うまねんblog

当然の事ながら、ただひたすらに歩いていく。水辺とは縁遠い環境で子供時代を過ごした身には河川敷の風景は新鮮ではあるが……単調と言えば単調かな。おまけに断続的に雨が降りしぶく悪天候。顔や頭をびっしょりと濡らしつつ、iPodのＢＧＭに励まされてやや早足で進んでいった。周りを見渡すと、僕と同じ１７ｋｍコースの人々に混じって、５０ｋｍや３０ｋｍ用のゼッケンを付けた参加者の姿も。５０ｋｍか……何しろマラソンより長いんだから、途方もないわな。

二ヶ領上河原堰堤の脇を通過。川崎市側の大きな用水路（二ヶ領用水）へ水を供給する機能を果たしている施設で、現在のものは１９９９年竣工。戦前にはこれを巡って東京と神奈川で争いもあったとか。ふーん。そうこうしているうちに、小田急線登戸駅近くの多摩水道橋をくぐる。ここら辺から、自動車教習所や草野球のグラウンドが増えてくる。歩き始めて１時間ほどだが、早くも空腹を覚えてきた。受付でもらった森永キャラメルと水を補給してしのぐ。ウマー。

雨がまだパラつく中、泥んこのグラウンドで懸命にボールを追っている少年サッカーの試合を見かけた。岡田レフェリーにぜひともコメントを求めたい光景である。

狛江市から世田谷区に入ったあたりでようやく青空がのぞき、日差しも強くなってきた。堤防の内側にきれいに整備された芝のグラウンドが見えたので「何だろう？」と思ったら、ラグビーのリコー・ブラックラムズのホームグラウンドなのね。これも知らなかったなあ。建物の壁やゴールポストにもチーム名のロゴが入っていて良い雰囲気である。選手がポツポツ外に出始めていたので、もう少し待ってたらラーカムとか見られたのかな？「タヌママ」もいたりして（笑）。

１１時２０分頃、スタートしてから９ｋｍ地点（８ｋｍコースはここから出発する）の二子玉川に到着。この時間帯が一番天気が良く、歩いていてとても気分が良い感じ。いつも思うのだが、雨上がりの青空って、やっぱり普通に晴れた時よりずっときれいだよね。河川敷は空が広いのでまた格別だし。流れる雲も低いのと高いのとで速さが違ったり複雑な動きをしていて、立ち止まって見ていると「もっていかれる」感覚に襲われた。まさにナチュラル・ハイですな。

と、「なーんだ、もう半分以上か。全然大したことないな」と余裕しゃくしゃくだったのだが、実は大変なのはここからだったのだ。二子玉川を過ぎたところで舗装のない石ころだらけの道に突入。１０ｋｍ近くを歩いた上での難所歩行は予想以上に足にこたえる。パリ～ルーベで荒れたパヴェを走る自転車選手の気持ちが、ちょっとだけわかったような（笑）。その後もぬかるみと石でできた道が続き、次第に足も痛み出す。なまった体には、この数ｋｍは本当にキツかった。

つーか、うっかり３０ｋｍコースとか、ましてや５０ｋｍコースなんて選ばなくて本当によかった。３０ｋｍでも確実にリタイアしていたことだろう。おそるべし、多摩川。

それでも、歩くスピードをグッと落としながらも１時間以上をかけて石ころ道区間を突破し、丸子橋付近までたどりついた。ここまで来ると参加者のペースもてんでバラバラだが、時折５０ｋｍコースの人に追い抜かれたりするとかなりショック。「この人、本当に俺より３３ｋｍも多く歩いてるのか！？」みたいな。まあそんな事言っても仕方ないんだけど。しかし、こうしてみると舗装道ってのは本当に歩きやすいんだね。見直したよ。ビバ、セメント！！みたいな（笑）。

ゴール数ｋｍ手前に私立の高等学校があって、僕たちが歩いているのと同じ道を陸上部の選手たちが風のように走って行ったかと思うと、そのすぐ後ろには片手にストップウォッチを持ってチャリンコをメチャ漕ぎする女子マネージャーの姿が。いや、なんか、青春っぽいというか、まるで漫画か何かに出てきそうないい光景だった。ガンバレ！！

そして、ようやく、１３時にガス橋緑地へ到着。所要時間３時間１５分が長いのか短いのかはわからないが、何事もやり遂げるというのはやはり気持ちの良いものである。ゲートをくぐって受付で「完歩証」をもらう。ゴール地点はスポンサー企業や地元の商店街がブースを出したりして、ちょっとしたお祭り会場になっていた。残念なのは雨のせいでステージ前がぬかるみになり、出し物があまり盛り上がらなかったこと。「ＴＯＫＹＯ体操」デモンストレーション、とか。

自分へのご褒美として、ちょいと一杯。大田区の商店街のブースでほたて串とさざえ串、そしてキリン「淡麗生」。普段は発泡酒はほとんど飲まないのだが、樽生だったし、こういうシチュエーションなら全然ＯＫである。ほたて串とさざえ串は焼きたてで香ばしく、２本で３百円はかなり嬉しい美味しさ。あと、とてもお腹が空いていたので「大田焼きそば」なるものを食べてみる。こちらは……ご当地グルメブームに乗っかりたいのだろうけど、正直完成度が低い。残念。

ともあれ、痛む足を引きづりながら東急下丸子駅までたどりつき、多摩川から東横線に乗り換えて渋谷経由で帰宅。靴もズボンも泥だらけになっていた上に、後半の日差しが効いたのか、顔や腕が赤くなるくらいに日焼けしていた。あー疲れた……速攻でベットに倒れ込んで爆睡。
　
　
以下、来年へ向けての個人的メモ。

○ 雨天対応。短時間ならレインコートや傘でも良いが、ずっと雨ならいっそ着替える覚悟も。
○ 日差し対策。キャップは不可欠か。場合によってはサングラスも？
○ 悪路が予想外に多いことから、底が厚め（ないしは頑丈？）のシューズが必要か。
○ 今回はキャラメル＋水でなんとかなったが、距離によっては補給食必須か。
○ いきなり５０ｋｍに挑戦するのは無謀だろう。３０ｋｍでも入念な準備が必要かも。
○ 完歩後のダメージはけっこう大きい。その後に飲み会などは入れない方が無難（笑）。