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2010年06月07日

●とりあえず2位浮上 ('10ナビスコ杯 vs京都サンガ)


昨日の午後は、味の素スタジアムでナビスコカップ第6節。FC東京 1−0 京都サンガF.C.。前節ベガルタ仙台に敗れ、3位に転落して迎えた首位との対戦。グループリーグ突破のためには引き分けでなく勝ちが必要な状況であった。試合は、暑さと両チームのステディな守備によって膠着状態が続く展開となったが、後半にキム・ヨングンの来日初ゴールで得た虎の子の1点を守りきって東京が勝利。
 
 
25度に達しようかという暑さの中キックオフ。東京は左SB中村北斗でCBにキム、右SBに松下を起用する変則的(?)な布陣であった。立ち上がりは京都の出足が良く、フォアチェックから押し込む形に。4分、ディエゴがキムからボールを奪ってドリブルシュートするも、バーの上を越えた。東京もすぐさま反撃。6分、左サイドのつなぎからボックス手前に出た石川がグラウンダーのシュート、惜しくもポスト右を抜けた。そこからしばらくは一進一退の攻防に。

10分、ロングボールに反応した柳沢のシュートは権田がキャッチ。11分、縦につないでボックス手前で鈴木が反転シュートするも、威力なくGK平井がキャッチ。12分にはディエゴと柳沢が細かいパス交換で中央突破を図るが、柳沢のシュートは枠外。両チームとも守備の安定感ゆえになかなか決定機に至らない印象。21分、ドゥトラがDFをかわしながら突進してシュートするも、権田がまたキャッチ。23分、CKで森重が合わせたヘッダーはわずか右に外れ。

そして前半半ばを過ぎると、暑さのせいもあってか双方運動量とプレーの精度が落ち、試合は膠着してしまう。31分、羽生・石川らのつなぎからボックス内の赤嶺にパスが通るもシュートできず。33分、京都陣でのねちっこいパス回しから石川がミドルシュート、DFに当たったボールがポスト左を抜けた。その後は、徳永の判断ミスの多さもあって東京は前線へ全くボールを運べなくなり、京都も柳沢・ディエゴを狙う縦パスばかりで危険はなし。スコアレスで後半へ。
 
 
後半立ち上がりは東京がペースを握る。46分、京都陣中央のFKでクイックリスタート、浮き球に反応した森重がボックスへ突入するもファウルギリギリに京都DFがクリア。暑く集中力が途切れそうな中、東京はこの他にも早い仕掛けが目立った。そして53分。京都陣ボックス正面で赤嶺が倒されてFKの場面。キムが左足で撃ったシュートは素晴らしい速さと軌道でゴール左隅に飛び、ポストと平井の体に当たってゴールイン。文句なし、素晴らしい一振り!!1−0。

こうなると、後方に重心を置いて攻撃は外国人に依存気味の京都は苦しい。逆に、東京は試合運びに余裕が生まれることに。54分、ショートカウンターから石川・赤嶺がボックス手前まで運び、左を追い越した鈴木の強シュートを平井がキャッチ。東京は鈴木→大竹、石川→重松で追加点を、京都は宮吉・加藤を投入して同点ゴールを狙う。58分、またクイックリスタートから北斗が左サイドを突破、クロスに飛び込んだ大竹がヘディングシュートするも平井が押さえる。

67分、ロングボールをボックス内で宮吉がFW目がけて落とすが森重がクリア。70分、ボックス左で大竹・赤嶺が粘ってFKを獲得、松下が速いボールを入れるも平井がセーブ。京都は左右に回して攻め入ろうとするが、リードする東京は守備のバランスを崩さず、重松らの激しいチェイスもあって京都のミスパスばかりが目立つ。75分、京都はドゥトラOUTで鈴木慎吾IN。これに対して東京は羽生→椋原の交代でサイドの守備を強化し、京都に流れを渡さない。

終盤には東京が抜群のキープ力を見せる梶山を基点にチャンスを連取する。85分、右に持ち出した重松から赤嶺へサイドチェンジ、DFの隙間へ走り込む大竹にラストパスが通り、GKの前で触ったボールは惜しくも枠に飛ばず。87分には流れるようなパスワークから赤嶺が反転シュートを撃つも、DFがブロック。その直後、大竹の鋭いスルーパスで重松が飛び出してGKと一対一の場面。これは残念ながらオフサイドだったが、2人の連携に胸躍る瞬間だった。

ロスタイムは意外と激しい展開に。ボックス左手前のFK、枠を襲った鈴木慎の強シュートを権田が横っ跳びでナイスキャッチ。こぼしたら1点ものの好プレー。47分、大竹が高速ドリブルで左サイドを突破、マイナスのクロスに走り込む松下が合わせたがシュートは平井が押さえる。その直後、今度は中山が左サイドを突破し、グラウンダーをゴール前で宮吉が反転シュートする大ピンチ。幸いバーを越えてくれたが、最後の最後で冷や汗をかいた。そしてフルタイム。
 
 
とりあえず勝ててよかったな、と。

全体的にはイマイチの内容だった。特に前半はパス回しに味がなく、引いて守る京都の守備をほとんど崩すことができなかった。正直退屈で、観ていて思わずウトウト(ごめんなさい)。もちろん守備は安定していたにせよ、勝点3を狙うにしては物足りなかった。良くなったのは後半から。立ち上がりのラッシュ、キムの直接FK、大竹・重松の仕掛け。ただ、その優勢も京都の不出来にも助けられた印象が強く、やはりあと1点くらいはとってほしかったところ。

まあ、それでも、「勝たなければならない」試合に勝ちきった意味は小さくない、とは思う。これで次節勝てば自力で勝ち抜けを決められる状況に。リーグ戦で首位に大差をつけられている現状を鑑みれば、カップ戦タイトルの可能性も残しておかないと色々な意味で厳しくなるだろうから。加えて、これまで控えに回ることの多かった選手も使っての勝利だからなおさらである。内容云々は中断明けに期待しよう……とでも思わないと、これからの1ヶ月半がつらい(笑)。

MVPは、何のひねりもないがキム・ヨングン。初ゴールおめでとう!左足の威力と精度は魅力的だよね。守備もしっかりしてるし、良かった頃の金沢浄を彷彿とさせるというか。勝利への貢献度でいえば、権田も素晴らしかった。1−0の勝利が多いことに関しては、もっと彼の落ち着きを褒めるべきなのだろう。森重も好守多し。北斗はやっぱりDFで使うのが良いみたい。松下を右SBで使ったのは北斗とのバランスなんだろうね。どこでもできるんだな、しかし。

MF陣では、羽生がいつも通りよくバランスをとってくれた印象。梶山は終盤のキープは凄かったけど、全般的には平凡だったかな。徳永はパスを相手に当てまくってましたな。城福さんもいつまで強情張るのだろう、と思う。石川はちょっと元気がなかった?大竹と重松は非常に切れていた。この2人はホント何かを起こしてくれそうなオーラがムンムン漂っている。特に大竹はもっと使ってほしい!鈴木達也と赤嶺は、お互いを生かせないまま埋没する時間が長かったかと。

さて、これで水曜日のセレッソ戦が終われば、いよいよW杯の中断期間に突入である。とりあえず今シーズンここまでの3ヶ月を振り返ってみると……やっぱりモヤモヤすることが多かったなあ(笑)。7月以降はもっと歯車が噛み合っていいサッカーが見られるといいな、と思う。
 

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