへ攻め込む。だが、東京も森重と塩田を中心に最後の一線では個人能力の差を見せてきっちりとはね返し、決定機は与えない。少々ユルめの攻防が続いていく。序盤の松下のミドルシュートはわずかにバーを越え、重松の弾丸FKはGK正面。何本かあった駒澤のCKも平山がはね返すなど、双方得点を奪えぬままに前半が終了した。
 
後半、東京は羽生と徳永を投入して攻勢開始。徳永はさすがのフィジカルで一対一を制し、羽生もどんどんボールを引き出して押し込んでいく。DFの間に飛び出した椋原のシュート、ゴール右隅を襲う徳永のミドルシュート、そして平山の叩きつけるヘッダーはいずれもGK岡に止められるが、58分、ボックス左手前で平山が倒されてFK。松下の蹴ったボールは緩やかな弧を描いてゴール右隅に吸い込まれた。きれいに決まった先制点でようやく一安心。1−0。

連戦の駒澤の足が止まったこともあり、その後も東京ペースは続いた。攻守を牽引する羽生がスローインから早いタイミングでスペースに飛び出して突破し、決定的なクロスに平山わずかに届かず、という場面が2度。そして73分、徳永とのパス交換から羽生が速いクロス、ニアサイドに倒れ込んだ平山が頭で触ってゲット。2−0。終盤はさすがに東京もペースを緩め、しかし駒澤のセットプレーのチャンスは塩田の好セーブでしのぎ、そのままリードを守りきった。
 
 
まったりした戦いぶりは天皇杯初戦の恒例というか、まあこんなもんだろうと。

主力に負傷者数人を抱え、前後1週間にナビスコ杯準々決勝を戦うきつい日程の最中で、相手は力の差がある学生チーム、そして一発勝負のノックアウトトーナメント。今回はまさしく「勝てばよい」試合であって、前半は手こずったものの、後半個の力を生かす形で押し切ることができた。スタンドからは「何やってんだ!」「もっと行け!」の声も多かったようだが、そこはもう少し状況を考えてあげてもいいんじゃないかな、と。ビリッとしなかったのは事実だけど。

MVPは羽生。後半投入されてからはさすがの働きというか、チームに活を入れてくれた。攻撃ではよくボールを引き出し、味方をフォローし、守備でも真っ先に危ない場所に駆けつける活躍。格の違いを見せつけた……つーか、他の選手もいい加減もっと頑張らないと。一番走っていながら「ただ走るだけではない」彼の動きは本当に参考になるはずなので、パスの出し手も受け手ももっともっと学んでほしい……と言い続けてはや2年半(笑)。羽生も今年で31か。

しかし、こちらも水曜日にナビスコ準々決勝があったとはいえ、駒澤大はヴェルディユース戦から中1日なのだから気の毒ではあった。「そういや天皇杯で大学チームとやった記憶があまりないな」と思って調べてみたら、東京が「FC東京」になってからは初めてなんだね。1999年に2回戦まで高校チームと連戦(草津東、初芝橋本)したことはあったけれども。その後は初戦からJ2やせいぜいJFLや地域リーグのチームだったから、今回はけっこう新鮮だった。

ちなみに、東京ガスがJFLに所属していた98年には1〜2回戦で中京大学・東海大学と対戦している。東京中華思想の「東京応援風景」を見ると当時ののどかさがうかがえて面白い。アマラオのいじり方とか小峯・新條・原田とか、「西が丘オヤジ」とかすげー懐かしいんですけど。東海大戦の方は僕も観に行って、確か2−0だったかな。試合後、移籍が決まってた浮氣哲郎がゴール裏にやってきてユニフォームやらスパイクやら投げ込んだのはこの時だっけか?

と、妙な思い出に浸れるのも歴史ある天皇杯ならでは。なんてね(笑)。
 

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