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2010年03月14日

●東京都青少年健全育成条例改正問題

都条例「非実在青少年」規制問題について (たけくまメモ)

野放しの漫画児童ポルノを規制へ 都条例改正案、反対論も (47NEWS)

都の青少年育成条例案に事業者・有識者ら反対 「ネット規制」 (日本経済新聞)

東京都条例で「非実在青少年・創作物規制」の動きが加速 (保坂展人のどこどこ日記)

東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例 (東京都公式)
 
 
忙しさにかまけて……というか、それを自分への言い訳にして情報を追うのが遅れてしまったけど、東京都の「青少年健全育成」とやらが凄いことになっているようです。

こうした動きへの賛否については、上記リンクや、それを手掛かりにした検索情報などを元に皆様ご自身で判断されると良いかと思います。ただ、問題なのは、こうした条例改正の内容はおろか、そもそも東京都がそうした動きをしている事について知らない人が多すぎることかと。

なので、とりあえず、いくつかリンクをはってみました。

 
(以下、あくまで個人的な感想)

そもそも、世の中の事象について「健全」「不健全」に二分して一方をシャットアウトしたり制裁を課したり、といった作業が、果たして様々な人にとって生きやすい社会を作ることにつながるのだろうか。可能なのだろうか。それが青少年の育成のために限るとしても、である。

また、都の審議会の議論などを見るにつけ、児童ポルノなどで「食い物」にされている児童を守ることと「不健全図書」等に接触する青少年の「健全育成」を図ることなど、目的が混同されてそうなのも気になる。とにかくめたらめっぽう規制してみました、という印象を受けるのだが。

結果としてこうした規制の強化は、様々な創作物上での表現や、それをきっかけとする精神活動の衰退を招くのではないか。それは、単に過激な表現ができなくなるだけでなく、人間誰しもが持つ「不健全」な部分や善悪の曖昧な領域などについても描きづらくなるからだ。

「単純所持の禁止」なども(今回は罰則規定はないようだけど)、よほど気をつけて行わないと本来の趣旨とは異なる適用(別件捜査の口実とか)の危険がある、というのは確か国会の児童ポルノ禁止法関連の議論でもずいぶん出た話じゃなかったっけか。

つーかね。一番凄いのは、改正案の「都民の義務」のところ。これは価値観の強制だろう。
 
 
憂鬱なのは、こういう意見を書いたりすると「それって結局、エロマンガとかエロゲーが見たい人の言い訳なんでしょ?」とか言う人がいることなんだよな。実際、金曜日に僕がこの話をしていたら、とある女性からその旨言われてしまった。「じゃああなたは児童ポルノを容認するんですか!?」とか。うーむ、そうじゃないんだけどな……。
 
 
[付記]
ちなみに、「非実在青少年」問題がクローズアップされる中でどうもマンガやアニメやゲームがイメージされがちなようだけど、当然のことながら実写の映画や小説など全ジャンルが対象になるのでそのつもりで。影響を受けるのは秋葉原のオタクとかだけじゃないよ!という(笑)。
 

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